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休憩のお喋りと本当の自分と平田オリザ。

JBN木村さんと休憩中にお喋り。

木村「最近の稲田さんのツイート見てると仕事が超充実してる人みたいに見えるよね」

稲田「そんなわけないじゃん!毎日泣きそうになってるじゃん」

木村「うん。それは近くで見てるから知ってる」

稲田「?」

木村「だから、ツイートだけ見てその人のこと分かったふうな気持ちになっちゃいけないんだなあ…と思った」

稲田「あー。それなら分かります。Twitterはぼくがそう見えるように書いてるしね」

木村「あ、それはそうなんだ」

稲田「もちろんですよ。JBNって良さそうな会社だなって思ってもらうのが目的ですし」

木村「うん」

稲田「それは自覚してやってるからいいんだけど、まさか同僚の木村さんがリアルでもそんな風に思ってるのかと一瞬勘違いしてびっくりした」

木村「ああ、うん」

稲田「もっとスキルが欲しい…!って毎日切実に思っています」

木村「そんな感じだよね。でも、本当の自分と違うように思われるって嫌じゃない?」

稲田「それはもう自分で決めてることがあるんです」

木村「決めてる?」

稲田「平田オリザさんていう戯曲家がいて、ぼくは好きなんですけど」

木村「うん」

稲田「彼がインタビューで『本当の自分なんかいるわけないんです』って言ってるんですよね」

木村「ん?」

稲田「自分らしくとか、自分探しとかよく言うじゃないですか」

木村「うん」

稲田「でも、本当の自分なんかどこにもいなくて、それぞれの役割を演じる自分がいるんだって平田さんは言うんです」

木村「?」

稲田「つまり、職場での木村さんと、お家での木村さんと、友人の前での木村さんは違くて」

木村「ああ、うん」

稲田「でも、それで全然いいし、ぼくたちは他者との関係性の中で役割を演じている多面的な存在だっていうことなんですけど」


平田
僕は基本的に本当の自分はないと思っています。いろいろな社会的な役割、それをふるまいといってもいいと思うんですけど、その社会的な役割を演じ分けることが大事で、ひとつのことだけを演じようとすると、さっきいったように重くなってしまう。私たちは同時にいろんな役を演じ分けている。それをできれば楽しむぐらいの状態がほんとはいいんですよね。
でも日本では、それをなんか裏があるみたいに言われる。裏も表もないよって思うんですけど。


木村「うんうん」

稲田「その考え方はぼくはとてもいいなーと思っていて。数年前から採用しているんです(笑)。できれば楽器を演奏するみたいに、自分で決めた役割をプレイできたらいいなーと思っているんです」

木村「ふーん」

稲田「だから、もし、Twitterでのぼくとリアルのぼくが違う!って言われたとしても、当たり前じゃん、何言ってるのって感じになると思います」

木村「なるほどなあ。稲田さんらしい。でもたまにいるじゃん。状況や環境で変わるっていうことを認めないで、それはおかしいって怒る人」

稲田「いますね」

木村「そういうときはどうするの」

稲田「走って逃げます」

木村「苦笑」


休憩話おわり。


劇作家・演出家 平田オリザさん Interview
第3回 私たちはいろんな役を演じ分けている。

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