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第二十一回 書き出し祭り:智子の投票先及び各会場の順位予想

 表題の通りです。

 書き出し祭りの扉絵はこちらから。新しいのが追加されててワクワクしました。月猫さん、いつもありがとうございます。楽しませてもらっています。

 さて。

 私の投票先とは別に「票を集めるだろう」と推測される作品を予想します。自作の好みと世間の評価がある程度乖離していると気づいてきました。自分が好きなものと、人々が好きなもの。それらの違いを汲み取るために訓練です。

 各々の作品の感想については別の記事にて取り扱っております。興味がある方はご覧になってみてください。



投票方法

 公式のアカウントがご説明してくれてるので、まだ投票していない人は投票に行くのです! 

第二十一回の感想のあれこれ

 いつものことですが。
 皆さんが覆面を被って、感想を述べていく。
 という性質上良かれ悪しかれ話題となるものがありましたね。

書き出し祭り作品の連載について

 記事をご覧になった方がいれば。分かるんでしょうが。
「ゆくゆくは連載したいなぁ」
 とか、お考えの方がいるならば。多少無理してでも連載をするというのは大事だと思います。
 どんな作品であったとしても100人前後の方が書き出しの文章を読むことになります。
 実際、私も「書き出し祭り」や「書き出しコロシアム」という絡みで、連載を追っている作品は何個かあります。

 この企画は「ジャンルごった煮」なので「創作のコンペ会場」みたいな所もあります。

 この方はこんな作品書けるんだなぁ。おお、続きあるんだ? 読んでみよう。
 と思ってもらえることになります。

 こんなことを申していますが。智子は現在他の連載にかかりっきりなので、さわれちゃいないんですが。神崎さんの記事を見ながら急いで取り掛かろうと。気持ちを新たにしました。

作品の話題性について

 今回あんまり、話題になった作品というのが少ない気はしました。
 ということで各会場のPV数をチェックしてみます。


 一万いかない位です。第四会場が最も少ない感じですね。

 ネタになるか。とおもって、調べてみましたが。あんまり関係ない気がします。

 そもそも、作品の「話題性」というのが。

「作品の期待値」を言語化しやすい書き出しであろうかと思います。

「この作品は、誰のために、どのようなジャンルの作品なのか明確! フォロワーさんに教えてあげないと!」

 みたいな。自分のタイムラインの構築と、作品の趣旨が一致した時に皆つぶやきたくなるのだと思うので、こればっかりは読者の相性等の兼ね合いもあるんじゃないですかね。

 私も露骨に「おねショタ」が期待できる作品があれば、倍プッシュしたと思いますよ。

 全感想を全部やってみて思うのが。

「書き出し」で求められる要素を満たしてきた。ものが多いと感じています。

 更には、連載を意識していて「インパクト重視」ではないものが増えてきた印象もあります。

 あらすじが梗概的であり「ターゲットに適切に届く」ための展開であったりが示されています。

 この「梗概的」なあらすじについては、非常に高い効果を発揮した作品が多かったと思います。安定感を感じました。連載を期待できる。というのは作品の選好において良い効果があったと思います。

20回の記事以前からの覚書メモ

ネガティブな感想について

 智子は複数回参加して、分かったことがあります。

 ネガティブないし、賛否分かれる作品がSNSのインプレッションに影響があるなぁ。と感じています。

 賛否分かれる作品は明らかな魅力と明らかな欠点を内包している作品であり、ターゲットによって作品の評価がバッツリと二分化する傾向があります。

 作者の方々においては「否定的な性質の意見」については、上手に分類してほしいと思います。

「ターゲットではない読者」からの意見は、あなたの創作において汲み取ること自体が、完成度を落としたりすることがあります。

 男性向け読者のために書かれた作品世界に、女性活躍のためのフェミニストの理論をぶちこんだとして、マジョリティの男性が楽しい筈がありません。

 女性向け読者のために書かれた作品世界に、弱者男性(身体的弱者、金銭的弱者を有した魅力を感じ取りづらい男性)への配慮をした作品を書いても、マジョリティの女性読者は楽しくありません。

