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NIIGATA3⃣ サミット誘致を考える

国際コンベンション都市へ―。
新潟を世界にアピールする絶好の機会。

 主要国首脳会議(サミット)は、G8(日、ロ、米、英、独、仏、伊、加とEU)各国首脳が年一回一堂に会して討議する場として、様々な国際的な経済的・政治的課題への強い影響力を有してきた。本年7月ロシア第二の都市、「北のヴェニス」と呼ばれるサンクトペテルブルクにおいて、サミットがロシアで初めて開催された。今回はG8各国に加えて中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国の5カ国が準メンバー的な立場で参加。これらの国々の参加が慣例化すればサミットは、現在地球上で政治・経済的に実力のある国々がまさに勢揃いする会合になる。参加国首脳、国際機関の代表やその関係者が終結し、G8の本会合のみならず閣僚会合、各国首脳会談や交流が数多く行われ外交の舞台となる開催期間中は、まさにサミットショーとも言える様相を呈する。世界各国から数千名の報道関係者が取材のため訪れ、情報提供や情報発信機能サービス、便宜供与のためプレスセンターが開設され、その取材情報は世界各国に発信される。サミットの討議内容のみならず、開催都市の歴史や文化も合わせて紹介され、世界にアピールする絶好の機会となる。

 サミットは、1975年に初めてランブイエ(仏)で開催されて以来毎年持ち回りにより、これまで32回の会合を重ね26都市で開催されてきた。過去日本では4回、東京以外の地方での開催は2000年の九州・沖縄サミットが最初で、2008年に開港都市サミットとして新潟・横浜の開催が決定されれば国内では3番目、世界で未だ30都市もなく大きな栄誉となる。1990年代までは大都市(特に開催国の首都など)で多く開催されたが、2001年のジェノバでは大規模なデモに見舞われたことから、以降警備のしやすい地方都市、保養地での開催が多くなっている。毎年世界各国で開催される国際会議は、年間1万件前後と言われている。サミットは、スポーツの祭典におけるオリンピックやサッカーW杯に匹敵する催事として、国際会議の中の会議としてトップクラスに位置付けられる。サミット開催となれば知名度は飛躍的に向上し社会的・経済的な波及効果は大きい。沖縄ではサミット後、国際会議の開催件数が増加し世界的なトップクラスの要人や閣僚級が参加する会議も開催されるようになった。従って、サミットの誘致合戦は激化の一途をたどっている。

 日本を代表することで国立の国際会議場や迎賓館を備えサミット誘致を永年の悲願とする京都を筆頭に、大阪、神戸の関西三都は開催を実現するため、一体となった取り組みを進めており誘致への思いは熱い。外務省を中心に今冬から交通の便、会場や宿泊施設の状況、警備の問題点などについて調査が行われ、来春には結論が出される予定となっている。

 国際コンベンション都市の要件としては会議・展示・宿泊施設が一体となった環境が望ましく、施設や交通アクセスの利便性のみならず訪れたい“都市の魅力”が問われる。冒頭の「北のヴェニス」といった都市の魅力をアピールする判りやすいイメージづけも重要。さらに国際会議都市としてアピールするためには、その都市にふさわしいコンベンションが定期的に開催され、都市ブランドと会議の企画内容が一体となったイメージ訴求が望まれる。
 人は何故、集うのか?情報化社会の発展は溢れるばかりの情報の獲得やネットワーク形成を可能にしたが、それでも何故コンベンションを必要とするのか。

 人々は情報を持てば持つほど、会議本来の特性、つまり直接会って意見交換し感性で感じるダイレクトなコミュニケーションを求め、集うのではないだろうか。サミットが、まさにそうだ。

 サミット開催都市となり自らの手で運営し多くの人が体験することにより、誇りと自信が生まれ、コンベンション都市としての飛躍が期待できる。新潟が、今後大きく飛躍し充実した国際交流を実現させるためには、何が求められるのか。国際コンベンション都市としてのブランド力を高めプロモーション力を強化することにより、多くの方々に新潟の文化性に基づいた交流の場を提供、企画・演出できるコンベンション・プロデューサーの発掘ではないかと考える。

          新潟市シティプロモーションアドバイザー

2006年11月29日 新潟日報 掲載

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2008年開港都市サミット 首脳会合は横浜で | 閣僚会合は新潟で

サミット誘致を考える⑴ 2006年11月29日 新潟日報 掲載
  国際コンベンション都市へ―。新潟を世界にアピールする絶好の機会。

サミット誘致を考える⑵ 2006年12月1日 新潟日報 掲載
  
明確なコンセプトがあり、能力もある。新潟へのサミット誘致を、成功へ―。

サミット誘致を考える⑶ 2006年12月3日 新潟日報 掲載
   開港以来、縁の深い新潟と横浜市。両岸都市交流の期待は大きい。 


2006年11月29日 新潟日報 掲載(上段)
2006年11月29日 新潟日報 掲載(下段)
2006年12月1日 新潟日報 掲載(上段)
2006年12月1日 新潟日報 掲載(下段)
2006年12月3日 新潟日報 掲載(上段)
2006年12月3日 新潟日報 掲載(下段)