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第18回書き出し祭り:智子の投票先及び各会場の順位予想

 表題の通りです。

 私の投票先とは別に「票を集めるだろう」と推測される作品を予想します。自作の好みと世間の評価がある程度乖離していると気づいてきました。訓練です。

 各々の作品の感想については別の記事にて取り扱っております。興味がある方はご覧になってみてください。

 

感想のあれこれ

 いつものことですが。今回も書き出し祭りの感想の性質等について話題に上っていました。いろんな方々の感想への持論等が述べられておりましたので、私も何かしら「感想」というコンテンツについて考えてみようと思います。

ネガティブな感想について

 雉も鳴かずば撃たれまいという言葉があります。

キジ鳴くことがなかったら猟師気づかれ撃たれることもないだろうにという意味表現転じて無用なことを言わなければよいのに、無用なことを言ったばかりに災難被っている、といった意味合い用いられる言い回し

キジも鳴かずば撃たれまい

 一番良いのは。言葉を濁すことでしょうか。
 人の心に刺さる様な激した言葉を使わず、当たり障りの無いことを伝え、良いところのみを触れていく。それで大体はうまくいきます。

 自身が感じたことは言葉にせず、内に秘めて、自身の力として蓄える。実はそれが一番安全なやり方です。

 なにかネガティブな感想を述べた時。それを元にどんな炎上が起きるのか。現代社会では想像がつかないほどの広がり方をします。

 その発言の責任を持つことを求められるのは発言者本人です。ネガティブな話題は口にせず、いつもにこにこ過ごしておく。自身の本の売上やブランドイメージのためにも「言わずにおくべきこと」はお口に二重にチャックをして、秘匿する。

 これが現代のネットリテラシーです。

 この状況を前提とした上でなお。感想を残している書籍化作家の先生に敬服しています。

 書籍化作家として重責を背負い、執筆活動を行っている書籍化作家の皆さんがご自身の看板を掲げながら、感想を残している姿を見ると「私もああいう風に責任をもった作家になろう」と意気込んでおります。

 感想を残す上でも、緩衝材となるような前提を付したりすることがあります。「否定的な感想」を述べた時にそれらの言説への捕捉を必要とすることがままありますが。多くの人々はその捕捉を読みません。

 私が今書いているこの感想についての段落も多くの人は読まないでしょう(もしも読んだ方がいれば、智子のツイートのリプライに皆さんの好きな食べ物でも教えてください。智子は唐揚げが好きです。粉がダマになるようなものをあげてカリカリにしています)

 否定的な感想を持った人が「マイナス」と評価した要素は「そのジャンルを選好した人々にとってはプラス」となる要素もままあります。

 家父長制バチバチのマチズモに満ちた評価者はリベラルな思想に準じた作品のキャラクターを批判的に見るでしょうし、その逆もまた然りです。

 書き出し祭りにかぎらず、エンタメ作品を製作する人々が一番大事に考えるべきことは「ターゲットのために書いているのか?」ということを忘れずにあることが大事です。

 あなたの作品は特定のジャンルを好む読者のため。
 あなたの作品はあなた自身が望む世界やあり方を表現するため。

 どんな構えでも良いのです。どちらかというと、智子は「後者」に寄せてしまっている書き手なので、意識して前者に寄せようとしていますが。自分のジャンルはどこにあるのか。それも最近は迷子です。楽しいからいいんですけどね。とは言いながらも、こんな風に「書き手が楽しけりゃいいぜ」といったスタイルのときは「一般の読者」の方々が「楽しい」と思う要素と乖離していくことが多々あります。ええ、今の智子がそれです。

 今回の感想というコンテンツについてですが。

「不特定多数」の人々のネガティブな感想については「違う畑の方ないし違う創作のルーツ」を持っている方なのだなぁ。位に思っておくのが健康的かと思います。

 私も感想の中で、今までの人生で触れてきたジャンル等についてはある程度明言していますし、感想を作成している智子のバックボーンも明示しているつもりです。

 私は少々特殊な立ち位置であるため、社会への態度や、誠実さに疑問を持たれることもままありますが。ここを明らかにしておくことで、感想を読んだ方の慰めにもなるだろうか。という考えもありました。

 ネガティブな感想については、感想の作成者自体に「その作品を楽しむ受容体がなかった」と考えましょう。実際にあなたがその作品を「面白い」と思って書いたのですから。どこかの創作の畑として、あなたは育ったのです。