 あくまでも「エンタメ作品」として書くならば。マジョリティに寄せた形で、欲望を励起し、賞賛し、肯定する作品を求めますし、求められています。

 そこを逸脱して、作品を描くならばそれは文芸寄りのそれとして、整理し、プロットやキャラクターの造形を考えるのが大事です。

 あなたの作品に、否定的な感想を持った人が「マイナス」と評価した要素は「そのジャンルを選好した人々にとってはプラス」となる要素もままあります。

 書き出し祭りにかぎらず、エンタメ作品を製作する人々が一番大事に考えるべきことは「ターゲットのために書いているのか?」ということを忘れずにあることが大事です。

 あなたの作品は特定のジャンルを好む読者のため。
 あなたの作品はあなた自身が望む世界やあり方を表現するため。

 どんな構えでも良いのです。どちらかというと、智子は「後者」に寄せてしまっている書き手なので、意識して前者に寄せようとしていますが。自分のジャンルはどこにあるのか。それも最近は迷子です。楽しいからいいんですけどね。とは言いながらも、こんな風に「書き手が楽しけりゃいいぜ」といったスタイルのときは「一般の読者」の方々が「楽しい」と思う要素と乖離していくことが多々あります。

 ええ、今の智子がそれです。

 今回の感想というコンテンツについてですが。

「不特定多数」の人々のネガティブな感想については「違う畑の方ないし違う創作のルーツ」を持っている方なのだなぁ。位に思っておくのが健康的かと思います。

 ネガティブな感想については、感想の作成者自体に「その作品を楽しむ受容体がなかった」と考えましょう。実際にあなたがその作品を「面白い」と思って書いたのですから。どこかの創作の畑として、あなたは育ったのです。

 あなたが自信をなくす必要はありません。
 創作をする上で耳を傾けた方が良い相手というのは「同じジャンルに知悉している書き手」ないし「読者」の意見は敏感に感じ取る必要がありますが。
 書き出し祭りのように「多くのジャンルの人々」が集う中での感想は「そのジャンルで、読者の期待に応えられるか。自身のジャンルに組み込めるか?」というのは慎重になるべきかと思います。

 そのジャンルの専門家はあなたであるし、あなたの作品に責任と利益を持つのはあなた自身だからです。

智子なりにつかんだ書き出しのコツ

 書き出し祭りで伸びる冒頭の作品の技術というのは、他の公募作品ないしweb小説にかぎらず、多くの物語で期待される力だと思います。

 そして、それらの力はエンタメ作品全体での業界としてのノウハウになりうる蓄積を間近で見ているように感じます。

 この技術を感覚的に理解し、説明する方法があります。

「書き出しの情報だけで友達にプレゼンできるか?」

 作品の始まりでムードを示し、今後の展開を約束するシーンまで描けた作品は他の作品よりも一つ飛び抜けた印象になります。このことを他の方も感想で触れていました。書き出し祭りのタグは無かったので、引用は控えますが。

「書き出しだけでログラインが見える作品は強い」

 この意見にすべて集約されると思いました。

現代社会における作品の消費速度の速さ

 私は時々忘れそうになります。寝る間も惜しんで、心をすり減らしながら働いていた時期も経験もあるというのに、あの時の日々擦り切れていく様な生活を忘れそうになります。

 今は、環境に恵まれ、私の夢を応援してくれる人もいます。そして、それに力を割くことも許されています。

 だから、時々忘れてしまいそうになります。

 多くの人々は私のように暇人ではなくて「親として」「学生として」「部下を抱える責任ある立場として」「何かの仕事を支える重要な人材として」多くの人々はあります。

 私のように暇人はそうおらんでしょう。

 その様な忙しい社会の中で「つまらないかもしれない作品」に時間を割ける人はそう多くありません。

「いや、私の作品は面白いよ?」

 そうでしょうとも。あなたの作品は面白いでしょう。だって、あなたがその作品の今後の展開をご存知なのでしょうから。絶対に面白いのです。そして、その面白さを「約束してくれる」冒頭でないと、読者はそれについていくことは難しいのです。

 そして、その「今後の面白さを約束してくれる」技術が詰まった作品が書き出し祭りの上位の作品として登場するだろうと予想しています。

 長い前置きになりましたが。以下の通り、投票に関しての記事を残していきます。

智子の評価基準


 こんな事を申し上げると「なんて、上から目線の嫌な奴なんじゃ! 不快な奴じゃ!」とお叱りの言葉を頂戴しそうです。

 詳説を許すならば。

 それは書き出しによって、作品全体のムードを示し、作品を通してどの様な感情や展開を約束(もちろん裏切っていいんですが。読者に方向性をもって予想させてくれる)してくれるのかを明らかにしている作品。

