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人を叩くとスッキリするのか?

ヘルパーさんの一人が、
モモちゃんとうまくいっていない。

どのヘルパーさんとも、
うまくいっているとは言いがたいけど、
障害者支援専任の仕事として、
うちを訪れるヘルパーさんは、
モモちゃんの傾向を
ある程度、わかっている。

一般のヘルパーさんは、
やはりモモちゃんに、
戸惑うことが多いみたいだ。

モモちゃんは
キゲンのいいときは可愛い。
これが落とし穴になってしまう。
キゲンの悪い日は、
うかつに近づくと危ないため、
「近づかないでください」
「放っておいてください」と頼むのだけど、
一般のヘルパーさんは、
どうしても気になってしまうみたいだ。

障害者支援専任のヘルパーさんは、
私が
「近づかないでください」
「話しかけないでください」
「放っておいてください」
「モモちゃんから話しかけてきたときだけ、
対応をお願いします」と頼むと、
できるだけそのとおりにしてくれる。
「そのほうがいい場合があるのだ」と、
理解しているからだと思う。
でも、
一般のヘルパーさんは、
「それでは、モモちゃんがかわいそう」と
思ってしまうみたいだ。

最近になって、
ヘルパーさんの一人を
モモちゃんが叩いてしまったことがわかった。

叩くといっても、
モモちゃんはほとんど筋肉がないので、
「ペチ」レベルではあるけれど、
遊び半分の「ペチ」ではなくて、
「このやろう」という顔をした「ペチ」なので、
叩かれたほうはダメージを受けると思う。

モモちゃんがヘルパーさんを叩くのは、
珍しいことじゃないんだけど、
ヘルパーさんが言ったことに、
私は驚いた。

「叩きたいときは、
叩いたら
気が済むんじゃないかと思って」

わあ。
以前は私もそう思っていたかも。

母とモモちゃんは、
叩いたり叩かれたりしていた。
子どものころは、
しつけだった部分も大きいけど、
母が亡くなる前の10年くらいは、
感情をぶつけるのが、
いきすぎて、
手が出てしまっていたようだ。

ケンカしたら、
あとはスッキリみたいな部分も
少しはあったと思う。

でも
それは家族だから成り立つ話。
お仕事をしにきている人を、
モモちゃんが叩いたというのは、
家族のケンカとはちがう。

私の見立てでは、
叩いたモモちゃんも、
傷ついているように思える。

無抵抗な人を
感情的になって叩くということは、
叩くほうも、傷つくし、
叩かれるほうも、傷つく。

そういう、
誰でも当たり前に思えることが、
モモちゃんに関わっていると、
マヒしてくるみたい。

マヒするどころか、
人によっては、
「私が叩かれてあげるのは、モモちゃんのため」
と思っているような感じもある。

無抵抗な人を
感情的になって叩くと、
叩いた本人まで傷つくというのは、
モモちゃんだって、同じだと思う。
叩いた自分を好きになれるかというと、
なれないようだから。

とはいっても、
叩くなと言っても叩くし、
叩かれないでと言っても、
なかなかわかってもらえない。

どうすればいいのかな…

無抵抗な人を
命を奪うほど叩き続けている人は、
世界にもたくさんいるようだ。

命を奪うほど叩いている自分を
好きになれるんだろうか。

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