読書会【闇の自己啓発会】〈のれん分け〉キャンペーン


■あなたも【闇の自己啓発会】で読書会を始めよう

 闇の自己啓発会では、2019年10月1日より、下記のルールを満たす読書会ブログ記事をnoteマガジン『闇の自己啓発会』で紹介していきます。本記事で下記に示すルールを満たす記事が対象となります。note記事であれば同マガジンに登録し、それ以外のブログ記事でも、別途リンクを掲載します。〈のれん分け〉と書きましたが修行や対価などを要求するわけではありません。まだ手探りですので、適宜変更が加わることがあります。奮ってご参加下さい。

 本記事では、ルールrulesの他に、チップスtipsとリストlistを載せました。本選び、集まる準備、記事づくりなどの際に、お役立て下さい。

■ルールrules

1.読書会記事のタイトルのどこかに必ず「【闇の自己啓発会】」を入れること。

●紹介のために検索する際のタグ代わりになります。タイトル内であれば入れる位置は自由です。なお「真【闇の自己啓発会】」、「ネオ【闇の自己啓発会】」、「【闇の自己啓発会】インスパイア系」などでも構いません。

2.読書会記事の冒頭では、以下の例を参考に、日付、場所、読んだ本、参加者一覧を必ず記載すること。

【例1】「闇の自己啓発会は、8月4日に都内某所で木澤佐登志『ニック・ランドと新反動主義』読書会を行いました。」
【例2】「参加者一覧 江永泉 ひでシス 役所暁 木澤佐登志」
●参加者は2名以上であれば構いません。「読書」の「会」なので。また、日付、場所に関しては「某日某所で」なども可です。

3.読書会記事の結びでは、以下の例を参考に、「次に読みたい本」を必ず記載すること。

【例3】「次回読書会はジェイミー・バートレット『ラディカルズ 世界を塗り替える〈過激な人たち〉』と西谷格『ルポ中国「潜入バイト」日記』を取り上げる予定です。お楽しみに!」
【例4】「次に読書会をやるなら、ジェームズ・ブライドル『ニュー・ダーク・エイジ』を読みたいと思っています!」
●もちろん読書会を続ける義務はありません。ただ、「次に読みたい本」を挙げておくと、その本で今度一緒に読書会がしたい、というひとが、新たに見つかるかもしれません。

■チップスtips

【予定する】読む本と集まる日付の確定→参加者の確認→場所を予約。SNSやメールで情報を共有。

【あつまる】フリースペースを時間を区切って有料レンタルすると覚悟が決まる。スペイシー(Spacee)で検索したり(ただカバーしている地域がそう網羅的ではない)、貸しスペースのある喫茶店、古書店などを探すとよい(縁のある個人経営の店舗などがあれば、相談してみるのも一手段か)。

【本で話す】話の割り振り方にもいろいろ方法がある。集まりごとに、最適な方法は変わる。
 例えば(1):時間を人数で均等に割って、順番に気になった箇所を挙げて話を始める(最初に担当が「お題」を出して、後はみんなで思い思いにわやわや話す感じ)。
 「お題」を出すときは、気になった箇所のページ数とそこに書かれている文章を確認しながら、話したい事柄、わからない事柄などを挙げる(事前にページ数などのメモを準備すると話しやすい)。
 わやわや話すときも、いまは書いてある言葉の意味や議論の枠組みを確認しているのか、本を読んで思いついたネタや面白い話を出し合っているのか、くらいは念頭に置いておく。盛り上がっているなら、多少の脱線は気にしない。グダグダになり過ぎないうちに、予定に戻る。