 この要件を満たした上で「登場するメインキャラクターには外的な課題と内的な課題」が両立している作品。

 がドンピシャで好みです。

 そういったものを私は好むのですが。世間一般では「内的な課題」の提示より、「外的な課題」の打破に係る能力や方法を示すことを優先した作品の方が反応が良好な傾向があります。そういった領域で色々と考えてみようと思います。

第一会場の投票

 選び取るまでの苦悩を残します。

選好過程

 外的な課題と内的な課題が両立した作品

 1-13 亡くした初恋 〜王女が結婚したがらない理由〜
 
1-17 黄泉坂学園で生き返りを目指して

 上記の作品を推すことに躊躇いはないです。

 あとは1作品をどれにするか。

 読んでて好みというシンプルな要素でピックアップすれば、色々あるんでしょうけど。

1-02 ドキッ♡ヤクザだらけの異世界転生〜仁義もあるよ〜
1-05 結婚コンサル鳳凰院鏡花、異世界でも令嬢を結婚させます!
1-06 魔女に喝采を、咎人に願いを、望まれぬ貴女に永劫を。
1-12 殉葬妃は蘇る ~今度こそ愛する貴方と生きるために~
1-14 繰り上げで家督を継いだ三男坊、実父に疎まれた妖術使い令嬢を娶る
1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜
1-21 ユピテル09は宇宙を目指す
1-24 今日も猫とともに

 いや、多すぎでしょ。

 書き出し祭りは回を追うごとに、選ぶのが難しくなってきますね。

智子の投票先

1位票:『1-17 黄泉坂学園で生き返りを目指して

 1位票に選ぶことにあまり迷うことはありませんでした。
 主人公が抱えるであろう相方との葛藤。ラスト(生き返ってしまうとか)に至るまでのドラマを十分に期待できるセットアップの作品だったと思います。

2位票:『1-13 亡くした初恋 〜王女が結婚したがらない理由〜

 ラブロマンスのジャンルというのはそうなんですが。やっぱり「期待感」ってすごく大事ですよね。それらを示すための「情報」を撒いたあと「じれじれになっておくれよ」といった「ラブロマンスの種子」がちゃんと撒かれていて、あとは水を注ぐだけ。といった状況のセットアップで十分ですよ。よございました。智子は貴種流離譚が好きなんですよ。

3位票:『1-06 魔女に喝采を、咎人に願いを、望まれぬ貴女に永劫を。

 絶対に智子好みに「内的な課題」モリモリのハイファンタジーじゃないですか。惜しむ所は「ナラティブ」が明確に見えない段階ではある本文でした。しかし、あらすじでどうにか補完してくれたのもあって。ムードはつかめた気がしました。
 他にも投票したい作品はたくさんあったんですが。内的な課題。という面で見た時に強くアピールされた作品に惹かれました。


 選ばなかった作品について。面白いという理屈だけで選び始めると際限なく膨れ上がるので、やっぱり「このあとの展開」で智子好みになりそうなもの達を優先しました。

 ということで、投票先は次の通りです。

第一会場の順位予想

 ここも苦悩を残していきます。

予想過程

 基本的に。一番得票を得られる強い作品ジャンルがあります。

 男性読者も女性読者も取り込める。そういったエンタメ性のある作品が「話題性とともに」人々の目に触れた時に会場の順位に影響があると感じています。

 話題性がある作品は? というと、存在はしました。

 しかし、それが「ノンジャンル」として、広範にわたって「伝播」しうる作品だったか。というと、読み手を選ぶ作品でしたよね。

1-04 こひつじちゃんとおおかみくん~またその手を取れる日を夢に見て~
 この作品とかは。よくよく話題にのぼっていました。書き出し祭りってそもそもですが。
「読まれないと投票に繋がらない」という部分はあります。さらには1-04というのもあって、読み始めた人たちはちゃんとこの作品を触れたと思います。

 強烈な作品ゆえに興味を持たれた方もいるでしょうが。内容が内容なので「独走で一位」というのは難しそうです。しかし、この作品以上に「話題になった作品」があるか。というと、余り浮かばないですね。

 ハイファンタジー作品としての独創性、エンタメ性を兼ね備えた作品としては次の作品でしょうか。

1-06 魔女に喝采を、咎人に願いを、望まれぬ貴女に永劫を。

 しかし、タイトルが「ログライン」を示していないものなので。一般読者の方がタイトルでクリックする誘導が薄いため、話題にのぼりづらい作品だったと思います。

 更には「騎士団長」という存在をヒーローに据えていることから。セットアップ自体が女性向け作品を流用しているにもかかわらず、タイトルにその向きの情報がないため。女性読者の誘導に失敗していると思います。