 あなたが自信をなくす必要はありません。
 創作をする上で耳を傾けた方が良い相手というのは「同じジャンルに知悉している書き手」ないし「読者」の意見は敏感に感じ取る必要がありますが。
 書き出し祭りのように「多くのジャンルの人々」が集う中での感想は「そのジャンルで、読者の期待に応えられるか。自身のジャンルに組み込めるか?」というのは慎重になるべきかと思います。

 そのジャンルの専門家はあなたであるし、あなたの作品に責任と利益を持つのはあなた自身だからです。

智子なりにつかんだ書き出しのコツ

 書き出し祭りで伸びる冒頭の作品の技術というのは、他の公募作品ないしweb小説にかぎらず、多くの物語で期待される力だと思います。

 そして、それらの力はエンタメ作品全体での業界としてのノウハウになりうる蓄積を間近で見ているように感じます。

 この技術を感覚的に理解し、説明する方法があります。

「書き出しの情報だけで友達にプレゼンできるか?」

 作品の始まりでムードを示し、今後の展開を約束するシーンまで描けた作品は他の作品よりも一つ飛び抜けた印象になります。このことを他の方も感想で触れていました。書き出し祭りのタグは無かったので、引用は控えますが。

「書き出しだけでログラインが見える作品は強い」

 この意見にすべて集約されると思いました。

現代社会における作品の消費速度の速さ

 私は時々忘れそうになります。寝る間も惜しんで、心をすり減らしながら働いていた時期も経験もあるというのに、あの時の日々擦り切れていく様な生活を忘れそうになります。

 今は、環境に恵まれ、私の夢を応援してくれる人もいます。そして、それに力を割くことも許されています。

 だから、時々忘れてしまいそうになります。

 多くの人々は私のように暇人ではなくて「親として」「学生として」「部下を抱える責任ある立場として」「何かの仕事を支える重要な人材として」多くの人々はあります。

 私のように暇人はそうおらんでしょう。

 その様な忙しい社会の中で「つまらないかもしれない作品」に時間を割ける人はそう多くありません。

「いや、私の作品は面白いよ?」

 そうでしょうとも。あなたの作品は面白いでしょう。だって、あなたがその作品の今後の展開をご存知なのでしょうから。絶対に面白いのです。そして、その面白さを「約束してくれる」冒頭でないと、読者はそれについていくことは難しいのです。

 そして、その「今後の面白さを約束してくれる」技術が詰まった作品が書き出し祭りの上位の作品として登場するだろうと予想しています。

 長い前置きになりましたが。以下の通り、投票に関しての記事を残していきます。

智子の評価基準

 こんな事を申し上げると「なんて、上から目線の嫌な奴なんじゃ! 不快な奴じゃ!」とお叱りの言葉を頂戴しそうです。

 詳説を許すならば。

 それは書き出しによって、作品全体のムードを示し、作品を通してどの様な感情や展開を約束(もちろん裏切っていいんですが。読者に予想させてくれる)してくれるのかを明らかにしている作品。

 この要件を満たした上で「登場するメインキャラクターには外的な課題と内的な課題」が両立している作品。

 がドンピシャで好みです。

 そういったものを私は好むのですが。世間一般では「内的な課題」の提示より、「外的な課題」の打破に係る能力や方法を示すことを優先した作品の方が反応が良好な傾向があります。そういった領域で色々と考えてみようと思います。

投票先の選好の経過

 事前に申し上げた通りの「外的な課題」と「内的な課題」の両立という部分を達成した。もしくは感じ取れた作品を並べます。

第一会場では1作品

1-23 呪われた天使に口付けを~幼馴染を助けるために運命の番(つがい)を探します~


第2会場では2作品

2-16 魔王の末裔は奸臣の孫に嫁ぐ

2-23 どうか私達の仮面をはがさないで


第三会場では2作品

3-11 妖刀 益荒男

3-21 海と令嬢と株式会社 ~島流しにされた令嬢のお魚天国~


第四会場では1作品

4-25 夜の新宿、温めますか?


