はじめてのりりいべ

ドレミファ♪ドレミファ♪……
しゅーうかーつー、あーいまーにー、リリイベーなーのよ……

5月1日。午前中に筆記試験を受けていた私は思った。「リリイベ行ける(物理)じゃんこれ。」
14:00〜 池袋サンシャイン噴水広場

崎山つばさ with 桜men セカンドシングル『螺旋』
リリースイベントは昨日から始まった。ファーストシングル『月花夜』の時のリリイベは物理的には行けたはずだったけれど行くのを我慢した。
理由はまた今度。

とにかく私にとって、初めてのリリイベだ。
池袋までの道はもう行き慣れた。忘れもしない去年の晩夏、舞台 『煉獄に笑う』で何度かここに来れた。昨日もその記憶が蘇るようで、ドライアイとは無縁の眼で道を急いだ。

いきたいとこから内定貰うまでイベントも舞台もいかない!そう宣言したけど、おちゃろくも螺旋リリイベも行ってしまった。心に迷いはあったけど、納得できる条件の会社に内定はいちおう貰ってたからだ。

噴水広場について、たくさんの人がステージを囲んでいるのを見てもう、感極まって泣きそうだった
ただ、暑い暑い日に真っ黒なリクルートスーツで走って汗だくでイベントに来て泣いてる奴ってヤバオタじゃんと思うことでなんとか堪えた


衝撃。
それはもう物凄いショックだった。
生の感動はとんでもない。

初めて推しさんの舞台を見た時と同じくらい私の中では大きな転換期であったように思う。
身体中に響く和楽器の音色。
善し悪しはあまりわからない素人だけど、それでも。ひろがって、流れてゆく。2階、3階まで。建物の、端から端まで。どこか切なくて、けれど力強い響き。懐かしい記憶、頭をよぎる景色が。
誰にでも、そこにいる人には全て、伝わる。そんな気がした。

桜menさんの本気を感じた。
プロの奏者としてステージに立つ誇り。これまでの軌跡とやってきたことへの自信。楽器とひとつになったような魅せ方。
いろいろと思うところがあった。今はこの話を誰かの目にとまるところに置いていいのか自分でもわからないから書けない。まだ胸の内に留めておかなくてはと思う。
彼らにとってこのステージがどのようなものなのか。考えると、彼らの強さにそして美しさに心がざわつく。もっと知りたいとおもった。

初めて聞いた推しさんの生歌は、恐ろしいほど神聖に聞こえた。
ひとの努力を間近で感じられる機会は意外と少ない。けれど、「ああ、ボイトレでここに気をつけたのかな」「新しくこれに挑戦したのか」とあれこれ考えを巡らせながら聞いた
これがあの、歌が苦手だと言っていたあのひとなのか。同じひとなんだ。このひとは前を向いて進み続けるんだ。彼自身がひらいた道と天命によるレールを、どこまでも。
遠くまで。


苦しくなった。息をしているのも辛くて、
自分の無力さと、ステージのうえの光に目が眩んだ。
それでも、力をもらった。
同じになんてなれないから、同じになれないからこそ、私はなにをすればいいかもう一度考える。悩んで悩んで、悲しい思いをたくさんして、その度にこうやって、元気をもらって家に帰る。私はなにもわかってないけど、毎回なにかがわかる気がして、何かを掴んだ気になって。このうえなく満たされていく。


鼓動はいつまでもはやくて、
時間に余裕があったのに私は池袋駅まで走り抜けた。あつい陽射しの降る中、また黒いスーツで。
次は面接に向かうんだ。
私も私の力でレールをつくれるように、とひそかに思っていた。

笑顔で、はきはきと。
瞳は真っ直ぐに前を見据え。
選んでもらうのではなく、私が切り拓く。

面接、うまくいったきがする。
(もし通過でなければ最後は消してしまおうと思うずるい私もここにいる)

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