 女性向けハイファンタジーを読み込んでる人たちは、セットアップからなにから、強い魅力を感じられる作品だと思っています。

 ジャンルもバラけていましたし、票も相当割れそうだな。という感じです。予想が難しいですが。智子フルスイングします。

 検討してみます。まずはタイトル一覧で眺めて「タイトルでジャンルがはっきりしている」作品だけ考えてみます。

1-01 多分これが一番早いと思います〜妹の安全が第一なので急いで魔王を討伐しました〜
1-02 ドキッ♡ヤクザだらけの異世界転生〜仁義もあるよ〜
1-05 結婚コンサル鳳凰院鏡花、異世界でも令嬢を結婚させます!
1-07 ピンク髪の男爵『令息』の俺、なぜか女装して王子を陥落する羽目になったのですが?
1-12 殉葬妃は蘇る ~今度こそ愛する貴方と生きるために~
1-13 亡くした初恋 〜王女が結婚したがらない理由〜
1-14 繰り上げで家督を継いだ三男坊、実父に疎まれた妖術使い令嬢を娶る
1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜
1-22 どうも、影の薄いモブ令息です。今から婚約破棄現場に突っ込もうと思います。

 上記の作品の中で「ノンジャンル」として期待できる作品を並べてみます。

1-01 多分これが一番早いと思います〜妹の安全が第一なので急いで魔王を討伐しました〜
1-02 ドキッ♡ヤクザだらけの異世界転生〜仁義もあるよ〜(どちらかというと、男性向け)
1-05 結婚コンサル鳳凰院鏡花、異世界でも令嬢を結婚させます!(どちらかというと、男性向け)
1-14 繰り上げで家督を継いだ三男坊、実父に疎まれた妖術使い令嬢を娶る(どちらかというと、男性向け)
1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜

 この作品群のなかで、一番考えたいのは。

1-05 結婚コンサル鳳凰院鏡花、異世界でも令嬢を結婚させます!

 は、女性向け作品としての「皮」はあるんですが。容姿であったり、発言に問題がある「令嬢」の婚活をサポートする。といった性質からして。
「男性向き」の「冷笑」的なターゲット設定があるんですよね。よって、この設定が「女性読者にどう受け止められるか?」という部分はいくらかありそうです。「創作物だし」と割り切って楽しめない人が離れるとは思うんですが。
 どうだろうなぁ。予想し辛い! めたくそ面白かったんですけどね。その楽しみ方自体が「男性的視点」に近いのは自覚しておきたいですよね。

 決めた。決めました。

智子の予想する第一会場の順位

1位:『1-01 多分これが一番早いと思います〜妹の安全が第一なので急いで魔王を討伐しました〜

 基本的にファースト10すべてを埋めていて、タイトルとあらすじで示したログラインへの期待感を適切に高めた作品です。
 位置的に「多くの人が読む」というバフもあるし。タイトルとあらすじで示した期待感も満たした。
 魔王と勇者というエンタメコンテンツとしての時流にも乗っていて、男性向け女性向けにかかわらず得票が期待できると考えます。

2位:『1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜

 タイトルでループものであることは十分期待出来ました。そして、それを 満たす本文であること。迫ってくる外的な課題を提示もできました。そして、それに「どのように対処し続けるのか?」というナラティブまで示すことができた秀作です。惜しむ所は、最後の最後に「方向性を固めるため」ヘイト管理されたキャラクターの登場はちょっと唐突感がありましたが。概ね全体の期待感にも+したと思います。皆大好きなループものです。

