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日本テーマパーク史研究ノート9〜富士ガリバー王国について9:富士ガリバー王国の登記簿が届きました

はじめに(この記事を書こうと思った理由が書いてあるよ!読みたくなければ飛ばしてね!!)

日本にはかつて数多くのテーマパークがあった。

それらはバブル期を中心として全国に作られたが、多くはバブル崩壊といった経済的な危機や他の娯楽に押され、閉園に追い込まれる。一方で一部のパークは現在でも営業を続け、日本における代表的な観光地として知られている場所もある。
その数の多さにも関わらず、日本においてこれらのテーマパークを「1つの文化」として包括的かつ通史的に扱った言葉は、今のところ、まだ、ない。

このNoteでは日本のテーマパーク史について、研究ノートのように書く。あらかじめ断っておくと、筆者は専門でテーマパーク史を研究しているわけではない。いくつかのサイトで記事を書くライターでしかない。
ただ、ライターとしてデイリーポータルZLOCUST+などで書く機会があり、今後そうした媒体でテーマパークについて書くと思うから、そのための研究ノートだ。取材ノートでもいい。したがって小さな事実誤認や、思い違い、調査不足などは多めに見て欲しい(というよりそもそも、日本のテーマパーク、特に閉園してしまったテーマパークについては資料そのものが残っていないことも多いのだが)。ここに書き記すのはあくまでも調査の過程だと思って欲しい。もちろん修正点が見て使った場合は適宜修正していくが、それも含めて一つの調査の過程だと思って欲しい。

タイトルは「日本テーマパーク史」。ちょっと範囲が大きすぎるのではないかとも思ったが、とりあえず全体のテーマはこうした。大きく構えていても、一つのテーマパークについて、少しずつ回数を分けて書いていくことになる。いきなり日本のテーマパークについてその見取り図を書くことなどできないし、そもそも「テーマパークとはなにか」という定義さえ、私の中でも決まっていない。
おそらく、少しずつ個別のテーマパークについて書きながら、徐々にその全貌が見えてくるのだと思う。

したがって、その調査の過程を楽しんでくれれば、と思う。

幻の富士ガリバー王国を求めて9

さて、前回は富士ガリバー王国のテーマを探っていたのだった。その結果わかったのは富士ガリバー王国のテーマが「エコロジー」であり、そしてそれが富士ガリバー王国にいかに影響を及ぼしているのかを考えてきた。

そして今回、実は前回の続きを書くつもりでいたのだが、いっとき中断になっていた「あれ」がやってきた。

そう、不動産登記簿である。法務局から届いたのだ。

すごいぞ。本邦初公開。もう一度確認しておくと、不動産登記簿とは、その不動産を持っている人の変遷が書いてある行政書類である。「富士ガリバー王国」の不動産登記簿である。いま、富士ガリバー王国の敷地は誰が持っているのだろうか。

ちなみにこの回は日本テーマパーク史の第4回目の続きである。

富士ガリバー王国は誰が持っているか

さあ、ここからが楽しいところである。

富士ガリバー王国の現在の土地、誰が持っているのか。

答え。

恐らく千葉にある「和泉総合開発株式会社」である。

恐らくです。恐らくですよ。

ただし、難しいの「土地の所有権」と「土地以外の所有権」の2つの事柄が登記されており、この2つで書いてあることが全然違うのである。まだガリバー王国にガリバー像などの遺構があったときは土地以外の所有権があるのもわかるが、現在そこは更地になっているはずである。

しかし登記簿を見てみると、この連載で見てきたような壮快美健館やアーバン・コーポレイションといった企業の名前は「土地以外の所有権」の欄に書いてあり、Wikipedia等でガリバー王国の所有権と言っている場合は、この「土地以外の所有権」のこと(=つまり建物のこととか?)を言っているらしい。
その「土地以外の所有権」を見ると驚きのことが書いてある。
まずは年表風にしたので見て欲しい。

2008年(平成20年) 10月16日 アーバンコーポレイションから株式会社クラシックに同地の権利が移る(株式会社クラシックが債権者になる)

2020年2月27日(令和2年) 株式会社クラシックから千葉県の和泉総合化お初株式会社に譲渡される

なんと、今年の2月27日にこの土地の取引があったのである。驚きだ。

そしてそもそも、アーバンコーポレイションが倒産した後、この土地はゴルフ場とホテルを現在でも同地の隣で経営する「株式会社 クラシック」に渡されていたのだ。

そして今年の2月に株式会社クラシックから和泉総合開発株式会社に土地の権利が渡っていたのである。なんとタイムリーなんだろう。この研究ノートに合わせたかのような。

では、富士ガリバー王国の跡地に立ち入るためにはやはりこの「和泉総合開発株式会社」に許可を取らねばならないのだろうか。

電話してみた

というわけでみんな大好き体当たり。電話してみました。さあ、一体どうなったのか。

(呼び出し音)
和泉:はい
私:あのすみません、御社が所有している土地についてお伺いしたいのですが。
和泉:はあ
私:富士河口湖町にある富士ヶ嶺2-4の土地なんですけれども
和泉:ああ
私:そこの土地に入ってそこを撮影するだとか、そういうのの許諾って御社に取るのでいいんでしょうか?
和泉:いや、それは「株式会社クラシック」さんの方がいいと思いますよ私:え。クラシック?でも、土地の所有権は御社にありますよね
和泉:なんですけど、詳しいことは私たちの方でも分からないんですよ
私:え、分からない?
和泉:というか、そこについてはビジネス上のお話になって。色々と事情もあるんですが、それはお話しできませんので
私:はあ、ということはそういう許諾とかはクラシックさんに聞いた方がいいと?和泉:そう思いますね

やばいですね。だんだん怖くなってきました。
文章ではうまく書ききれないが、とにかくこの和泉総合開発株式会社の人はクラシックさんに聞いてくれ、の一点張り。もちろん土地の権利の移動があったのが2月末のことなので分からないこともあるのだろうが、しかし所有権が移ったのならば「クラシック」とかなんとかいうのはなんだかおかしいのではないか。

どういうことなのだろうか。

とにかく真相は「クラシック」に電話してみないと分からなそうである。
というわけで、株式会社クラシックにも電話してみた。
その結果たるやいかに??

ということで今回はそろそろお時間のようである。
続きは次回。またお会いしましょう。


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