安田記念

白:良平均、水色:20年稍重、青:14年不良

ソングライン・シュネルマイスター・グランアレグリアなど、歴史的マイラーが支えた近年のハイレベル良馬場安田記念のレースラップが白のグラフ。含水率20%の稍重だったグランアレグリアの年が水色のグラフ。ズブズブの不良だったジャスタウェイの年が青のグラフ。

土曜の23時現在、東京都府中市はまったく雨が降ってませんが、明日は雨模様。週中の雨で金曜朝のクッション値が7.3、1日晴れて土曜朝のクッション値が9.7!どんだけ高性能なんだ、東京競馬場。

となれば、多少雨が降っても例年に近いラップ構成を基本に、ラスト1Fの耐久戦をオプションに加えて、一定の持続力も重視するのがテーマ。


近走1F実績からの隊列想定

逃げはウインカーネリアン。
初速の差は圧倒的で、すんなり1番手が取れそう。人気馬はテン12秒後半の中団あたりで重心は後ろ。直線を迎えたタイミングで、それなりのリードを保っておきたい。


ウインカーネリアンの逃げ質

このグラフは、近走でウインカーネリアンが逃げたときの個別ラップ
23年は2番手に並走されて中盤緩まない持久力戦で1着。24年は2番手とやや離れて中盤が緩み、自身も全て11秒台でまとめられた瞬発力戦で2着。

東京新聞杯
24年 12.0-11.0-11.4-11.7-11.7-11.4-11.3-11.6
23年 12.3-10.8-11.3-11.4-11.3-11.0-11.6-12.1

今年の安田記念は、この馬のスタートが圧倒的ゆえ、2番手以降がついてこれず、24年東京新聞杯のような刻み方をイメージ。実績的にも血統の字面的にも、勝ちにこだわるなら23年の質のほうがいいと思うけど、皇成君の出方が見物ですね。


▼有力馬見解

ウインカーネリアン

スクリーンヒーロー × マイネルラヴ × Cadeaux Genereux(英/短)

肉を切らせて骨を断てるタイプ。
起伏の小さいペースで逃げて、粘り込みを図るキャラ。東京新聞杯も安田記念も似た時計で走破しているのに、「ラスト1Fで失速しても差されないのがG3」で「差されるのがG1」。ここに格=メンバーのレベル差がある。

腹をくくろう、結果はついてくる。


エルトンバローズ


ディープブリランテ × Brian's Time(米/ダ/中) × Seattle Song(仏/マ~中)

立ち回りのウマい持続力タイプ。
1800m戦で先行できるくらいのスピードはあるけど、マイルの古馬一線級だと中団やや前目のポジション。それゆえ外枠は痛恨。

ディープブリランテ産駒らしくスピード負けする分、相対的に先行できる距離のメンバー構成で、一瞬の加速やキレッキレの脚が問われない展開が望ましい。けど、意外にも、中山記念・チャンピオンズマイルでは緩い馬場を敗因にしていて窮屈。ラジニケ ⇒ 毎日王冠の連勝時は、インベタ+斤量有利+瞬発力系の破綻で恵まれでここは様子見でいいかな。


ガイアフォース

キタサンブラック × クロフネ × ダンスインザダーク

中団やや前から持続力で粘り込むタイプ。
ダラっとした走り方で体力重視・能天気な感じ。Mの法則でいうところの非精神力系。マイルだとトップスピードで劣る分、国東特別や天皇賞秋のように先行できる1800-2000mで、かつまったく緩まない高速持続戦を押し切りたい。一歩目が不安定なので、隣が脚の遅い馬に囲まれたのは良い。ウインカーネリアンと競合して、後ろの脚を削ぎまくるくらいがいい。


セリフォス

ダイワメジャー × Le Havre(仏/マ~中) × Freedom Crye(仏/マ~中)

好凡走の分布をみると、上がりの速さが結果に伴うタイプ。速い上がりが使えるかは、この馬ならではの特徴がある。

かかり癖があるので、
前半折わない=激流=テン2Fが自身23秒台なら、脚がたまらず凡走。
逆に、
前半折り合える=普流=テン2Fが自身24秒台なら、脚がたまって好走。
がパターン。大外枠で前に壁を作りにくい状況、かつ鞍上の質、プラス一瞬のスピードで勝負できない馬場で、厳しい条件。危険な人気馬扱い。


