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短期集中型

                        『集中しすぎてご飯を食べるのも忘れていました。何か始めるとそれしか見えなくなるっていうか・・のめりこんじゃうんですよね。』
そんな人が羨ましい。
別に皮肉ではなく素直にそう思う。
そんなに長く一つの事に集中するなんて熱しやすく冷めやすい私には体験がない。
そうは言っても集中力が全くないわけではない。だから今のところは他人の能力は羨ましがる程度にとどめている。
買い物に行けば、お弁当のおかずを買いながら2、3日先の夜ご飯のメニューを考える。
これは主婦あるあるだから特別すごい事ではない。
能天気な旦那は毎日『今日の夜ご飯は何?』と聞いてくる。
それが月曜日の事だとしたら私の頭は水曜日にいる。
お昼ご飯を作りながら洗い物をし、そういえば
洗濯機の中身がそのままだった事に気づく。
今日は暇だから仕事で使う工作でも作ろう!っと気合を入れてスマホで検索を始めると、新着の欄に更新されているドラマを見つけて見始める。
ドラマ途中のCMで登場した夏のさっぱりそうめんを見て無性に素麺が食べたくなる。
そして徒歩3分のスーパーにそうめんを買いに行く。
今日の夜ご飯はハンバーグだったんだけどな。
そうめんを食べた後、脱衣所に行った旦那が洗濯機をあけて言う『これまわしたの?』

こんな日常を繰り返す私は去年イオンの中にある本屋でマイブックという素敵な本を見つけた。
タイトルの下に「2023年の記録」と書いてある。まだ出来上がっていない本。
つまり、自分で作るマイブックというわけだ。
おおー、こういうのが欲しかった。
ありがとう、新潮社さん。
使い道は買う前から決まっていた。
日記だ。だがしかし、日記は日記で既に使っているノートがある。少しこだわりたい。
ページをめくると目次があり1月から12月まで載っていた。
親切に後書きの欄まである。俄然やる気が出る。さらにページをめくるとマイブックと書かれており、その次には1月とあった。
そこから先は白いページに月日が記されていた。その本を購入した日付を忘れてしまったが1月の2日か3日かまたは4日くらいだったと思う。
1日ではなかったのは確かだ。
私はタイトルを思いついた。
そして緊張しながら始まりのページに

1月1日(日)

空白


と書いた。この時の私はこのタイトルが気に入っていて特にこの「空白」の「白」という字に取り憑かれていた。
次の日から白縛りが始まった。
文のどこかで「しろ」を入れることそれが私の考えついたこだわりだった。
マイブックとの出会いにときめいて直感で購入しワクワクしてこだわりを作ったのにその取り組みは1ヶ月と持たなかった。「空白」しかない哀愁漂うノートはタイトルに忠実だった。

#短期集中型 #執筆#マイブック

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