桜花賞 予想
Bコース2週目。天気はなんとか良さそう。
名牝への登竜門らしく、スタート以降は全て11秒台が続く。良馬場時の勝ち馬は、先行押切や後方一気など脚質に幅はあるが、中盤で11秒台を維持する追走力と、急坂前で10秒台に突入できるスピードを兼ね備えていた。
例年は、
・阪神JF
短距離馬の目標でテンが激流の前傾戦
・チューリップ賞
前哨戦らしい瞬発力勝負の後傾戦
になり、ここを連勝してきた馬は、両方の質をこなせる強い馬ということで勝ち切ることが多い。
が、今年は少し異質で、
・阪神JF
この頃からすでに桜花賞平均のハイレベル戦
・チューリップ賞
直行主流の空き巣狙いで、かつ稍重の道悪馬場の激流底力戦
となり、2歳G1上位組をどの馬が飲み込むかという構図。
▼ 前哨戦
〇アルテミスS
チェルヴィニアが勝った東京マイル戦。
テンは平均やや遅めでスロー。その分、直線の爆発力に繋げられて、坂をもろともしない加速ラップ。本番は前半がよりタイトになるが、終いで見せた余力がそれを相殺できるかが注目。
過去 35.5-24.4-34.3=1.34.1
結果 35.9-24.1-33.6=1.33.6
〇阪神JF
アスコリピチェーノが3連勝を決めてG1制覇。
テンの急流は例年通りで、2F目に10秒台後半がありながら、ラスト4Fの持続力が優秀。
ラスト4F 46.2はソダシの年を0.1秒上回り史上最速。レース全体としてもレコードを記録した。桜花賞で求められるラップ推移と酷似しており、4着以下を突き放した上位3頭の評価は揺るがない。
過去 34.2-24.0-35.1=1.33.4
結果 34.4-23.8-34.4=1.32.6
✕フェアリーS
年始の中山マイルで行われる牝馬限定G3。
テン3F 34.7は史上4番目、終い2F 22.9は史上最も速い時計。内枠後方馬が上位を占める中、勝ったイフェイオンはコーナー負荷のかかる大外4番手から異質な競馬を見せた。
過去 35.4-23.9-35.5=1.34.8
結果 34.7-24.2-35.1=1.34.0
ただ、時計の速さは年末から続いた中山高速馬場の影響があり。3連休の他のマイル戦と比較すると最も悪い時計で、結局いつもの凡戦フェアリーSという評価になっている。
前日ジュニア 34.8-23.1-34.6=1.32.5
同日未勝利 34.4-22.8-36.2=1.33.4
同日フェアリ 34.7-24.2-35.1=1.34.0
翌日新馬 34.4-24.3-35.2=1.33.9
〇クイーンC
中盤厳しくも、終い耐えきるハイレベル戦。
勝ったクイーンズウォークは、クイーンCの結果で指標となるG1馬条件をクリア。
▼指標1:中盤2F+終盤3Fが全て11秒台
メジャーエンブレム(NHKマイル)
アカイトリノムスメ(秋華賞)
クイーンズウォーク
▼(参考)指標2:ラスト3Fが33秒台
ヴィルシーナ(ヴィクトリアM)
クロノジェネシス(有馬記念他)
全体時計は、メジャーE・アカイトリノMの同条件2頭よりは0.5秒程度の高速馬場。例年、同週2勝クラスと比較して0.x秒上回る程度が多いですが、今年は1秒以上の差がありました。
過去 35.0-23.8-35.1=1.33.9
結果 35.4-23.3-34.4=1.33.1
✕チューリップ賞
稍重の道悪馬場の激流底力戦。
5F 57.7は2007年以降最速で、22年良馬場を0.8秒も上回るハイペース。フィリーズRのような減速ラップで、瞬発力勝負になりやすいチューリップ賞ではかなり珍しい。桜花賞とのバランスの差は一目瞭然で、過去のフィリーズレビューと同じ扱いとしたい。
過去(白) 35.1-24.3-34.2=1.33.6
結果(緑) 34.5-23.2-35.4=1.33.1
✕フィリーズR
桜花賞トライアルとは夢のまた夢。
スプリント主体のメンバー構成に加えて、阪神内回りらしい例年通りの減速ラップ。外回りの本番とは求められるものが真逆ゆえ、ここからの好走馬が少ないのは当然。
過去 33.5-11.7-35.6=1.20.8
結果 33.8-11.2-35.1=1.20.1
そんな中でも、1番人気2着した馬は桜花賞で好走しやすいことがタイムラインを賑わせます。ただ、それぞれには連続好走を示す理由があって…。
ナムラクレア:本番内枠・中盤穏流で上位10頭が0.3秒の僅差
レーヌミノル:本番道悪・フィリーズRは中盤穏流