ソウルラッシュ

ルーラーシップ × マンハッタンカフェ × Storm Cat(米/ダ/マ)

球速MAX147kmを初回から全力で行って完投するタイプ。
150㎞を超える速い球は投げれないけど、延長戦になってもマウンドを任せ続けられる持続力と遅すぎないスピードがある。

京成杯AHは、位置が取れるメンバー構成に道中11.2が3連発する得意な激流持久力戦。去年のマイラーズとマイルCSは、下り坂平坦のトップスピード負け。前走は、重馬場体力勝負でお誂え向きの展開の勝利。

去年の安田記念は、150km以上を投げられない馬が一歩目で躓いてしまったら、どうやっても巻き返せないので度外視。鞍上の闘争心付加と、雨の力を借りて。


ナミュール

Harbinger(英/長) × ダイワメジャー × French Deputy(米/ダ/マ)

全体的にバブルが低め=終いの速さで勝負するタイプ。この馬の良さは、ペースが上がって(バブルが左)も上がりを維持できて結果も伴っていること。

富士S以降の充実度が素晴らしい。
連敗した去年の春も道中の不利として目を瞑れば、名牝の成績。前走のヴィクトリアマイルは、出遅れ+海外帰り直後のボケっとした1戦。1度叩いて上昇が見込める。加えて、競馬の幅が広く、マイルCSのような急加速戦も、東京新聞杯や富士Sのような持続戦も対応可能。欲を言えば、もっとガシガシ追える鞍上のほうが良さを発揮できる。


パラレルビジョン

キズナ × Makfi(仏/マ) × Silver Hawk(英/マ)

中山マイルを連勝でさぁG1へ!
と行きたいけど、近走は展開がはまった連勝で評価が上がらない。ニューイヤーSは、それなりのペースをインでロスなく回りポジション勝ち。ダービー卿は、テンが緩い大逃げ馬の楽な2番手から僅差勝ち。

母系は欧州色が強く、重く出やすいキズナ産駒。
それが示す通り、トップスピードは劣り、持続力の証明もないので、フィアスプライドのようなルメールマジックでMAX掲示板というイメージ。


フィアスプライド

ディープインパクト × Kingmambo(仏/マ) × Summer Squall(米/ダ/マ)

前走が完璧すぎたので、牡馬一線級と混ざって果たして。人気は落ちすぎている。


レッドモンレーヴ

ロードカナロア × ディープインパクト × Tony Bin(伊/長)

球速MAX160kmを武器に、大量得点差に豪腕振るうリリーバータイプ。
現状では、G1の格に負けている戦歴で、格=追走力が求められると終いが鈍って長所が失われる。馬の緩いリズムを尊重するあまり、激戦への経験値が足りず、格上げペースアップを対応できるほどの信頼感はない。実績もない。雨も嫌。


ロマンチックウォリアー

Acclamation(英/短) × Street Cry(米/ダ/中) × Singspiel(英/長)

さすがにベクトルが違いすぎるので、能力だけでどこまで。


ヴォイッジバブル

Deep Filed × Rahy(米/ダ/マ, 英/短) × Red Ransom

スタートが上手で、力強く先行して粘り込むのがパターン。
トップスピードこそ日本の上位人気馬に劣るものの、それを補う先行力と持続力の高さがある。香港洋芝でのラスト1Fの減速率の低さは魅力で、香港マイルではその長所を活かして日本馬に先着。


持ち時計の遅さが気になるけど、後半の上がり勝負になった香港マイルで、自身ラスト3F34.0で走り切れるなら大丈夫。


◎ヴォイッジバブル
〇ソウルラッシュ

多少の雨は期待。ウインカーネリアンの肉切骨断ラップにも期待。
その上で、上位人気馬より1馬身以上も先行できるスタートの良さと、雨もペースアップもラスト1Fも耐えられそうな気持ちの入った挙動をもった◎ヴォイッジバブルを中心に。前にいるこの馬を捉えきるのは簡単じゃない。同条件でお誂え向きの〇ソウルラッシュが差し切れずのイメージで。





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