5年前にDevRel機能を立ち上げた話

こんちには、渋谷の情報通信企業で働いている @inamoly です。
技術広報 Advent Calendar 2022』の5日目の記事です。
@tamaclawさん 企画立ち上げお疲れ様です!


この記事で取り上げること
・DevRel立ち上げから現在までの変遷
・組織規模が数千人&複数のグループ会社がある組織おいて、技術広報強化のために筆者がしていること

想定している対象者
・いわゆるDeveloper RelationsやDeveloper Success、HRBPの担当者
・上記ワードに興味があるエンジニアやデザイナー、ディレクター

筆者について
・いわゆるメガベンチャーと言われる企業で何でも屋
・ブログ部門や証券部門を経て、2010年からCTO部門
・2016〜21まで半分PdM、半分DevRel
・今年の春から当社グループ全体の技術力強化、特に技術者採用と技術広報を取りまとめる役回りをしています

なぜ昨今、技術広報が注目されているのか?

技術広報 Advent Calendar 2022の冒頭にこんな記述があります。

>「技術広報」は自社の技術ブランディングを向上させるため

なぜ技術ブランドを向上させる必要があるのでしょうか?

様々な意見があるかと思いますが、
「開発力を強化(≒採用)するため」が多いのではないでしょうか

特に2019年に経産省が発表したIT人材の不足に関するレポートは開発者争奪戦をさらに加熱させる材料の一つになりました。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

そして2020年ごろから急速なDX化が進みました。
すべての事業会社がIT企業になりつつあります。その源泉となるのが開発者であります。

DevRel立ち上げから現在までの変遷

DevRelが立ち上がる少し前、私はクラウドサーバ(IaaS)のサービスデザインを担当していました。

ユーザーの皆さんが触るコンパネUI開発の担当者として
・ユーザーからのフィードバックを得るためのリサーチ活動
・高速なSSDサーバを使っていただくために様々な布教活動
を行っていました。

いわゆる開発者向けマーケティングであり、DevRelのマネごとに近かったかもしれません。

【参考】過去の記事
https://qiita.com/inamoly/items/9b1c9b4730aa748b27be
https://qiita.com/inamoly/items/f32170a6f55112efe00e

最初は純粋に担当サービスのファンを作る活動でした。
外部に「うちのクラウド使いませんか?」という活動だったのですが、
徐々に「うちのクラウドを作りませんか?」という採用活動も一緒に行うようになりました。
どちらの活動も担当サービスを強くする為に重要な活動です。

外部の技術コミュニティに向けたスポンサー活動も開始しました。最初はIaaSを多く使ってくれるアプリケーション系のコミュニティ(RubyやPHPなど)を中心に発信をすることに。

こうして、IaaS担当の取締役から多大な協力を得ながら、DevRelチームを立ち上げることになりました。

DevRelチーム立ち上げ時にやったこと

プロダクトを強くするプロフィットチームとすべく、ビジネスモデルキャンバスとチーム目的を定義しました。ビジネスモデルキャンバスはGoogle検索を参考ください。


組織規模が大きな組織において、筆者がしていること

私が大事にしていることはHRTと定量化です

HRTとは
Team Geekで提唱されている開発者の心構え
謙虚(Humility)、信頼(Respect)、尊敬(Trust)の頭文字をとったもの。
弊社の新卒技術研修でも冒頭で必ずこの座学を行っています。
7年前にHRTをUX勉強会でオススメしていたようです(老害トークですね)

定量化については様々なことを数字に落とし込みます。
私がプロフィット部門の出身だからかもしれませんが、ファンを作るためにどれくらいのコストを払ったのか(手間も含めて)を確認しています。プロフィットなノリでDevRelしたいし、DeveloperSuccessしたい。

例えば技術イベントに協賛する際には
「単純なイベント参加者」「我々に明確な接触があった参加者」といったようなスコアを細分化して取ります。テレビCMにおけるGRPの考えなども参考になると思います。

とは言ったものの、数字ベースでレポーティングしつつも最後はパッションかなと思うことも多々あります。
仲間の開発者たちが興味ある分野やコミュニティであれば、定量化しつつも最後の判断は仲間の声だったりもします。
そういった意味でもHRTと定量化のバランスなのかもしれません。

さいごに

長々ととりとめなく書いてしまいました。
リモート生活になり状況が刻々と変わる中、手を変え品を変え、全く経験したことのない壮大な社会実験のような状況の中で、サバイブしている同業他社の技術広報の皆さんには改めてリスペクトです。

あくまでも私個人の意見でありますが、今後はリアルに回帰するなと確信していますし、リアルにどしどし戻したいと思っています。
ただ、配信のメリットはうまく享受したいなと思う次第なので、低コストな配信を組合わせたハイブリッド開催は残りそうですよね。僕たちもそのあたりのノウハウは社内にもっともっと貯めたい。

これからやること

DevRelチームは今後も開発者が公益性の高い情報発信をし、社外の皆さんにファンになってもらうべく活動を続けていきます。

そして新たに技術強化を注力していく、DeveloperSuccessな組織を立ち上げました。現在、一緒にいい感じに回していく仲間を募集しています。
気になった方が居ましたら、弊社Web私のTwitterまでご一報ください。

【PR】 年1の大規模技術カンファレンスやります

明日から2日間、当社の技術カンファレンスをリアル&配信で行います。
開発事例はもちろん、技術強化ための新しい取り組みなども発表予定です。
リアル会場は増席の準備してお待ちしています。

GMO Developers Day 2022
https://developers.gmo.jp/developersday/

壮大な社会実験のなかで僕たちも手探りで最適解を探していきたいと思います。少しでも業界が盛り上がる一役になれば嬉しいです。ぜひお時間許す方はご参加ください。僕は初日のキーノートでモデレーターやります!

長文お読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?