技術書典7でモダンFortranに関する本を頒布しました

2019年9月22日(日)に池袋サンシャインシティで開催された技術書典7にサークル参加し,「モダンFortran入門(環境構築編)」を頒布しました.

技術書典7の雰囲気

技術書典7は,サンシャインシティで2階,3階での開催と規模が一段と大きくなり,加えて久しぶりに台風が接近するという予報のなかで,どうなるか読めないと話題になっていました.

始まってみると,前半~中盤は技術書典6の時と同じく,何回かに分かれて波がありました.11時,12時,13時に波が来て,少し落ち着いたかと思うと,30分後くらいにまた波が来る,という感じでした.技術書典6の時と違ったのは,閉会間際でも比較的人が多く,そろそろと荷造りを始めた頃にも何冊か頒布をしました.

結果

持ち込み部数
モダンFortran入門(環境構築編) 50部
Word数式文典 50部
Fortranによる実践オブジェクト指向プログラミング 20部
空力音の直接数値計算を支える技術 20部
改訂版 流体計算で覚えるPython3 50枚(ダウンロードカード)

頒布実績
モダンFortran入門(環境構築編) 43部
Word数式文典 17部
Fortranによる実践オブジェクト指向プログラミング 20部
空力音の直接数値計算を支える技術 20部
改訂版 流体計算で覚えるPython3 53枚(+3は技術書典6の残りを利用)

概ね予想通りでした.Fortranによる実践オブジェクト指向プログラミングは,在庫切れ後に3名から,空力音の直接数値計算を支える技術は1名から問い合わせがありました.これから増刷してBOOTHで頒布します.

予測の根拠

当サークルでは,印刷部数の決定に,当サークルに最適化された独自の予測モデル(経験則ともいう)を用いています.

前提として,流体の数値計算,数値計算プログラミング関係は,技術書典では主流のジャンルではありません.これは一般的な書店での取扱い点数をみても明かです.CAEという分類で見れば,はんままにあさん,GetFEM++さん,今回からオープンCAE学会さんなどが参加されていますが,Fortranを用いてフルスクラッチで作成する内容は他になく,ほぼオンリーワンのサークルです.そのため,規模が大きくなったとしても,比例定数は小さいと考えられます.

過去に学ぶと,当サークルの数値計算関係の同人誌は,新刊で出したときに頒布部数が最大になり,その後はほぼ一定数で推移します.当サークルに限っての事かも知れませんが,サークル被チェック数は頒布部数とほとんど関係がありません(数値計算以外では若干相関があります).したがって,推移の程度を,技術書典の規模や当日の天気,事前のTwitterでの反応を見て決定すれば,大きく外すことはありません.この推移の程度をどう決定するかは,上手く言葉にはできません.

産みの苦しみ

今回は,初めて産みの苦しみを味わいました.当初は,モダンFortran入門という,Fortranの入門書を考えていました.しかしながら,どうにも筆が進みません.夏コミ前から書き始めて,現在150ページほどあるのですが,どうにも形にならないのです.

モダンFortran入門の1章として書いていた内容を切り出して,「モダンFortran入門(環境構築編)」として入稿した後,少し振り返りを行い,モダンFortran入門の執筆は一時中断することにしました.もう少し時間をかけて,構成を固めてから執筆を再開します.

おわりに

主催者・事務局の皆様,素晴らしい場をありがとうございました.階の移動についての意見が散見されますが,技術で克服されるであろうと確信しております.

何百部という部数を持ち込む人気・大手サークルさんを眩しいと思いつつも,当サークルでは,我々に書ける,我々が求める最高の本を書くことに全力を尽くしています.その内容が,少しでもお役に立てばサークル冥利に尽きます.

次回もFortranに関する本になりそうです.確定ではありませんが,「流体計算で覚えるモダンFortran」と「数値計算で鍛えるモダンFortran」になりそうです.これらを執筆しながら,Fortranの入門に必要な項目を洗い出し,構成を固めていきます.CUDA Fortranの本も書きたいのですが,Teslaが高くなってもう手が出ません.PascalやVoltaをぽんっと使わせてくれる人がいると泣いて喜びます.

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