 とまあ、こういったように作品はすんなり選べました。外的な課題と内的な課題のバランスが取れた作品は選ぶ上でためらいは持たなかったです。

 問題はそれ以外の作品をどのように選ぶのか。そこらも踏まえて、各会場の投票を整理していきます。

第一会場

智子の投票先

1位票:『1-23 呪われた天使に口付けを~幼馴染を助けるために運命の番(つがい)を探します~

 良い作品だったと思います。第一会場の中で「外的な課題」と「内的な課題」の両立及び「外的な課題へのビジュアル」がよく噛み合った作品でした。

「馬にされた幼馴染を助けるために、駆けずり回る天使の物語」

 良い作品は「人に紹介する時に言語化しやすい」と思います。その伝播しやすさこそが、噂にもなりますし、印象にもなります。

 物語は「呪いを解く」という目標を示しながら、その最中に二人の関係性が縮まることを期待させてくれたラブロマンス作品であることを「確定」したことは作品として大きな強みでした。

2位票:『1-02 絶対正義が異界を裁く

 設定から類推するに「おそらく、智子が好みとするドラマ」と相性が良い作品であろう。と予想したからです。「25作品の中で3作品だけ続きが読めるよ。どれにする?」というシンプルな問で並べた時に「推測できたテーマ性に魅力を感じた」作品として残りました。

 主人公の前世や独善的なまでの「正義感」は彼が抱える問題でしょうし、強みでもあるでしょう。これらの「突き抜けたキャラクター性」で売っているアクションものは最近の流行りです。というか、智子の中の流行りなの!

 引用した作品は智子の流行りです!

 惜しむところは、冒頭で作品の方向性は示せたのですが。それらの「突飛なキャラクター性」によって、周囲がどのように翻弄されるのか。そこも魅力の作品だとは思いましたが、そこまで描かれていません。気になる作品でした。

3位票:『1-15 じゃじゃ馬辺境伯夫人の幸せな日々

 もう。物語の構成とか。技術的なこととか。そういうの全部抜きにして。スパダリものが好きな読者なんです。幼いころから姉の少女マンガを読みふけっていたし、中学生になってからは個人サイトの小説を読み漁る小僧だったのです。白夜城のかいとーこ先生の作品をずっと読んでいる小僧でした。純然たる好みの話しです。

 上記の結論から、投票しました。

智子の予想する第一会場の順位

1位:『1-15 じゃじゃ馬辺境伯夫人の幸せな日々

 タイトルとあらすじと本文。それらがすべて一致している作品であり、タイトルで捕捉した読者の票は獲得したと思います。

2位:『1-20 桜子お嬢様は政略結婚相手に俺をご指名です

 男性向けラブコメ作品としてアピールをしていますが。舞台構成自体は女性向け作品のそれを踏襲しています。年明けからの流行りというか。男性向けラブコメ作品の流れを感じ取っているので、その勢いもあって「一般読者」の票が獲得できると予想しています。

3位:『1-03 ポンコツ魔女は終身雇用されたい ~婚約した領主の溺愛は呪いに阻まれる~

 不思議な選好になった。とは自分でも思います。2位と3位予想が「男性向けと女性向け」の舞台装置や期待される単語を組み合わせつつも、作品の雰囲気がミックスされた作品は「一般読者」の票を大きくさらっていくのではないか。と思っています。

第二会場


智子の投票先

1位票:『2-16 魔王の末裔は奸臣の孫に嫁ぐ

 良い作品でした。舞台設定自体は目新しさがありますが、その芯となる部分の「ラブロマンス」を約束した冒頭であるように感じています。感想でも述べたように、主人公には明確な課題がありますし、継母からの疎外等も含めてドアマット系ヒロイン(いや、めっちゃ猛々しいヒロインだけど……)としての側面もあります。ラブロマンスというジャンル自体が読者と共有できる物語体験が大きいので、私以外の票も流れるのではないか。と考えています。

2位票:『2-23 どうか私達の仮面をはがさないで

 この作品も良かったです。ビジュアル(仮面をかぶったアイドル)としてのそれと、今後の物語で剥ぎ取られていくであろう少女たちの「仮面」という物理的にも、精神的にもリンクしている構成の作品は私が常から求めている「外的な課題」と「内的な課題」にもタッチできる良いアプローチでした。一読した時には「こんな方法もあるのか」と驚きました。その驚きのままに続きの作品をどんどん書き上げてほしいと思います。

3位票:『2-10 銃を教鞭に持ち替えたアマゾネス達 ~慈育・慈恩の精神を学び舎へ~

 感想でも述べたところですが。キャラクターのバックボーンや。これから展開されるであろう彼女たちの物語自体に大きな期待を持てた作品です。「すでに出来上がった」両者の関係から、提案されていく「癒やし」を予感させる物語でした。