3位:『1-14 繰り上げで家督を継いだ三男坊、実父に疎まれた妖術使い令嬢を娶る

 男性向け作品としての期待感のあるヒーロー設定。女性向け作品として期待される「有能な女性像」の表し方など。男性読者及び女性読者の獲得に対して意欲的な作品でした。

 この姿勢が成功して、得票につながるものだと予想しています。


第二会場の投票

 選び取るまでの苦悩を残します。

選好過程

 外的な課題と内的な課題が両立した作品

2-14 虐げられた王の生まれ変わりと白銀の騎士
2-24 ガール・ミーツ・ミート

 この二つは外せないでしょ。2-24はすでに「素直さ」によって、突破しちゃいそうですけど。彼女自身の課題を「両親が危惧」してというのは導入として好きですね。

 あと一つを選ぶとしたら。うーん。どれにしましょうかね。あとはもう純然たる好みで選ぶ事になりそうですねぇ。

 2-03 智の煉獄へようこそ ~僕は魔女の伴侶となった~
 2-20 ミーミル、歯を食いしばって
 2-23 鉄錆のモビーディック

 この三つの中からどれかでしょうかね。

 決めました。

智子の投票先

1位票:『2-14 虐げられた王の生まれ変わりと白銀の騎士

 良いじゃない。好きなんだから。正直なところを申し上げると「ネット上では受けないだろうな」とは思います。思いますが。メンターヒーローが大好きなんですよね。かつて救われたヒーローが。メンターとなって、主人公の前に現れるんですよ。
 最高のムーブでしょ!? わかってるんですよ。智子には「この作品の今後やろうとしていること。主人公がどんな傷を癒やしていくのか。そして、その癒やし手にメンターとしてタリダスが活躍すること」をめっちゃんこ期待しています。
 だけどほら。エンタメ小説界隈で、性被害とか。ネグレクトとかねぇ。読者選ぶネタではあろうかと思います。だけど、私の中では一番よ!


2位票:『2-24 ガール・ミーツ・ミート

 ご両親の英断! 彼女の課題! 自分磨きしなくっちゃ!
 最高の書き出しでした。エンタメコンテンツとして見た時に、高い水準で練り上げられた作品です。「決め台詞」みたいなものを用意していることは印象にも強く残りますよね。
 まだ、作品全体の「物語」としての情報は少ない段階です。だけど、皆「主人公が大好き」になった作品です。彼女がどんな成長をしてくれるのか。強い興味をもって追いかけたい作品です。

3位票:『2-20 ミーミル、歯を食いしばって

 悩みましたが。ミーミルの話題としました。基本的にコメディ作品であるため「智子が好みとする内的な課題、キャラクターとしての成長や葛藤」を満たすこと自体は優先されないジャンルです。面白かった。という部分で他の候補をなぎ倒して、投票です。
 よかったな。というのが主人公が団長への好意を示す。という設定が「憎たらしいショタとの男女バディもの」としてのムードをかっちり固めてくれました。主人公は「団長の元に戻るために頑張る!」という「有能な女性軍人」としてのキャラクターの固め方も好印象に繋がりました。

 ということで、次の通り投票しました。


第二会場の順位予想

 ここも苦悩を残していきます。

予想過程

 第一会場と同じように予想をしていきます。ターゲットが限定されない。かつ、タイトルからログラインが分かる作品であること。などから考えてみたいんですが。
 実は第二会場はそんなに長文タイトルありませんからね。

 難しそうです。

 検討してみます。まずはタイトル一覧で眺めて「タイトルでジャンルがはっきりしている」作品だけ考えてみます。

2-01 シナスタジアの聖女、今日も最前線を征く
2-02 公爵令嬢はバックレる
2-03 智の煉獄へようこそ ~僕は魔女の伴侶となった~
2-05 虚界本紀 機神サカトケ
2-06 勇者でしかなかった女は、孤独な魔王と結ばれない
2-07 ヒロイン推しだったはずが、努力系悪役令嬢に一目惚れしてしまいました……
2-10 幼馴染のはだか、見えちゃうんですけど
2-11 鬼神と、その妻 ~滅びゆく王国に忠義を尽くす英雄とその愛妻が非業の死を遂げるまで
2-13 島流しされた濡れ衣令嬢、絶海の孤島で赤竜と出会う。
2-19 自称カミサマと往くVRMMO終末紀行
2-20 ミーミル、歯を食いしばって
2-21 人工魔女
2-24 ガール・ミーツ・ミート

 更に上記の作品群から「男性向けかつ女性向け」にもいけるセットアップ作品をピックアップしましょう。

2-03 智の煉獄へようこそ ~僕は魔女の伴侶となった~(ノンジャンルに近いが、どちらかというと男性向けのキャラ文芸)
2-19 自称カミサマと往くVRMMO終末紀行
2-20 ミーミル、歯を食いしばって
2-24 ガール・ミーツ・ミート