アットザシーサイド:フィリーズRがマイル並みの歴史的スロー
▼ 人気馬見解
クイーンズウォーク ★★☆ Lc量
名は体を表すクイーンC勝馬。
500kgを超える雄大な馬体にもかかわらず、体幹の良さとギアの軽さを持ち合わせる量系。新馬戦から京都1800mの牡牝混合戦で、馬への期待と長距離志向を感じる。
スタートは13秒台でマイルだと中団から後方。
新馬戦・未勝利の1800m戦はともに、中盤に12秒後半~13秒があるスロー前残り戦。そこから距離短縮&11秒台連発の持続力戦を一発回答。一気のペースアップにも耐えうる精神力の高さは、G1でも即通用しても全く不思議じゃない。馬群経験があればなおよかった。
イフェイオン ★★☆ Ls
芦毛や走法の印象に反して、スタートはそれなりに速く12秒台中盤。
これまでの上がりは、直線平坦な京都を含めても全て34秒台で、低速持続タイプ。前走は、西村騎手の進言で「勝てそうなフェアリーSへ」とのこと。ここを勝ち切るには、もう一段階の成長と展開破綻が必要。
スウィープフィート ★☆☆ Ls
展開向いた前傾チューリップ賞馬。
馬体重の割に馬体を大きく見せてスワーヴリチャード産駒らしい体力主導の走り。スプリントよりは中距離向き。
ゲートで集中できず、一歩目でダッシュできないので後方になりがち。
揉まれた経験がなく、外枠や後方の極端な競馬が多い。その点は近年の鞍上と手が合ってよい。
白菊賞は、京都内回りマイル戦にもかかわらず12秒後半まで緩む後傾戦。最後方から首差まで迫るスピード(上がり33.1秒。2位との上がり差0.8)を見せた。ただし、速い追走ペースを求められるG1戦になると、最後方追い込みでも終いが削がれてしまう。格に従順で、右にもたれる癖もあり、成長とともに終いに還元したい。
コラソンビート ★☆☆ Scl
京王杯2歳S勝ち馬。
前進気勢が強く、テンと終いのスピードの高さが武器。故に、東京・阪神のような道中に息が入って、終いを活かせるレースが得意。逆に、フィリーズレビューのような減速ラップ戦は初めてで、持ち味を発揮できなかった。
ハイレベル戦の阪神JF3着の実力は評価する一方で、未勝利を含めてマイル戦でのラストの踏ん張りが効かない。現状1400mがベストで、陣営の目標も前走という仕上げ。3番人気ならここはしっかり嫌いたい。
アスコリピチェーノ ★★☆ Lまとまり
ハイレベル2歳女王。
人気馬にマイルよりも長めの距離が良さそうなメンバーが揃う中、もっともマイルが似合う馬。コラソンビート以下との勝負づけは済んでいる。
クイーンズウォーク・ステレンボッシュ・チェルヴィニアよりも前で競馬することになる1番人気。テンも終いもアベレージの高いまとまり系で、掲示板は外さない印象も、終盤力で120点を出せる他馬がいる。
ステレンボッシュ ★★★ Lまとまり
エピファネイア×ルーラーシップらしいモサっとした体力系。
札幌1800mでデビューしたように、本質はマイルよりも長いところ。ただ、ナミュールの赤松賞と同タイムでポテンシャルを示し、中2週でタイトな阪神JFでも一番強い競馬を見せた。間隔をあけた臨戦に、外で偶数枠のマジックマンなら、上昇度で逆転を。
チェルヴィニア ★★★ CL
2歳東京マイル戦において、ラスト5F 57秒台のハイレベルレースは8例。グランアレグリアやサリオスなどG1馬が名を連ねる中で、新馬・アルテミスSともにそれを満たしてきた。
いまだ底を見せておらず、芯の通った精神力の中に、終いに繋がるスピードと持続力がある優秀な馬。マイル適性はアスコリピチェーノには劣るものの、次点はこの馬。全3戦の通過順はすべて3番手以内ですが、テンの遅さ故、ここでは中団以降の立ち位置。大外に休み明けに課題は多いですが、ポテンシャルは一番高い馬。課題がオッズにも反映されて、最初で最後の単勝7倍台をものにしたい。
近走1F実績からの隊列想定
距離延長フィリーズR組や激流チューリップ賞組の先行馬が集まった。人気馬は後ろに集まり、前がやや窮屈に映る。一番スムーズに外から飲み込めるのは、皮肉にも大外枠のチェルヴィニアなのかもしれない。
デアリングタクト・リバティアイランドが1F13秒フラットから末脚一閃で勝ったことを考えると、それより遅い馬や内を割れず進路に工夫が必要な馬は期待しづらい。
印
◎チェルヴィニア
〇ステレンボッシュ
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