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2人を乗せた車は廃車になった

彼の助手席が好き
ただの"隣"ではなく、「助手席」
付き合っていた当時は私の特等席だった

(ああ、独占欲湧き出てるなぁ)

お互いが好きなバンドの曲を流しながら
高速道路を走る
こんなに幸せな時間はあるだろうかってくらい
大好きな空間だった

彼との旅先は、決まって車で2時間かかる場所
私はその度にプレイリストを作っていた

「この曲今の私たちにぴったりだな」
なんてニヤニヤしながら曲を並べてく
たまらんよね、あの時間
苦手な荷造りも朝飯前だった


大学を卒業して引越すタイミングだったかな
黄色いナンバープレートは廃車になったらしい

形のない二人の思い出が
より形のないものになってしまった気がして
少しだけ胸がきゅっとなる

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