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【月刊インプロ10月号より】~創立19周年のご挨拶~ 池上奈生美(インプロジャパン代表取締役)

10/1、株式会社インプロジャパンは19周年を迎えることができました。
これもひとえに、日頃からお世話になり、ご支援くださっている皆様のおかげと、感謝申し上げます。
そして、今年ほど今日を迎えられる幸せを感じたことはありません。
本当にありがとうございます。

19年前、インプロジャパンが誕生し、最初に始めたことは「インプロワールドカップ」という、様々なインプログループとの交流公演でした。
中野の小さな劇場を借りて、シアタースポーツという対戦形式の公演をし、それから、ずっと年に数十公演(演目)を
開催してきました。

そして、今年。
これまでの19年とは違う一年のスタートでした。
初めての取組みのオンライン公演。
新しい挑戦への期待と興奮はあれど、そこにお客様の顔が見えないことへの寂しさを感じずにはいられません。

そんな中、
先日、ようやくお客様の前で公演をすることができました。
会員制の公演であり、事前に感染予防対策は、運営スタッフはもちろん、お客様にも十分伝わっていました。
主催の皆様方の、ご尽力はいかほどだったかと、頭が下がる思いです。

当日は、ステージと客席の間に飛沫保護シートを貼り、演者は、フェイスシールドをしました。
体調が不安な方のためにも、同時にYou Tube配信、ZOOMを使った交流も行い、タイトルは、通常のお客様の直接
書いていただくカードシステムは使わず、事前にスタッフがシート越しに直接伺い、お客様と私達が物を共有すること
はもちろんありません。

いつもとは違う形式でしたが、それでもお客様がひとり会場に入るごとにに熱気 があがり、「あ~、これだな」と、肌感
覚でわかる「人のエネルギー」を味わえました。
インプロの良さは、お客様の「今、これが観たい」に瞬時に応えられることだと思います。
一瞬一瞬物語の流れが、自分だけの選択ではなく、お客様に導かれていく世界に生きている…そんな実感がありま
した。

もちろん、客席から声を出すことはできませんが、それでも、その瞬間、右に行くのか左に行くのか、どちらをお客さ
まが望んでいるのかが伝わってきて、それに応えられるのは至極の喜びです。

リモートでも誰かとつながることはできます。
でも、この空気の共有というか、言葉だけでは決して伝えきれない、「感覚の共有」、これを補うことは簡単なことでは
ありません。

インプロシンキングの研修で、4つの受信発信のことを説明しています。
(ここでは、詳しくは割愛させていただきます。)
対面ではこの受信発信がものすごい速さで行われ、言葉以上に、感じあっているものを受け取り発信しあっています。


現在インプロジャパンで開講中のクラスはすべて、スタジオ参加でもリモート参 加でもOKになっています。
クラスによっては、スタジオとリモートでの共演となります。
当然、リモートのメンバーの方が、伝わってくるものは少なくなりますが、それでも「言葉以上に伝えようとしているも
のがある」ことを知っているメン バーのパフォーマンスは、画面越しの相手の空気をもイエスアンドしています。

どこにいても、誰とだって、一瞬一瞬何かを感じ、言葉以上に、それを受け取り合っている。
人と出会うことで動いていく自分を、リモート中心の生活の中でも忘れないよう にしたいと思いました。

そして、19周年を迎え、あらためてインプロジャパンが、今の社会から何を受信し、何を発信していくべきか、気づかさ
れた気がします。

まさに、We don't know what happens next.
何が起こるかわからない「今」ですが、目の前の人、出来事をイエスアンドすることで、続いていく道があると、信じて
います。

今後ともよろしくお願いいたします。

池上奈生美のツイッターはこちら
https://twitter.com/naomiikegami

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