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週末の余談④ 「未来への継承」

『働く』という言葉には,『レイバー(Labor)』,『ワーク(Work)』,『プレイ(Play)』の3種類がある。産業革命による機械の発達で、人は過酷な肉体労働であるレイバーLaborから解放され、機械を操作するワークWorkを得た。

しかし大切なのは、機械や情報システムに置き換わってしまうようなワークではなく、人間にしか出来ない質の高いプレイヤーとしての仕事が増えていくように努力することではないか。

ワークは「組織に属してそれぞれ決められた仕事をすること」

それに対してプレイヤーは他人から命じられて仕事をやらされるのではなく、自分で面白がって仕事をしている人々のことで、考え方や精神の持ち方、あるいは人生観において、ワーカーとは大きく異なる。

以前、ふと目にした経済産業省のジャーナルに、伊藤元重東大教授が「一体化する世界、労働はより高度に」というタイトルで寄稿した論文の一部です。8~10年前だったでしょうか。

Playにそんな意味もあるんだと驚きました。Playしながら働き稼ぐ?
将来、日本もそんな時代がくるんだろうか? 強く記憶に残りました。

このところ働き方改革が叫ばれ、メディアで報道される度に思い出します。さらにテレワークが常態化していくと大きく働き方が変わると言われています。時代の変遷と共に、働き方も変わってきているんですね。

オリンピックの歴史を紐解くと、近代オリンピック・第1回大会では、種目は陸上、水泳、体操、レスリング、フェンシング、射撃、自転車、テニスの8競技43種目のみだったようです。

東京2020大会では、33競技339種目1エキシビションになっています。
第1回大会から存在し外されることなく現在まで行われ続けてきた競技は、陸上、競泳、体操、フェンシング、自転車の5競技のみ。ポロや綱引きのように過去には実施されていたが、現在は実施されない競技もあれば、アーチェリーやテニスは過去実施されていたが、一度中断して復帰したような競技もあります。

東京2020大会より初めて採用された競技は、バスケットボール(3×3)、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンです。

Playするスポーツであっても、時代と共に競技種目は変わってきています。

東京2020大会の基本コンセプトの1つに、「未来への継承」があります。メディアでは、ウィズ・コロナ、アフター・コロナによって、大きく社会生活が変わると盛んに報道されています。その最中のオリンピックも変わるのでしょうか?個人的には、観戦の仕方、観客のあり方が変わるのではないかと考えています。

我々は歴史の目撃者でもあり、継承者となるのかもしれません。

刻々と時が刻まれる瞬間を観察し、感じたいものです。そして、誇りをもって後世に引き継いでいきたいものです。
                           
2020年7月28日