ヴィクトリアマイル

Bコース替わりの高速決着が基本線。
近年勝ち馬は、ソングライン・ソダシ・グランアレグリア・アーモンドアイと歴史的名牝ずらり。過去は、前半1000m57~8秒台のハイラップを32秒台に突入できる末脚で。


レース(白) 34.2-23.2-33.9=1.31.3
勝ち馬(紫) 35.0-23.2-33.1=1.31.3

土曜のクッション値は、9.6。
近2年のソングライン・ソダシの 9.2 よりは高速質になりそうだけど、例年よりも1枚落ちるメンバー構成でどこまで緩むかが焦点。逃げ候補のコンクシェル・サウンドビバーチェ・フィールシンパシーは人気なく、かつスピードでガシガシというタイプではないので、これまで以上に瞬発力質になるのではという見立て。




▼ーーーーーー前哨戦

阪神牝馬S

過去(白) 35.5-23.7-34.0=1.33.2
結果(緑) 35.4-24.1-33.5=1.33.0 / ク9.3
桜花賞 34.5-23.6-34.1=1.32.2 / ク9.3
目標(黄) 34.2-23.2-33.9=1.31.3

例年、桜花賞よりも1秒遅い決着になり、今年も同様。中盤がしっかり緩んでの瞬発力戦。桜花賞よりもチューリップ賞に近いイメージ。道中は、緩い流れを固まった隊列で。本番では、もう1段階速い追走を求められる。


中山牝馬S

過去(白) 36.6-35.8-35.3=1.47.6
結果(緑) 37.4-35.4-36.2=1.49.0 / ク8.1
目標(黄) 34.2-23.2-33.9=1.31.3

中山1800mのタフレースに、クッション値8.1の道悪が加わって。
ラスト600mでは4頭横並びの区間ラップ 11.3 を刻んでさらに持久力戦に。本番とは真逆の質。


福島牝馬

過去(白) 35.7-36.2-35.4=1.47.3
結果(緑) 35.3-36.6-35.0=1.46.9 / ク9.5
目標(黄) 34.2-23.2-33.9=1.31.3

例年よりも中盤が緩んで、終いが必要な持続力戦。
本番での戸惑いは、阪神牝馬 < 福島牝馬 < 中山牝馬の見立てだけど、全体的にパッとしないのが正直なところ。なら、近走の格よりもこれまでの格を重視したいところ。


▼ーーーーーー有力馬考察

【B+評価】フィアスプライド

ディープインパクト × Kingmambo(仏/マ) × Summer Squall(米/ダ/マ)

テンが速ければ速いほど好走して、33秒台の上がりをコンスタントに使えるのが魅力。府中牝馬は、同じ追込のルージュエヴァイユと0.1差でポテンシャルの証明。ターコイズSは、テンが緩んで東京マイルのようなW型瞬発力ラップが効いた印象。中山牝馬は、不向きな道悪・持久力戦を大外まくりで0.4差なら評価を落としすぎる必要はない。


【C評価】スタニングローズ

キングカメハメハ × クロフネ × サンデーサイレンス

マイル経験に乏しく、1段も2段も速い追走が求められる。ここはしっかり嫌いたい。

長期休み明けから、ベスト舞台の古馬G1で逃げて0.5差。オークスや秋華賞から、格は十分にあって、逃げのショックでリズムもつけては好材料。


【B-評価】コンクシェル

キズナ × Galileo(愛/長) × Machiavellian(仏/短)

ペースは経験ありも、軽斤量時に好走が目立つ。
基本的にはキズナとGalileoのパワフルさが効いて、マイルより長めのパワー質という印象。


【B-評価】ウンブライル

ロードカナロア × Falbrav(英/中) × サンデーサイレンス

好走レンジは1分33秒近辺に集中。
それ以上に速い東京新聞杯で凡走、それ以上に遅い阪神JFでも凡走。ボテッとした印象で、稍重のクイーン→NZT→NHKマイルの好走がピタリとはまる。高速ヴィクトリアマイルでは、ラストの脚色が同じで取りこぼすイメージ。


【A評価】マスクトディーヴァ

ルーラーシップ × ディープインパクト × White Muzzle(欧/長)

1800m~2000m経験が多い馬らしく、ペース経験はやや低め。ですが、例年より1秒速い高速馬場のローズSで一発回答できたポテンシャルは魅力。
一気に加速して勝負するジャンタルマンタルタイプで、モレイラさんを鞍上に、中団の位置からどれだけ後続馬を突き放せるかが焦点。


【C評価】ハーパー

ハーツクライ × Jump Start × Carson City(いずれも米/ダ/短)

先行力とラスト1Fでバテない持続力が特徴。
グラフが示す通り、上がり34.5になるレースに好走例が集中。秋華賞のような33秒台が求められる超スロー戦だとキレ負け、一方でベスト舞台だった大阪杯でも35秒台タフ馬場だと体力不足。高速で上がり性能求められるヴィクトリアマイルだとスピード不足。


【C評価】サウンドビバーチェ

ドゥラメンテ × Johan Cruyff(愛香/中) × Dashing Blade(欧/万)

スタート直後の前向きさが光る一方で、近走は直線入ってからの堕落が顕著に。師が「少しズブくなっていて、やめるようになっている。」と語るように、馬体重が増え続け、終いの踏ん張りがまったく効かず。東京のマイル戦で上がり35秒ほどで、目標ラップから遠ざかるばかりの近走。


【A評価】ナミュール

ハービンジャー × ダイワメジャー × French Deputy(米/ダ/マ)

他の馬と比べて、全体的にバブルが低め=終いの速さで勝負するタイプ。この馬の良さは、ペースが上がって(バブルが左)も上がりを維持できて結果も伴っていること。

上がりが速くなるこの舞台では当然有力で、富士S以降の充実度は素晴らしい。連敗した去年の春も道中の不利として目を瞑れば、名牝の成績。前走のドバイターフは、テンが速い距離短縮向きの構成。海外帰りの状態が許せば。

マイルCSのような急加速戦にも対応できるけど、本質は東京新聞杯や富士Sのような持続戦。平均点が高く、先週のアスコリピチェーノを思わせる。


【B評価】フィールシンパシー

Behkabad(仏/長) × ダンスインザダーク × Forty Niner(米/ダ/マ)

東京マイルを1分31秒台で勝ち切れる位には高速対応ができる。好走歴も目標近くにあり侮れない。華奢な馬体と前向きさでスピードを活かした先行粘り込みが信条。

直近の重賞は、「軽斤量+最内枠+S向きの中山マイル」「軽斤量+スロー前残り」「クッションの効いた開幕間もない馬場+小回りで短い直線+スロー前残り」と好条件が揃っていた。本格化とも言える馬体重増。内枠がほしかった。


【B-評価】ドゥアイズ

ルーラーシップ × ディープインパクト × Grand Lodge(英/マ)

デビューから札幌1800mで3連戦するように、パワー勝負型。58秒経験の多さは強みで、上がりの成長がカギ。
クラシック後はマイル路線で戦っているものの、これまでを振り返ると総じて展開や馬場が向いたもの。33秒台の上がりは、リゲルと阪神牝馬の1000m60秒台のスロー戦2回。その2戦はいずれも先行馬と大差ない上がりで、Goodホースどまり。


◎ナミュール
〇マスクトディーヴァ
▲フィアスプライド
△フィールシンパシー

牡馬混合マイルで経験豊富なナミュールが1枚上という評価。
富士Sの高速持続も、マイルCSの急加速も、両方対応できるのも心強い。加速一辺倒のマスクトディーヴァよりは、多様性を重視して。

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