 ある程度絞れましたね。予想していきます。
 決めました。

智子の予想する第二会場の順位

1位:『2-20 ミーミル、歯を食いしばって

 キャラの立て方が「有能な女性軍人」という設定が、女性読者の取り込みに十分な効果を発揮しつつ、コメディ作品としてのナラティブを発揮できた作品です。
 現代のエンタメコンテンツは「男性も女性も取り込める形式のキャラ建て」が強みとなる部分だとは思います。タイトルからも「コメディ」だよね。というのは十分に期待できる作品であることから、読者の誘導から投票まで十分な効果を保った作品だと予想します。

2位:『2-03 智の煉獄へようこそ ~僕は魔女の伴侶となった~

 サブタイトルによる「魔女の伴侶」という案内が秀逸だと思います。一応のラブロマンスの期待感等も含めて、誘導が成功した作品です。現代ドラマとしてのジャンル自体が第二会場で突出している感はあるので、票を集めると予想しています。

3位:『2-24 ガール・ミーツ・ミート

 贔屓目なしです。智子は2位投票しましたが。
 タイトルから「ボーイ・ミーツ・ガール」のもじりであることは理解できますし、そういった期待感のもと読みに来た方々はがっちりつかめた冒頭だったと思います。

 タイトルからの誘導って大事だなぁ。と並んでいる作品達を眺めながら感じました。

第三会場の投票

 選び取るまでの苦悩を残します。

 ここは一番最初に読みに来た場所ですからね。色々悩みそうです。

選好過程

 外的な課題と内的な課題が両立した作品

 ありません。ありませんというと、語弊があるんですが。それを汲み取れる段階まで書いた書き出しは「ありません」という意味です。

 期待できる情報量を満たしてはいないんですが。取り扱うだろうなぁ。と期待できるまではあるんですよねぇ。

3-02 神の庭に住むこどもたち
3-03 月は七色、剣と踊れ

 この二作はそれっぽくも見えるんですが。課題の方向性が見えてこないままで引いたので「智子が期待する展開」になるかよくわからない感じで終わっちゃいました。

 ということで、ただただ。

 好みで選んでいきましょうかね。

3-05 その竜は、人間を知りたいと思った
3-10 拝啓 義母様、私、代理の復讐に参りたいと思います (おねショタが好きなんだよ!)
3-12 犬と香りとイノベーション!
3-16 引きこもり魔法少女の異世界放浪記
3-17 これから僕が一生かけて、君を殺す物語。
3-20 時待町の交差点
3-21 DOSUKOI! ~安政四年の黒船力士~
3-23 明日への扉 〜救世主は、10年後の『私』たち〜

この中で選んでいきますか。

智子の投票先

1位:『3-23 明日への扉 〜救世主は、10年後の『私』たち〜

 能力の設定自体が非常に魅力的な作品でした。未来の自分が助けに来る。最高の設定ですよね。物語性に満ちている。強い興味を持って読める作品でした。基本的に智子が絶賛する作品は伸びないというジンクスがあるんですが。この作品は伸びるんじゃないかなぁ。と思っています。

2位:『3-21 DOSUKOI! ~安政四年の黒船力士~

 面白かったですからね。歴史もの嫌いってわけじゃないですよ。面白い読み物は好きです。で、面白かったです。
 やっぱり、タイトルからジャンルも確定しているのが安心した読み味になりました。
 どんな力士が飛び出してくるんでしょうね。

3位:『3-12 犬と香りとイノベーション!

 エンタメコンテンツとして面白みを煮詰めてきた書き出しだと思いました。決め台詞って大事ですからね。不安要素としては「イノベーション」とまで言ってのけるので、読者の期待値が高まりまくる作品だと思います。業界の新機軸になれるほどの大活躍を期待しています。

