トールサイズのloveひとつ、オールミルク、エクストラホイップ、キャラメルシロップ追加、テイクアウトで。

【未完、供養のため投稿します】


夜行バスを待つ時間はいつまで経っても切なくて、満たされているのに苦しくて、いつもカモミールティーラテの味がする。

バーイベも3年目となればオタクだって慣れが出る。
好きだからムカついて、好きだから悩んで、好きなのに嫌いで、好きだからチケットを取って、ぼんやりとした苦い香りの中に落ちていきながら、それでも好きだからこうして会場まで足を運ぶ。

好きだった。

たぶん今もきっとそう。



好きなはずなのに止まらないスパイスまみれの煮込みすぎたこれは、もうカレーの範疇には収まらない創作料理なのかも知れないなぁと思いながらタイムカードを押した。

ようやく乗り慣れた特急電車のガラスの向こうに延々と広がる稲穂は、自分が異国にいることを強制的に思い出させる。でもその異国だったはずの場所が今の私の、これからの私の故郷である事に間違いないとも知っているので泣かないように目を閉じる。

いってらっしゃい、
と声をかけてくれた同期に「ううん、新幹線じゃなくて今日の夜行。」と言いながらホームに降りて、今日最後の営業スマイルをひとつ。
ほんとはそんな余裕なんてないのに見えなくなるまで手を振った。


趣味があっていいね
と言われるたびになんとも形容し難い気持ちがお腹の底から湧き出てくるような気がする。生ぬるくてなんだか心地がわるい。
これはきっと趣味じゃない。オタクは生き方だってよく言うけど、私は人種だと思ってるから趣味があるっていいなぁ、は日本人っていいなぁ、くらいに聞こえていて、そんなの選んだわけじゃない。気付いたらそうなってただけなのに。と思う。

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