大人になれない僕らの

強がりさえもいえないまま

僕たちいったい今、何者なんだろう。




私の人生の中で
「闇」
と表すのに最もふさわしい時期を選ぶなら

毎日死にたがっていた小学6年生のあの時でもなく
恋に恋していた中学生の時でもなく
メンヘラと言われ傷付いてきた大学1年生でもない

高校時代。
それは私が1番改変したい私の歴史、黒歴史


この世の全てを恨み、妬み、嫌っていたような気がする。
画面の向こう側にしか楽しみを見出せなかったあの時を
私はもう、思い出したくもないのだ。


高校時代のいつめん(笑)は、みんなオタク
重度のオタク。
クラスの中でも地味な方

みんな大学生になって
みんな審神者になった


高校のうちもいろいろあったけれど
もう本当に考えるだけで苦しいのでやめる

ここらでメンバー紹介

まず私
私立文系四大の4年生。卒論はやばいが卒業はできる。イケメンが好き

もうひとり
4年生で就職が決まってる子。卒業もok
高校時代は漫研の部長の愛されいじられキャラ

それから
1浪私立理系6年制の3年生。.5もすき
しっかり者長女で運動部

もう怪しいでしょ?まだ続く

4年制だがもはや何年生か謎。来年卒業できたらいいな…
まんばちゃん好きなハーフ系美少女絵描き

最後に
4年制の4年?卒業はまぁ…?進路未定
どうも私のことが嫌いらしい


こんなめちゃめちゃな私たち
オタクってだけで、審神者ってだけでずっと仲良くできるはずもなかった

みんなみんな、もうばらばらだ

同じ制服を着て同じ教室に座ってるわけでもないのに、もうこれ以上くっついてもいられないってこと。


私は
レールの上を走ることが、何もない私にとっては最善だと信じて進んできた

才能もない、それに勇気もなかった

まずは落ち着いて
世間体とか周りの目とか、叩かれない生き方を。
浪人せず!四年で卒業!サークルに入り!ゼミに入り!卒論を書き!

特別なことが出来ないのなら
ただレールの上だけを、余所見せずに真っすぐに

今の私が持ちうるもので
いまのわたしの世界の中で
最善を、幸せを



みんな一緒に高校を卒業して

その後の足並みはばらばら

そんなことわかってたはずだった



この前、そんな5人でお泊まり会をした

まぁ、まとまらない

計画の段階で話があちらこちらに
LINE見ない子の返信待ちしたりとか
決まりかけてたのにやっぱこっちは⁉︎って言い出す子がいたり

これ、本当に5人?
10人はいるでしょってくらいはちゃめちゃ

喧嘩っぽくなって荒れに荒れて
ギスギスしたまま当日

たぶんもうこのグループでお泊まりとか遊んだりとかへの参加はこれっきりだね、って言い合った子と
気を回して片付けたり話振ったり


抑圧されたまま
私は高校生の時とおんなじに道化を演じてた

オタクだってかわいくなくちゃ♡
かわいこぶりっこ、ピンクにフリル
高い声でさえずる口にはデパコスのリップを引いてる
ドジでミスしてばっかり、抜けててやる気ないのにちゃっかり単位はゲット


馬鹿か。
リップ以外全部うそ!

おバカな末っ子キャラにはもううんざり
裏で気を使ってるの気付いてるのはグループの中のもうひとりの長女だけ


時が止まったみたいにみんな同じ動きをし続けて
面白くもないのに大声で笑う

あの放課後の繰り返し。永遠に。


違うのはみんなアルコール手にしてるとこだけ
たいして飲めないくせに3,4%のジュースみたいな缶チューハイ2本とかで

馬鹿らしくなって私ひとり水を浴びるように飲んだ



だから嫌なの

私はもう校門でた瞬間にスカートを折ったりしないし
部活がめんどくて先輩と抜け出してジュース買いに行ったりしない
数学の補修ももうないし

高校生じゃないの

卒業してすぐピアスを開けた

高校までの自分とはさよなら
もうどこにもいないのよって叫びたくて


変わったはずだった
全部。


それが全てあの時に引き戻されるような感じがして
無理なタイムトラベルに酔って吐きそうで

コテでへたくそに巻いてきた髪を
なぞるようにくるくる撫でて

「あたしたち、こーこーの時となぁんもかわんないねっ」
ってへらへらした顔でつぶやいた

そしたら
「そうだねー」
って言葉が返ってきて、心の奥でまたなにかが崩れた音がした



大学4年生って、もっと楽しいものだと思ってたの
就活が終わって、単位も取り終わって、サークルも引退
遊び放題な長い長い人生の夏休み!

ただ、今の自分は空っぽで
バイトしてるか布団にいるかの自堕落なもの

自分が何者なのか不確かで
あぁこれ、進学前の春休みとおんなじだなって
あれってほんの1ヶ月だから耐え切れたけれど今度はあと半年乗り越えていかなきゃいけないものなんだ

不安で仕方ないからつい、口に出す
就活してた時も今も
未来のことだから、人生の分岐点だから

でも未来の話をすると
ばらばらな私たちにもっと亀裂が走る

内定先も、言いたくなかったな
おめでとう、良かったねって認め合えないなら黙ってれば良かった


未来が見えない
というよりも、ここにいる間は目を向けてはいけないんだろ

それなら今日の近侍が誰か見せ合おう
現実から目を背けていよう




このままじゃどこにもいけないや

何者にだってなれないや

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