 しかし、これは明確な向きのある誘導的な描写は存在しません。これは私が読者として「こうなるよね」という程度の予想や、願いのようなものであり、また別の挑戦的なアプローチも期待できる作品だったようには思います。

 まあ、もうここらへんになってくると好みの問題です。退役軍人のパワフルなお姉さん達はどのような物語を展開してくれるのか。非常に興味深く思えた作品でした。

 よって、次のとおり投票しました。

智子の予想する第二会場の順位

1位:『2-16 魔王の末裔は奸臣の孫に嫁ぐ
 ここは揺らがないと考えます。
 書き手からも、一般読者からの票も期待できる作品です。
 魔王とかいう言葉からも一定のミスリードによる「別の畑(ファンタジーを好む読者層)の読者の誘引」も成功したように感じています。
 恋愛ものは普遍的で強いと予想します。
 男性票も女性票も期待できると思っています。個人的には結果が楽しみですね。

2位:『2-05 狂愛ミミックの愛し方

 ビジュアルの面で強いインパクトを与えることができた作品は強いと思います。私は個人的には「今後の展開」に不安をもったので、投票の候補からは惜しくも外しましたが、映像的なインパクトは随一の作品です。タイトルからも愛をテーマとした作品であること。課題を抱えた家族であることなど、作品のムードも示せているので。興味をもった読者の票は獲得したように見ています。

 他にも「愛」等を引き合いとした作品はありましたが、この作品が一番インパクトがありました。一般読者の票も期待できるので2位の予想です。

3位:『2-13 性別転換探偵が救う、壊れた愛の物語~夫を奪った女を男にしました!~

 未だなお、TSの波は期待できると思います。しかし、このTSに絡む「修羅場」に期待した読者の満足感を担保したか。私はしていないと思っていたが、案外票伸ばしそうだなぁ。と読んでいます。TSに「セクシズム」に関連する差別問題を期待する読者ってそんないないと思うんですよね。

 第二会場についてはTwitterでもつぶやいたんですが。

 ある程度、読者も「一般読者」より「書き手」の比率が高まる傾向があると思います。故に一般読者のイメージは捨てて、書き手好みの作品で考えてみようかと思いましたが、それでも「作品のジャンルが広い」となって、右往左往しました。

 一般読者層が多めだという意識のもと、割り切って選びました。

第三会場

智子の投票先

1位票:『3-21 海と令嬢と株式会社 ~島流しにされた令嬢のお魚天国~

 追放令嬢もの。というか、そういった「エンタメ」作品としてのテンプレではあるんですが。それらのテンプレ作品の中から「このような書き手が現れるのだ」という驚嘆と共に読みすすめた作品でした。ぜひ、最後まで書き上げてほしいし、映像的な感性と、キャラクターの心情をつなぎ合わせるその描写の技術は、物語を支える力だと感じました。面白かったです。

2位票:『3-11 妖刀 益荒男

 書き出し祭りの攻略を狙った情報量の作品の一つと感じました。タイトルよりあらすじ、あらすじより本文といったように、展開への情報が少しずつ増大していくのは期待感を高めたように感じます。

 外的な課題と内的な課題の両立とする部分をある程度、ビジュアルで表現できた作品は珍しくありました。惜しむところは「主人公自身がその不能をどのように捉えているのか」という部分を明確にはしなかったので、その方針が投票にどのように左右するのか。分かりづらかったです。

3位票:『3-04 花失致死

 だって、好みなんですもん。いいじゃないですか。好みなんですもん。しかし、一般読者からの票は期待はできないと思います。だけど、この第三会場においては輝きそうな作品です。

 よって、次の通りに投票しました。

智子の予想する第三会場の順位

1位:『3-04 花失致死

 第三会場は読者の母数自体が少なくて、その比率は書き手が多いと読んでいます。

 よって、この作品は「外的な課題」や「明快なアクション」を重視するエンタメ作品を楽しむ一般読者より、書き手としてその技巧やアプローチを称賛する人たちの票が大量に集まると予想しています。

 私の好みとする「内的な課題」のアプローチ優先の作品が注目される会場だと読んでいます。

2位:『3-21 海と令嬢と株式会社 ~島流しにされた令嬢のお魚天国~

 やはり、この作品も技巧にあふれている作品故に注目されそうです。これらのタイトルから「ターゲットとしている一般読者」には注目されづらそうな気がします。故に2位かなぁ。いや、わからんです。ここらへんはたった一人(ええ、智子のです)の一位票でスルッと変わることも珍しくありません。

3位:『3-16 不良のマーヤさんは僕にだけ甘い

 これは「男性向け作品のライトノベル」が昨今の話題という部分もあります。これらの「男性向け」を期待できるようなラブロマンス作品が唯一であったことも予想に影響しています。タイトルやあらすじから期待させてくれた読後感を担保できた作品でした。会場の傾向として「少ない一般読者」の票が集中していそうだと思っています。

第四会場


智子の投票先

1位票:『4-25 夜の新宿、温めますか?