【記事にする】記事の構成にもいろいろ方法がある。集まりごとに、最適な方法は変わる。
 例えば(2):音声を文字起こしするのは大変(それが理由で第3回記事の編集が終わっていない)なので、記録係が読書会中にPCにざっと話者と発話内容を入力している。グーグルドキュメントなどで共有し、1週間程度で自分がした発言を加筆修正する。
 書きなおすうちに、誰が始めた話だったか曖昧になったり、話題が増えたり減ったりするが、お互いにゆるせる範囲なら気にしない(必要なら修正していく)。記事の形にまとめて、最終確認(誤字や脱字は、ひどいのがなければ気にしない)。そして、公開。

【読書する】読書猿のブログ記事が、読書のやり方ガイドとして有用だと思うので、ここにリンクを張ります。
●読書猿「読書の初心者に贈る、読むことの障害を取り除き書物へ誘う14の質問と答え」:本を読むことの心構え

●読書猿「こうすれば本が読める/おさるのサマースクール」:一冊の本の読み方

読書猿「難しい本を最後まで読むのに人間が昔からやってきたこと」:読書会のやりかた例

■リストlist

オススメ本のリストです。これまで【闇の自己啓発会】読書会で扱った書籍はもちろんのことですが、その他にも、以下のような本をオススメします。

●西谷修『アメリカ 異形の制度空間 (講談社選書メチエ)』
●米本昌平ほか『優生学と人間社会(講談社現代新書)』(共著者, ぬで島次郎, 松原洋子, 市野川容孝)
●水島治郎『ポピュリズムとは何か(中公新書)』
●渡辺正峰『脳の意識 機械の意識 脳神経学の挑戦(中公新書)』
●柘植あづみ『妊娠を考える 〈からだ〉をめぐるポリティクス』
●上野千鶴子『資本制と家事労働 マルクス主義フェミニズムの問題構成』
●若杉隆平『国際経済学(第3版)』
●ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行』(白石さや, 白石隆 訳)
●ギャビン・ニューサム, リサ・ディッキー『未来政府 プラットフォーム民主主義』(稲継裕昭 監修, 町田敦夫 訳)
●カール・マルクス『賃労働と資本』(岩波文庫ほか邦訳多数)
●ジャン・ボードリヤール『象徴交換と死』(ちくま学芸文庫 今村仁司, 塚原史 訳)
●ジョセフ・ヒース『資本主義が嫌いな人のための経済学』(栗原百代 訳)
●ナシーム・ニコラス・タレブ『まぐれ 投資家はなぜ、運を実力を勘違いするのか』(望月衛 訳)
●マイケル・ルイス『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』(東江一紀 訳)
●ジェイミー・バートレット『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏世界の内幕』(星水裕 訳, 鈴木謙介 解説)

■終わりに

 読書会というものが、どうにも堅苦しい、ハードルの高いものに思える、という方へ。読書会を、読書の〈感想戦〉だと捉えてみることを、提案してみたいと思います。

 映画や劇、ライブなどを一緒に観に行って、後で集まって感想を言いあうことを、近年ではしばしば、〈感想戦〉と呼ぶようです。これは、元は将棋で使われていた言葉で、ある試合、つまり対局が済んでから、その対局者や観戦者が、開始から終局までの範囲で、気になった局面を取り上げて、そこで指された手のよしあしや、その局面での最善手は何だったのかなどを検討することを意味していました。その後、どこかで言葉の意味が拡がりはじめたようです。

 読書会というものも、知識を共有する、教わったり学んだりする、というだけの営みではなく、読書という〈ひとり(?)芝居〉の〈感想戦〉として捉えることができるように思います。例えば、こんな見事な言い回しが使えたのか、とか、たとえ話にしてもこれはすべってるよね、とか、これは著者おなじみの決まり文句だ、とか。あるいは、例えば、そんな読み方をする筋もあったのか、とか、そんな話とも関連するのか、とか。そんな風に書き手の書き方の〈感想戦〉だけではなく、読み手の(つまり集まったメンバー各々の)読み方の〈感想戦〉になるかもしれません。

 この〈のれん分け〉キャンペーンが、誰かが誰かと、そんな〈感想戦〉をするきっかけになってくれるのであれば、うれしく思います。

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