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嫌いなものが多すぎる


嫌いなものが多すぎる

世の中に嫌いなものが多すぎることを
見てみぬふりをしていたけれど
嫌いなものが多すぎていても、
世界はとっても美しい

酸っぱいもの、香味料の不自然な味、

トマトソース味

レーズンに、てかてかした紙に字をかくこと

山尻さんに連絡をする

記帳するためだけに銀行に行く

車が入りにくいマックに行く

油のついた皿を重ねる

泡立たないタイプの洗剤

沢山の人が前向きな話をしている空間

やけに怒り口調で煽ってくるインスタのリール

ガナリ声で歌う人

誰かと比較して褒める人

「1番好きな人のイベントです」って紹介する人

「今日はありがとうございました」ってお礼を言う人

「みんなしんどいよ〜」っていう励ましをする人

嫌いって思ってはいけない
苦手って思ってはいけない
みなければいい
関心を持たなければいい
期待しなければいい

といろんな方法で
嫌だなあと思う気持ちに蓋をしてきた

嫌われたくないし、
心の狭い女だと思われたくない

嫌いだと言葉にしたら、
「もしかして私のこと?」と傷つくひとがいるかもしれない

嫌いだからいらないでしょと、
嫌いなジャンルの中の好きなものまで奪われてしまうかもしれない

そうやって「嫌い」という感想は
いろんな不幸を呼び起こす気がして
わたしは嫌いに蓋をしてしまっている

蓋をしているはずなのに、
1日1回は口にしてしまっているから
溢れているんだと思う

それくらい嫌いなものが多すぎる。

傷つくとか、
離れるとか、
嫌われるとか

それを不幸と思わずに、
大掃除と思ってみたら
生きやすくなるのかな

嫌いを言いたい
嫌いなものだけ離れてほしい
嫌いという自分を受け入れられたい

こういうわがままは
何歳まで許してもらえるのかな

今も許してもらえているのかな

どっちでもいっか。

嫌いなものは、嫌いなままで

蓋をして、あふれた嫌いだけを言葉にして生きていく

そしてまとめてこうやって吐き出して

せまい女ね

って笑われてみようか。


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