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週末の余談⑤ 「三方よし」


IOC総会で滝川クリステルは、東京にオリンピックを招致するアンバサダーとして壇上に上り、フランス語で「日本のおもてなし」を紹介した。このことにより、「お・も・て・な・し」は2013年の新語・流行語大賞にも選ばれ世界にも広まった。
日本は、最高のおもてなしをする国と思い、思われているそうだが、それに異を唱える人も多い。

デービッド・アトキンソンは、金融コンサルタントとして活躍、その後日本の美術工芸品の修復などを手掛ける会社の社長に就任。
あるテレビ番組で「おもてなしは、言われているほどのものじゃないでしょう」と発言したら、大変な反響があり炎上したそうです。

「世界一の国際観光都市ー京都」と揺るぎない自信を持っている人も多い。
彼は、外国人訪問客がロンドンは年間1600万人。京都がそんな素晴らしい所なら訪問客がロンドン並みになって良いはずなのに、190万人しかないのは「なぜ?」と問いかける。

日本では財布を落としてもほぼ確実に戻ってくるとよく言う。でも現金では届け出があった額の40%にすぎず、残りの60%にはいっさい触れず、都合のいい数字を大げさに持ち上げる。

サッカーW杯のとき、日本人観客はゴミ拾いが日本人の美徳として話題になった。なら、花火大会の後を見てください。ゴミだらけです。立派なおもてなしは確かに存在しても、それで日本が世界一のおもてなし国である客観性にはならない、とも彼は言う。

さらに彼は、日本には「Fact(事実)」をベースにして議論するという発想が乏しい。「これが一番」という評価は相手(他者)がするもので、相手の事情はお構いなしに一方的な宣言で悦に入っているのでは?と投げかける。
「日本、最高でしょ」と自惚れ、自尊が嵩じて供給者側の目線のおもてなしの発想とも言える。遜(へりくだ)っているようにしていて独りよがりになっているケースが散見される、と指摘する。

「お客様のために」はダメ、『お客様の立場に立って』という発想が必要と提唱するのは、セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文前社長です。「お客様のために」とは、多くの場合「売り手の立場で」考えた上でのことであり、そこには過去の経験をもとにした、お客様に対する思い込みや決めつけがあると。


ソーシャル・ビジネスの概念が強くなってきている昨今において、
我々も強く意識して対応することが求められているように感じている次第です。

2020年8月3日