暴食きゅうり生活


きゅうりには栄養素が少なくて、食べた時に得られるカロリーより食べるために身体が消費するカロリーの方が多い

なので理論上は
きゅうりだけを無限に食べ続ければ、
ゆるやかに自殺ができる
そうな。

今日は私がきゅうりだけを食べるような、夢のような生活を手に入れた話をしよう



エリアマネージャーと店長とミーティングをしてきた

私が本当に無気力になってしまったのはとっくの昔に見抜かれていて、それを見かねての事だったそう

結果、ひさしぶりに自分に関することでムカつくことができた。これを狙っていたのだとしたら本当に一生をかけてついて行きたいくらい素敵な上司なんだけど絶対そんなことない

もういつぶりかも分からない「こいつ、ころす」の感情。殺意。私の原動力。
上司クソムカつくぶっ殺したい。
荒れ果てていた燃えカスの大地に炎が宿るのを見た。
は?なに?誰に言ってんだてめえ?私ちゃんやぞ?私ちゃんが前期半年どれだけ意志を持って目標を持って仕事に打ち込んだのかも知らねえ奴が何を言ってんだ?????となり、

それを
堪えて
帰ってきた

本当にここ数ヶ月で私はマイナスの方向に大きく変わってしまったという自覚があって

自分の意見は心に留めておく、新人らしくしおらしくしておく、分かりませんできませんで指示を受けるまで止まっておく
そうしたら無難で苦しまなくて済んで


ダメダメ人間でいればみんなが怒ってくれる注意してくれる
「あなたは順調よ」で半年経って掌返しであなたはあれもこれもできてなかったのに昇格推薦される気だったの?なんて言われない
怒られたかったの、だめならだめと言われたかったから

自分で自分を傷つけるかわりに周りがちくちく注意してくれたらさ、自傷の手間が省けるんだ
どんどん傷つけて欲しいダメージ負わせて欲しいクズを許さないで欲しい


この今のお給料で「生活」は充分出来る
さきやまさんへの執着を手放した今、出費は食費と光熱費くらいなもんだ
貯金はないけど緩やかに穏やかに死んだように生きていける

私のたったひとつの望み
存在の消失

それに限りなく近い生をいま、謳歌している
あっても無くても同じ生きても死んでも同じそんな毎日をただ時計の針が回っていくのを待つだけ

存在していてもしていなくても同じ

ゆるやかに私という存在が死んでいく

音もなく

意味もなく



だから抜け出し難い
やりたいことなんて本当はないの、私という存在がこの世界からひとかけらも無くなってしまうことが望みなんだからその他なんてきっと本当はいらない

さきやまさんをみればハッピーになるけど、さきやまさんをみるか今すぐ跡形もなく消えるか二択にされたらきっと消える方を選ぶ
私の中のさきやまさんの比重?扱い?が軽いってことじゃないからね!それだけ消失を願ってるということなの



今が幸せ

何もなく、なにもない。


お金も要らない、地位も名誉も、やりたい事だってない、欲しい物もない、消失こそが最上の願いだから
それに勝るものなんてないから

このままで良いの停滞していたいの

人はみんな怖いから
チームのために働くのが、思考するのが、もう嫌になっちゃった
真剣になった分だけ、その努力を吐き捨てられた時の屈辱や痛みは大きいもの

過去は過去だからとか

もう一回やってみるしかないでしょとか

半年間頑張った私に会ったこともない人が上の立場から声を降らす
私を突き動かすこの怒りももう口から出てきてはくれない。閉ざし苦しんだ方がまだマシってことに気付いてしまったから。



夢があった欲望があった

推しをどこまでも高みに押し上げたかった
新幹線で遠征したかった
遠征先で美味しいものを値段も気にせず食べたかった
ちょっと良いホテルに泊まって温泉に浸かって眠りたかった
次の日の新幹線で帰っても良いように連休が欲しかった
チケットは買えるだけ買いたくて
グッズも持って帰れるだけたくさん買いたくて
CDだって積んでみたかったし
そうして握手しまくってハイタッチしまくって

あとは、それから
美少女をひとり養いたくて

なにより
うちの会社を日本で1番にしたかった


だから頑張ってた

でももうこれ以上推しにしがみつかないと決めたし

私なんかに養われてくれる女の子はいないし

1番目指して突っ走ってるのは私だけだった



全部自分のためだけど
誰かのために自分がやりたいことがしたかった

軸がない芯がないなんて言われたけど
尽くしたい誰かの為に真剣になるのが私の軸だし
それを曲げたことなんて今までなかった

大事なだいじな社会人一年目最初の配属先で、今まで心から信頼していた人を、大好きで大事なペアの新卒の子さえも疑って、他人を全て信じられなくなるほどのことがあったのに
それは無視で今の私だけみて芯のないやつだと檄を飛ばすんですかそうですか


それならこのまま止まったまま少しづつ錆び付いていけばいつか心臓もとめられるよね
考えることも感じることもなにも全て失えるよね
望んだ存在の消失を受け入れて
そうして私が終わって、完成する
世界はまたひとつ美しさを取り戻す



それでなにが悪いんだ

悔しくて泣いていたら炎は消えてゆく
涙が全部を洗い流すから、思考とか感情とか、全部捨てて消え去れればいい




張り付いた笑顔のお店のお姉さんがそこにひとつ、残って転がっていた。

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