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ナチスの収容所から生還した人が書いた「夜と霧」を、絶望した状態で読んで染み入るところ
ちょっと全然Wi-Fiないところにいて、更新が遅れてしまいました。
(少し前の桜)
人間が絶望を味わうのは、理想と現実を比べた時のギャップにやられる時だと以前そう定義されていたのを聞いたことがあります。
どうも、発狂しながら暮らしている筆者です。
亡者ほどは感情がなくなっていないが、感情がある程度残されているがために永遠に発狂し続けて一か月経とうとしています。
狂人化する前の自分が
「辛くなったらこの本読めば大丈夫だよ、未来の自分!」
ってピュアな方の武藤遊戯のお目目をしながら、
推していた本が3冊あります。
それは
・ヴィクトールフランクルの「夜と霧」
・ラッセルの「幸福論」
・アレクサンドル・デュマの「モンテクリスト伯」
でした。
・ヴィクトールフランクルの「夜と霧」はナチスの強制収容所で実際に生き抜いた心理学者が語る絶望との向き合い方の本で、
・ラッセルの「幸福論」は、アインシュタインと一緒に平和宣言を出したラッセルが、幸福とは、待ってて来るものじゃないからつかみにいけっていう本。
・モンテクリスト伯は、復讐の愉悦を教えてくれる本。
「夜と霧」は、人の心の最強の守り方を教えてくれて、「幸福論」は積極的に幸せを勝ち取るやり方を教えてくれて、「モンテクリスト伯」はかっこいい。
今回は狂人化した筆者がヴィクトールフランクルの「夜と霧」を再読して、心に残った点を記していきます。
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【本のあらすじ】
本のあらすじとしては、ナチスによる強制収容所で実際に過ごして生還した心理学者の著者が、日々の暮らしとその絶望に対してどう対応すればよいか
語るというものです。
フランクルが収容所に行った人たちの感情の変遷について語るには、
①人々がまず収容所にはいった時のファーストインパクトは、
まぁまだなんとかなるだろうという、根拠のない楽観を持ちます。
②その後収容所の実態がわかってくるにつれて、暴力と空腹と寒さと死との隣り合わせの環境に絶望に打ちのめされることになります。
③その後は、過酷すぎて感情が無になります。
・ただ、自然の美しさを平時より感じ入るようになるとのこと。
解放された後
・解放された直後は喜びとかではなくて、よくわからないといった感情になります。
・ただ残念なことに、収容所から解放された後、
あれだけ苦しんだのだからめちゃくちゃ幸せが訪れるかと言ったらそういうこともなかったといっています。
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【長い絶望の中生き残れる人は、未来志向な人】
収容所では現実に絶望した時に、人は過去の記憶を頼る人と、未来を夢見る人に大きく分かれるといいます。
過去の記憶を頼る人は、
「あの大変な時も、乗り越えられた。確かに今の私は悲惨な状態だ。だが見てろ、いつか必ずなんとかなる」
と思う人で、実際収容所のほとんどの人もこういう思考だったといいます。
私もその気持ちよくわかります。というかスポコン系・ジャンプ系の漫画で、負けそうな時、昔への回想→からの勝利は鉄板です。
ただフランクルはこういう思考をする人たちを、現実と、苦しみと向き合っておらず、ただ無気力に今を過ごしてしまう人たちだと言います。
そうではなくて、フランクルは、自分の人生の未来でやりたいことがあって、そのために今どう生きるべきかと考える方がよいと主張します。
例えば、フランクル自身は朝の空腹の寒い中ほぼ裸足で行軍する辛さを、
将来自分のこの経験を講演で話しているところを想像していたら全く辛くなかったと言います。
絶望していた研究熱心な学者にフランクルがこの未来志向を教え、
学者が将来絶対に解き明かす研究内容について考えるようになった結果、生き延びたと言います。
また、死にたがっていた人に、最愛の娘のことを思い出させ、その娘のために生きなければならないと思考を変えた結果生き延びた人もいるとのことです。
辛い収容所生活の中で起きる日々の細かな、しんどいことにどのように対応するかという選択において、未来志向の人たちは生き延びるように対応できるので、結果生き延びることができる人が多くなったそうです。
【将来実現したいことを持とう】
フランクルが語る有名な言葉に、
『「人は人生に意味を求めるのではなく、人生に何を求められているか」を考える必要がある』なるものがあります。
この言葉とは5年以上前に出会いましたが、結局意味を理解できていませんでした。
今読み返してみてようやく理解した....のかわかりませんが腑に落ちました。
こんな感じです。
〇将来絶対にやりたいことを決める
↓
毎日毎日生じる日々の選択を、将来やりたいことをするためにはどっちを選べばいいかを考えて決める。
=自分の将来やりたいことをするために、人生からさぁ今あなたはどう動くんだい?って常に問われ続けているよってことだと理解しました。
こう文字に起こすとめっちゃストイックな感じになりますが、
実際の収容所生活では、生きるか死ぬかに直結する選択が多いので
生き延びる方を選択するということですし、
絶望している状態では、とりあえず生き延びる方を選択して、いつかきっとできるよね、信じてればなれるよね、と思っていることが大事だということだと思います。
ただ、「じゃあいついつまでにこれを実現する!」って期限を決めると、
例えばクリスマスまでには家に帰れると思って、実際クリスマスを過ぎても帰れなかった場合、そう考えた人はころっと死んでしまったというし、
期限を決めずにいることが大切だということです。
【なぜ生きるかを知っているものは、どのように生きることにも耐える】
逆に収容所で「生きていることになんも期待できない」という考えに至った人は次々死んでいったそうです。
ニーチェ「なぜ生きるのかを知っているものは、どのように生きることも耐える。」
被収容者を元気づけるのは、未来に目的をもたすことが最も大事だといいます。
スピノザ
「苦悩という情動は、それについて明晰判明にひょうしょうしたとたん、苦悩であることをやめる」
収容所にいた人のほとんどは、
今に見ていろ、私の進化を発揮できるときがくると信じていた
けれど、現実には、人間の進化は収容所生活でこそ発揮されたのだった
【愛は強い】
妻の存在がめっちゃ大事だったといいます。
妻が生きているかどうかはわからないけれど、妻との頭の中で会話している時間は大切な時間だったそうです。
【その他】
【アルコールは一晩の不安を消してくれる】
・たばこが通貨として使われていて、たばこ一本と、ブランデー一杯が、一晩の苦痛を紛らわせてくれるとして、取引されていたそうです。
確かに、絶望の中で飲むウイスキーと芋焼酎はめちゃくちゃうまいと感じます。どんどん濃度を上げていっている自分がいます。
【おいしいものは朝起きた時に食べるのがベスト】
配給される一日一食の一切れのパンを食べるのはいつがいいか収容所では白熱した議論が巻き起こったらしいです。
・もらった瞬間に食べる派が多数派を占める一方、著者は違ったそうです。
朝めちゃくちゃ寒い中、もっと寝ていたいなか、どこからかすすり泣く声が聞く中で精神が折れそうになるその瞬間に取っておいたパンを食べるのだといいます。
朝こそおいしいものを食べようと思いました。
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