 というわけで、次の通り投票しました。


第三会場の順位予想

 ここも苦悩を残していきます。

予想過程

 第一会場と同じように予想をしていきます。ターゲットが限定されない作品、かつ、タイトルからログラインが分かる作品であること。

 検討してみます。まずはタイトル一覧で眺めて「タイトルでジャンルがはっきりしている」作品だけ考えてみます。

 絞ろうとしたんですけど。ほとんど絞れませんでした。うーん。ここで絞るのは無理だと思うので、次の要素で絞ります。

 男性向けにも女性向けにも、期待できる作品としての読後感で選びます。

3-01 モリアーティの系譜
3-02 神の庭に住むこどもたち
3-03 月は七色、剣と踊れ
3-05 その竜は、人間を知りたいと思った
3-07 僻地コンビニの雇われ宇宙人店長はKawaii原生生物が好き
3-08  翠玉の事件簿 〜魔導人形は見た! 欠けた遺体の真実〜
3-09 ちょっとお祈りメールに喧嘩売ってくる
3-11 天王町の不思議現象、解決します!
3-12 犬と香りとイノベーション!
3-14 いつかの春へ、ドアが続くなら。
3-16 引きこもり魔法少女の異世界放浪記
3-18 知らないはずの君にまた恋をする
3-20 時待町の交差点
3-21 DOSUKOI! ~安政四年の黒船力士~
3-22 箱の中の二人、或いは不確定未来のカサンドラ
3-23 明日への扉 〜救世主は、10年後の『私』たち〜

 この中で、タイトルからジャンルへの訴求性が高いもの。

3-05 その竜は、人間を知りたいと思った
3-16 引きこもり魔法少女の異世界放浪記
3-22 箱の中の二人、或いは不確定未来のカサンドラ
3-23 明日への扉 〜救世主は、10年後の『私』たち〜 

 この三つかなぁ。一般読者に届くもので考えたら……決まりました。

智子の予想する第三会場の順位

1位票:『3-23 明日への扉 〜救世主は、10年後の『私』たち〜

 独走だと思います。ぶっちぎり会場一位じゃないでしょうか。
 タイトルでジャンルも分かるし、読後感もタイトルの期待から損なわない。このまま、書籍化企画が進行してても不思議じゃありません。会場一位の首級をあげてください。

2位票:『3-16 引きこもり魔法少女の異世界放浪記

 魔法少女×異世界という設定の強みがちゃんとタイトルにあらわれているので、この点で読者の多くを引き込むことができた作品であり、その期待やムードを適切に示せた書き出しだったと思います。

 書き出しとあらすじで「読みたい」と思わせたものを「読ませる」といった、力に溢れた作品でした。

3位票:『3-05 その竜は、人間を知りたいと思った

 一般のエンタメコンテンツを嗜好する人々が現在好んでいる設定が満載の作品です。だけど、惜しい所は「タイトル」でそれらの要素は見えてこないので、多くのターゲットを逃していそうです。
 もっと広まれば、会場一位になっていてもおかしくない作品じゃないかなぁ。と予想しています。

第四会場の投票

 選び取るまでの苦悩を残します。

選好過程

 外的な課題と内的な課題が両立した作品

4-13 冒険者ギルド『アメジスティア』は生前葬を推奨します

 この一作でしょうか。この場合はちょっと亜流ではあるんですよね。カタリストヒーロー的要素なので、主人公の内的な課題の成長とかじゃないんですが。のじゃロリに心打たれました。

 上記の一作は迷うことなく推しとしましょう。

 あと、二作を選んでいきますね。

 あとはもうこういうのは好みっすよ。ええ。

 4-03 愛は不要なので結婚しましょう
 4-11 潜入! オギャり学園! ~最強のママ兵器育成計画を阻止せよ~(ママ呼んでこい!!!!)
 4-17 うたかたのアンドロイド
 4-19 没落聖女 GO TO HEEEEEEELL!!!!
 4-20 数秒程しか全力を出せないお侍様とスパイやります
 4-24 失せ物探しの明石さん

 どうしましょうかね。設定というか。キャラクターのセットアップで好みなのは『4-17 うたかたのアンドロイド』なんですよね。ロボットの愛の話題に。うたかた。という名前から悲劇を予想してしまう。ゾクゾクします。連載してくれたら読みに行くんですけどねぇ。
 しかし、主人公の少年が抱える葛藤や課題について、まだ全体的に見えてこない不安感があります。SFって難しいですねぇ。

 爆発的に楽しかった。面白かった作品で選んでみるなら。

4-11 潜入! オギャり学園! ~最強のママ兵器育成計画を阻止せよ~
4-19 没落聖女 GO TO HEEEEEEELL!!!!
4-20 数秒程しか全力を出せないお侍様とスパイやります
 の3作でしょうか。

 だけどあぶれるんですよね。

 ハイファンタジー作品として興味があるのは『4-03 愛は不要なので結婚しましょう』ですよね。

 安定感があるのは『4-24 失せ物探しの明石さん』かなぁ。

 決めますわ。

智子の投票先

1位票:『4-13 冒険者ギルド『アメジスティア』は生前葬を推奨します

 ここはあんまり迷うことはなかったです。異世界ファンタジーの世界観で、のじゃロリを相手にドラマをやる。もう、深々と智子が食らいつきました。のじゃロリだからってわけじゃないんですけどね。ええ。うん。
 期待しています。生き返らせる? 本当に? のじゃロリ救われる? トンチじゃ駄目だよ! のじゃロリ救ってね!

