本質的なフィードバックができるようになるまでには、たくさん失敗する
最近、職場で「本質的なフィードバックをするにはどうしたらいいか?」という話題で話すことがあった。
背景としては、質問者は経験が浅く特定の領域に深い知識や豊かな経験を持ち合わせておらず、仕事の中でコメントを求められても表面的な受け止めにとどまってしまうことを課題に感じているというものだ。
ただのフィードバックではなく、本質的なフィードバックという言葉を使っている。背景には表面的なことをなぞったり指摘するのではなく、聴いている人の予想を裏切ることやはっと気づきを与えるようなフィードバックを与えたいというのが言外の目標のような気がする。
本来、知識量や経験値に比例する形で本質的なフィードバックに近づけるような気がするが、それをショートカットする方法はないのかという欲求だ。確かになぁ、と共感してしまった。
そこで自身の経験から伝えられたのは、①時間軸を変えることと、②立場を変えることによって、無理矢理知識量や経験値の量をショートカットすることだった。
①時間軸を変える
・現在、過去、未来
・短期、中期、長期
という切り口を変えて同じものを見てみると見え方が変わるかもしれない。特定の話題で話してる時にどうしても近視眼的になってしまうことが多いので、俯瞰的にものを見直す癖をつけたほうが良い。
②立場を変える
・上司、同僚、自分
・自部署の人、他部署の人
・社内の人、社外の人
という誰目線かを変えることで感じ方も変えられるだろう。ぼくが新卒の時によく上司から「2クラス上の上司がどう考えるか言ってみろ」と視座を無理矢理上げる問いかけで鍛えられた。上司を説得する必要がある時に「◯◯さんなら、こう考えるから」と自然にやってるアレだ。
こんな風に自分の脳を拡張してフィードバックしてみるのが重要だと思っている。
ただし、ある意味ギャンブルなので、尻込みすることがよくある。トライできる場にどれだけ触れられるかが成長のチャンスにダイレクトに繋がる。
ショートカットするのは一般に悪いことのように思われがちだけど、人命や人生の決断などのクリティカルなものでない限り、どんどんショートカットを試みたほうがよい。
その分怒られたり嫌がられたりするかもしれないけど、いっぱい失敗したときには試行錯誤の結果が手に入ってるので切り口のバリエーションが増えていて本質的なフィードバックに近づいているはずだ。
それでも失敗することが怖いなら、「チ。」に出てくる有名な言葉に「不正解は無意味を意味しない」というフレーズを思い出せば良い。不正解という結果に打ちひしがれず、別の道を選べば良かったことがわかったと思えば良いだろう。
こと自分においてもフィードバックはいまだに研究中だし、トライアンドエラーは続けていかないといけないものだな。