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週末の余談⑫ 「パンデミック」


中世で発生したペストの流行

歴史を振り返ると、パンデミック(世界的な大流行)は大きく2つの教訓をもたらしたと言われます。
第1は、従前とは大きく異なる社会が訪れること、
第2は、混乱の中で、その社会の弱点が露呈されること

14世紀にかけてヨーロッパを襲ったペスト(黒死病)のパンデミックは、史上最悪の規模となり、ヨーロッパの人口の3分の1が命を落としたとされる。黒死病の正体が腺ペストでネズミが媒介したとされている。
ペストがヨーロッパ社会に与えた影響は農奴に依存した荘園制の崩壊とされている。ボッカッチョ「デカメロン」の世界か?
労働力の急激な減少が要因と言われています。
考えてみれば、今回のコロナでも労働力の問題は、大きな課題です。
以前感染症の専門家からお聞きしたのは、それまでになかった下水道の発達が感染症の予防対策としては、大きかったそうです。ネズミ対策でもあったようです。

社会全体の価値観などが革命的に、もしくは劇的に変化するパラダイム・シフトとは、何だろうか?コロナ後の社会を予想した記事や評論は多い。
<政治>中央集権から地方分権への転換
    「道州制」などの広域連合体
<企業活動>テレワークなど在宅勤務推進
    ハンコや書類文化からの脱却
<教育>オンライン授業の導入
    9月入学などの抜本改革
<生活>キャッシュレス化、タッチレス化
    ネット通販の拡大

今回のコロナ禍による2つの教訓とはなんだろうか。
下記の日経の特集がヒントにならないだろうか?

日経新聞は、2020年9月7日より連載特集を組んだ。
「パクスなき世界」
世界は変わった。新型コロナウィルスの危機は格差の拡大や民主主義の動揺といった世界の矛盾をあぶり出した。経済の停滞や人口減、大国の対立。将来のことと高をくくっていた課題も前倒しで現実となってきた。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」が消え、20世紀型の価値観の再構築を問われている。あなたはどんな未来をつくりますかーー。
<パクス:ラテン語「Pax]はローマ神話の平和と秩序の女神。>

第1回、コロナで消えた「平和と秩序」
     対論のテーマは、危機の先 成長か分配か
第2回、「経済覇権 150年ぶり交代」
     競うのは主義ではなく賢さ
第3回、自由を守るための不自由
     再生迫られる民主主義
第4回、その利益、社会に役立つか
     ふるいにかけられる官民
第5回、組織頼みから個の時代へ
     自分の価値を自問する
第6回、新たな「都市像」描けるか
     人口集中から知の集積へ

コロナ後の再生に向けて、本当の豊かさとは何か?
我々に突き刺された課題のように感じるのは、私だけでしょうか。

2020年10月5日