2位票:『4-03 愛は不要なので結婚しましょう

 走り出しとしては、独特な世界観とムードだとは思いました。ラブロマンスの方向性が見えてこないことはジャンルとしては不安感があるんですが。ハイファンタジーの作品として見たときには、高い期待感が持てる進行だったと思います。おそらくですが「女性向け作品」として期待した読者達からは、思ったような反応が帰ってこないんじゃないかな。と思っています。

3位票:『4-24 失せ物探しの明石さん

 月九みたいなドラマ感の作品でした。惜しい所が「まだ今後どんなナラティブ」なのかは見えてこない感じでした。そこの誘導まではっきりされてたら、もっと高い期待値で眺めることができたかもしれません。

 連載頑張っていただきたいです。

ということで、投票は次の通りです。

第四会場の順位予想

 ここも苦悩を残していきます。

予想過程

 第一会場と同じように予想をしていきます。ターゲットが限定されない作品、かつ、タイトルからログラインが分かる作品であること。

 検討してみます。まずはタイトル一覧で眺めて「タイトルでジャンルがはっきりしている」作品だけ考えてみます。

4-03 愛は不要なので結婚しましょう
4-04 公爵夫人は離婚したい。〜もちろん親権は私が貰います〜
4-08 転生女神に惚れました。
4-09 ローション・ファンタジー ~不肖・ナカジマのすべらない話~
4-13 冒険者ギルド『アメジスティア』は生前葬を推奨します
4-15 鳳凰の止まり木に茜さす頃~育てた雛鳥があやかしで溺愛されるなんて聞いてません!~
4-19 没落聖女 GO TO HEEEEEEELL!!!!
4-24 失せ物探しの明石さん
4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~

 結構絞れましたね。

 次は、男性向けにも女性向けにも、期待できる作品としての読後感で選びます。

4-13 冒険者ギルド『アメジスティア』は生前葬を推奨します
4-19 没落聖女 GO TO HEEEEEEELL!!!!
4-24 失せ物探しの明石さん
4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~

 ここも結構絞れました。

4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~』については、読んでみたら分かるんですが。「百合」ジャンルのそれと、ヒーローからの求愛といった形で。GLとNLの両取りをしている作品です。タイトルからは「GL」ジャンルとしての選好があり、タイトルの形式からは「女性向け作品」としての選好があります。

 ある程度、イメージはつきましたか。予想していきます。

智子の予想する第四会場の順位

1位:『4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~

 上でも書いたんですが。どっちの読者ターゲットにも訴求できるように、ナラティブを二つ用意してきた作品です。GLとNLの二つをジャンルとしてアピールしています。
 今後どんな展開になるのか。というと、それはさじ加減にはなるんでしょうが。ジャンルを二つ掛け合わせる。という方法で読者への期待値を高めた作品です。タイトルからもどちらのターゲットにも届く作品だと思います。

2位:『4-13 冒険者ギルド『アメジスティア』は生前葬を推奨します

 タイトルから「異世界ファンタジー」であることは十分理解できますし。冒険者ギルド等の名称もその期待感を高めてくれました。
 さらにはフックとなる「生前葬」という新規性をもって、読者の興味を惹きました。
 本文についても、生前葬に関する「読者の興味」を満たしつつ、課題が展開する。といった形で十分な読後感でした。タイトルで興味を持った人たちは満足したと思います。

3位:『4-19 没落聖女 GO TO HEEEEEEELL!!!!

 TS作品です。ギャグ・コメディとして楽しむタイプの作品です。タイトルからしてコメディであることは十分に伝わるし、聖女という文言から「異世界ファンタジー」としてのそれであることも事前の期待値に加味されました。

 そこそこ票が集まると思います。

まとめ

 皆さんはどの作品に投票しましたか?

 皆さんが「この作品を応援するんだ。この作品が面白かった!」と自信を持って、投票する時。その作品を友だちに、家族にどんな風にプレゼンするでしょうか?

 そういった力のある。作品の道を示した作品が読者を獲得する。再現性のある技術として、参考にできる作品なのかもしれません。

 今回も多くの学びのある祭りでした。今回も楽しかったです。

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