介護施設で、寝ることの多い利用者に対して、ポジショニングの重要性を観てみる

 こんばんは。皆さん元気にお過ごしでしょうか?ここ数日で、一気に冷え込みが強まってきましたね。朝は、布団から出るのが辛いという方も多いのではないでしょうか?ニュースとかでは最近、風邪やインフルエンザが流行ってきたという情報もあり、体調管理が大変な時期にもなってきました。
 乾燥していることもあり、寝起きはガラガラ声になったりしてます。先週、風邪気味だったのか?鼻炎だったのか?くしゃみの連発や鼻水があって、ちょっと辛い思いをした稲垣です。

 さて、話は変わりまして、ポジショニングのお話をしたいと思います。スポーツ界では、よく聞く言葉ではないでしょうか?例えば、野球なら、守備をするのに相手打者がよく打つ方向に合わせて位置を変えて守ったり、バレーボールなら、相手のスパイスでよく打ってくる方向に合わせてポジショニングをする。など、勝つための重要な作戦として用いることが多いかと思います。

 この『ポジショニング』という言葉は、介護施設でも使われます。一体どういうことでしょうか?
 この数年で、介護福祉施設における要介護度別在所者の構成割合は、要介護4は33.1%・要介護5は33.5%(6年前の数値なので、古いデータにはなりますが・・・)と在所者の6割を越えています。こういった要介護度の重度化している利用者さんは、ほぼ1日ベッドで過ごすことが多いといわれています。では、ベッドで過ごすことが多いとどうなっていくのでしょうか?
 関節の拘縮(萎縮)や変形になるリスクが高くなるということです。拘縮・変形が進んでしまうと、疼痛の悪化や関節が硬くなります。また、介護スタッフも負担も大きくなり、腰痛の発症・悪化が懸念されます。
 そこで重要になってくるのが、そのポジショニングです。

ポジショニングとは、
・クッション(枕)を拘縮が進んでいる足や手などに当てて、これ以上進まないようにすることと同時に、拘縮緩和を目的とした役割。
・車椅子に座った時やベッドで寝ている円背(猫背)姿勢保持をするためにクッションを当てる役割。
・横を向いて寝ている時に、背中にクッションを当て仰向けになってお尻周りの褥瘡(床ずれ)を起こさない役割。

ということです。

 しかし、ポジショニングの当て方が適切でないと、却って関節の拘縮の悪化などがありますので、当て方については理学療法士や作業療法士に、適切な当て方を考えて頂いた方がいいと思います。

 私が勤務している施設の短期入所生活介護で入所している要介護5で長期利用さられている利用者が居ますが、左足は車椅子のフットレスト(足置き)に乗りましたが、右足は全くフットレストまでは届かず拘縮が進んでいましたが、約半月前ぐらいから、ベッドで横になっている時にポジショニングを始めてみました。その結果、右足がフットレストに乗るようになりました。拘縮が緩和したのです。ポジショニングを考えて頂いた理学療法士のスタッフは驚いて喜んでみえました。

 このように、ポジショニングは利用者にとって、介護にとって重要な役割があるのです。スポーツ界と同じで、介護界でも利用者負担の軽減する重要な作戦だと言えると私は思います。

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