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池上奈生美コラム ~「インプロは本当に必要か?」~

今月1日に、67日ぶりに弊社のスタジオを再開いたしました。
1週間がたち、レギュラークラスすべてが開講したときには、
ホッとし、改めて感謝の思いでいっぱいになりました。
ありがたいことに、全てのレギュラークラスでキャンセルはなく、
むしろ、こんな時だからインプロをまたはじめたいと、
数年ぶりに受講してくださったメンバーも複数いらっしゃいました。

非常時になると、
「エンターテイメントは本当に必要か?」という問題を突きつけられます。
誰にとっても、生きていくためには衣食住が最優先であり、
心の安全よりも、体の安全のほうが大切です。

私たちも、「今インプロを伝える意味はなんだろうか?」と
何度も考え続けました。
「今こそみんなを元気に」「前向きに生きよう!」
「とにかく笑おう!」
言葉ではいくらでも言えます。

しかし、すべて非常時には、意味のない言葉です。

それでも、変化の連続で、新しい生活が余儀なくされている今だからこそ、
その土台となる「心」を強くすることは、絶対に不可欠。
そのためにインプロができることはあると信じて、動いていきました。

とはいえ、答えは発信者が出すものではなく、受信者(受容者)が出すものです。
いくら私たちが、それを伝えたくても、それをやりたくても、
賛同し参加してくれる人がいなければ、全くの無意味です。

「これは皆様が求めているものだろうか?」
「喜んでくれるだろうか?」と、
今まで以上に「インプロとなにか?」をみつめる時となりました。

この2ヶ月間、
私たちスタッフを支え、導いてくれたのは、
「イエスアンド」であり「それはちょうどいい」でした。
そして、その思いを元になにかを発信すると、
すぐに多くの方々がイエスアンドしてくれていました。
そのことにどれだけ私たちが勇気づけられ、励まされたか計り知れません。

「こんなことやりたい」とアイデアを出すことは簡単です。
でも、それを実現することは、それだけでは不可能です。
誰かが新しい活動したときに、
「それ私も思ってた」
「やろうと思ってたんだよね」と言ってしまうことがありますが、
そんなふうに、ただ思いつくことと、
それを実現することとは180度違うのだと、改めて思いました。

その違いは、そこに
「誰かのイエスアンドがあるかどうか」ということでしょう。

スタジオは再開いたしましたが、もちろん今までと同じようにはできず、
マスク着用、飛沫保護シートに囲まれ、
オンライン参加でのメンバーとの画面越しの共演など、
皆様にはご不便をおかけしております。
しかし、イエスアンドが身についているみなさんは、すでに
「こんなシーンができる」
「こんな関わり面白い!」
と、この状況だからできることを次々に生み出してくださっています。

体の安全、衣食住の確保は絶対に必要です。
しかし、非常時を乗り越え、新しい生活を生み出すことは、
それだけでは不可能です。
心の安全、心の力があってこそ、
新しい生活を生き抜くことができるのだと確信しています。

そして、その「心の力」を支えるためにも、
「インプロ、そしてエンターテイメントは本当に必要」なのだと思います。

誰にとっても「新しい生き方」が、幸せに満ちた日々になるよう、
インプロもエンターティメントも自由に楽しめる日々が来ることを
心より祈っております。

池上奈生美のツイッターはこちら
https://twitter.com/naomiikegami

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