 べらぼうに面白かった作品ですね。内的な課題と外的な課題。主人公を含めた二人が抱える葛藤や、バックボーン等から始まり、それらのバックボーンを元に展開される作品は見事な書き出しでした。序盤に必要とされるであろう要素。作品の「ウリ」を「内的な課題」に据えたことは非常に挑戦的だったと思います。そして、それをぶらさないで「財力」による圧倒的な解決を示したことはエンタメ作品としてのスピード感にあふれています。書き出し祭りの100作品目のトリを飾るに象徴的な技巧に満ちた作品だと感じました。

2位票:『4-16 堕ちたドブネズミ共の『障害』

 私が好む作品の傾向である「外的な課題」に対応する能力の提示は示されなかったのですが。主人公自体が人に強い影響を与えるヒーロー像の提示が印象的でした。ここまで善なる方向性に特化した作品はなかなかなくて、好印象の作品でした。ネズミがどのようにその課題を突破していくのか。それは興味が尽きない作品ですし、本当に続きがあるなら切望したい作品です。

3位票:『4-12 人形姫と呼ばれてましたが流石に疲れたので休暇をください

 好みなんです。癒やしの物語をみんなではやらせてください。誰も悪い人はいないんですよ。そういった物語の着地点を知りたいですし、強く期待しています。彼女はバターの香りを取り戻せますか。力を取り戻した彼女がどの様な変化を周囲に促すのか。続きを書かれるのだとしたら、応援しています。

 よって、次の通り投票しました。

智子の予想する第四会場の順位

1位:『4-25 夜の新宿、温めますか?

 書き出し祭りの作品として非常に高い水準で提案された作品であること。もちろん、この作品に並ぶほどの作品は第四会場にはあるんですが。最後のトリの作品であることもいくらか読者の注目を集める要素ではあったようにも思います。最初に読んでも、最後に読んでも印象は消えない。この作品は票を集めると感じています。

2位:『4-24 多分モテ期だけど何か違くね?

 タイトルから「男性向け」である。と選好できるタイトルがこの作品のみであるので、男性向けラブコメないしラブロマンスを期待する読者の票が集まるんじゃないかな。と予想しています。更には、タイトルから予想し、期待していたラブコメというよりかは、ライト文芸チックなテイストでアプローチするライトノベルでした。この読後感も「ハーレムもの」としては、特殊なアプローチだと思いました。ヒロインがとんでもないキャラクターというのはやっぱ印象が強かったです。

3位:『4-22 Dead or TS:RTA 壊滅辺境伯令嬢の三十二人の兄と弟と未だ最愛のお姫様

 僅差ではないかな。この第四会場では「書き手の技量と熱意」を評価した人がまんべんなく、票を投じているのではないか。とも感じています。読者の傾向もあると思いますし、第四会場にどれだけ「書き手じゃない読者」が参入するか。で、票が割れると見ています。
 一般読者が少なかったら、ひょいっと上位に上ってくるんじゃないでしょうか。私は感想でも述べましたが。「読者を選ぶ作品」であろうかと推察します。そして、それに耐える読者はその性質上「書き手」が多いように思いました。
 さらには「TS」というジャンルを推した際に「TS」を好む読者の選好とは違うアプローチ展開であると予想しています。よって、書き手からの技術的な面での評価が票に強い影響を与えそうです。

まとめ

 以上で第18回書き出し祭りに関連する記事を一通り書き終えました。あとは結果発表を待ち、予想と結果の当たり具合を一喜一憂するだけでしょうか。

 皆さんはどんな作品に投票しましたか?

 皆さんが「この作品を応援するんだ。この作品が面白かった!」と自信を持って、投票する時。その作品を友だちに、家族にどんな風にプレゼンするでしょうか?

 そういった力のある。作品の道を示した作品が読者を獲得する。再現性のある技術として、参考にできる作品なのかもしれません。

 今回も多くの学びのある祭りでした。今回も楽しかったです。

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