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日本テーマパーク史研究ノート8〜富士ガリバー王国について8:富士ガリバー王国のテーマとはなにか

はじめに(この記事を書こうと思った理由が書いてあるよ!読みたくなければ飛ばしてね!!)

日本にはかつて数多くのテーマパークがあった。

それらはバブル期を中心として全国に作られたが、多くはバブル崩壊といった経済的な危機や他の娯楽に押され、閉園に追い込まれる。一方で一部のパークは現在でも営業を続け、日本における代表的な観光地として知られている場所もある。
その数の多さにも関わらず、日本においてこれらのテーマパークを「1つの文化」として包括的かつ通史的に扱った言葉は、今のところ、まだ、ない。

このNoteでは日本のテーマパーク史について、研究ノートのように書く。あらかじめ断っておくと、筆者は専門でテーマパーク史を研究しているわけではない。いくつかのサイトで記事を書くライターでしかない。
ただ、ライターとしてデイリーポータルZLOCUST+などで書く機会があり、今後そうした媒体でテーマパークについて書くと思うから、そのための研究ノートだ。取材ノートでもいい。したがって小さな事実誤認や、思い違い、調査不足などは多めに見て欲しい(というよりそもそも、日本のテーマパーク、特に閉園してしまったテーマパークについては資料そのものが残っていないことも多いのだが)。ここに書き記すのはあくまでも調査の過程だと思って欲しい。もちろん修正点が見て使った場合は適宜修正していくが、それも含めて一つの調査の過程だと思って欲しい。

タイトルは「日本テーマパーク史」。ちょっと範囲が大きすぎるのではないかとも思ったが、とりあえず全体のテーマはこうした。大きく構えていても、一つのテーマパークについて、少しずつ回数を分けて書いていくことになる。いきなり日本のテーマパークについてその見取り図を書くことなどできないし、そもそも「テーマパークとはなにか」という定義さえ、私の中でも決まっていない。
おそらく、少しずつ個別のテーマパークについて書きながら、徐々にその全貌が見えてくるのだと思う。

したがって、その調査の過程を楽しんでくれれば、と思う。

幻の富士ガリバー王国を求めて8

さて、富士ガリバー王国について考えている。
前回は、富士ガリバー王国の「テーマ」について考えることの重要性について確認した。

では、「富士ガリバー王国」のテーマとは一体なんなのであろうか。

環境・自然との共生

ここで、もう一度ホームページを見てみよう。

https://web.archive.org/web/20000510225404/http://www.gulliver.gr.jp/whats.html

このホームページの「建国の歴史」という大げさなページには次のように書かれている。

環境・自然との共生をコンセプトにしたアミューズメントエコロジーパーク

テーマパークとは、ある一つのテーマに沿って施設やアトラクション、売店など園内が統一されている遊園地のことを言うが、ここでは「環境・自然との共生」がテーマなのである。

そう考えると、やはり私たちは今まで語ってきた「富士山」のことについて思いを巡らさざるを得ないだろう。

なにせ、日本で一番高い山、そしてその周りに広がる広大な富士山麓の自然がパーク自体を包んでいるのである。このテーマでパークを興すのにはまさに好立地だといえるだろう。

エコロジーということ

さらにこのテーマで気になるのが、「アミューズメントエコロジーパーク」という部分である。

「エコロジー」なのである。

残念なことに富士ガリバー王国の要素を色々と眺めてみても、全く「エコロジー」な感じがしない。一体なにがエコロジーなのだろうか。
Wikipediaで「エコロジー」という言葉を調べてみた。

 エコロジー(Ecology)は、狭義には生物学の一分野としての生態学のことを指すが、広義には生態学的な知見を反映しようとする文化的・社会的・経済的な思想や活動の一部または全部を指す言葉として使われる。

原義としては「生態学」という意味らしいが、富士ガリバー王国について考えるならば、やはりその後に続く「生態学的な知見を反映しようとする文化的・社会的・経済的な思想や活動の一部または全部を指す言葉」として「エコロジー」を捉えたほうがいいだろう。

つまり生態学的な知見を活かしたテーマパークが「富士ガリバー王国」だということになるが、それは本当なのだろうか?

次回は、富士ガリバー王国の成立過程を見ながら、そのテーマが果たして本当に「エコロジー」と関わりがあったのか、それを考えていこう。

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