好きにかたちがあるならば

それならどんな かたちなの

好きにかたちがあるならば
それならきっと らむね瓶

きらきら かざせば 透きとおる
いちばんぼしが瓶のなか


淡いぶるーの うすごおり
かちかち 鳴って しゃべってる

いったい何を いってるの
それは誰にも わからない

空にむければ いつだって
そこには ひとつ おほしさま


瓶のなかみの そーだ水
いまか いまかと まちわびて

いつかを 想い 眠ってる
それが来ること うたがわず

夏のこうえん ふんすいが
じめんをじっと ひやしてた


好きにかたちがあるならば
あなたにそっと 手渡すの

好きにかたちがあるならば
こわれる音も きこえるわ

ふたが あいたら そこまでで
二度と もとには もどらない


おなじかたちをしていても
ひとつ ひとつは 別のもの

おなじかたちでなくっても
おなじに見える ときもある

しゅわっと はねた さとう水
あらいながされ さようなら


瓶のなかみの びーだまは
いつまでたっても 同じばしょ

からから 回って あばれても
瓶のそとには でられない

すーぱーぼーるが ころがって
坂のむこうに たびだった


好きにかたちがあるならば
どんなに簡単だったろう

好きにかたちがあるならば
みつめて それから 抱きしめる

好きにかたちがあったって
そんなの 望んでいないのに


夏の終わりの らむね瓶
秋がきたなら どうなるの

いのちみじかし それならば
夢みたばしょへ つれてって

わたしがもっていけるのは
うだるあのひの 熱だけだ


あなたはきっと しらないわ
らむねがどこに いくのかも

らむねもきっと しらないわ
じぶんがどこに いきたいか

あまったるぅい らむねなど
もういらないと いうかしら


好きにかたちがあるならば
それでもきっと かわらない

好きにかたちがあるならば
みんな それぞれ てに余る

あなたは 知ろうとすらしない
らむねが どこから きたのかも


らむねは それでも 夢をみる

らむねは それでも 夢をみる


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