パンの香り
最近、
子たちがプラ板に夢中でございまして、
ダイソーで色んな種類のプラ板が販売されてるのご存知ですか?
昔からある透明のもの、白いもの、半透明のものや蓄光タイプのもの、インクジェットプリンターで印刷できるものなんかもあるんですよ。
そんな色んなタイプのプラ板をたくさん買って、子たちは楽しんで制作してるわけです。
私はひたすら焼き役。
焼くのみ。
なので最近のトースターの前に突っ立ってる率の高いこと。
我が家のトースターはパンくずをこまめに掃除しない系トースターなので、プラ板を作ると、こう、残ったパンくずがこげてる系の、パンの香ばしすぎる香りが漂うわけです。
それでですね、プラ板をする度、
ふんわりとある情景を思い出してしまうのです。私にとってはとても懐かしい香り。
そう、それは実家です。
実家は町の散髪屋をしております。
祖父から父が受け継ぎ、長い間営んでいる散髪屋です。
父は多肉植物が好きで、熱心に多肉植物を育てては売ったり何やかんやしてるっぽいです。
それは散髪屋にまで侵食していて、外から店を見るとほぼ多肉植物です。
窓際にぎっしり並べられた多肉植物。
散髪屋って言うより多肉植物屋。
住まいより庭のビニールハウスの方がでかい。
これでわかる通り、父は好きなものには陶酔してとことん突き詰めるタイプです。
そんな父は多肉植物の他に占いが好きでして、
御用達の占い師さんがおります。
私の「ちほ」と言う名前もその占い師がつけたんですよ。
京都では占い師に名付けてもらうのはまぁ特別珍しい事ではないんですが、占い師に名付けてもらわなければ、北海道好きの父はキロロだったかなんだったかにしたかったみたいです。
占い師に感謝しかない。
世代的に絶対あだ名「長い間」とかになってた。危ない所だった。
そんな父はまだ若かったある日、占い師に電話で相談事をしたらしいです。
悩み事に対して良い答えは無かったらしいのですが電話を切るときこう言ったそうです。
「腹痛には炭を食べたらいいよ」
「腹痛には炭を食べたらいいよ」
2回。
「大切な事だから2回言う」は当時まだ定着してなかったはずですが、確かに2回言ったと。
電話で腹痛の話は一切してないのに2回言うなんてこれは人生においてよっぽど大切な事だと、父は思ったらしいんですね。
なので、実家にいて焦げ臭い匂いがしたらわかるのです。
「あぁ、父さん、腹、痛めてるな」と。
ちなみに父方の祖父は『毎日』パンを焦がして食べてました。血だな、と。
しかし、腹痛だからではありません。
「中が白いからまだ生だ」だからだそうです。
その発想はなかったな。
けど、腹痛は治らないし中は生じゃないから
今までに黒焦げになったパン達に謝ってほしいです。いや、全部ちゃんと食べてるから良いのか?これは文章化する必要はあったのか?
おしまい
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