長編作品を作る上で言わせてはいけない言葉ナンバーワンが「長い」。
作業の合間に思いついたので久しぶりに創作論記事。
裏ではスクリプトが全て完了していて、あとはSDイラストを待ちながら「この場面CGが必要だな」という箇所の作成をしていたりする最中。
協力してもらっているお二人に、
3回にわけてダブカタをプレイしてもらった結果。
一方のメンバーから2回にわたり「長い」という評価をもらってしまった。
以前「日常シーンがつまらなくなる理由」であれだけダメな例を自分で書いておきながら、長いという評価を3回中2回ももらってしまったのだ。
しかも3回目は念押しに長さについて言われてしまったので、作品としてはかなり致命的評価である。
メッセージを受け取った時は軽くショックだったのだが、こうして記事を書いて改めてハイテンションなこのメッセージを読むとちょっと笑ってしまう。
(※この記事を書く許可はいただいております)
長いには全てが込められている
ニコニコ動画をご存じだろうか?
昨今のアニメをニコニコで見ていると、
終わり際にこういったコメントの羅列が流れ始める。
「勝手に終わるな」だ。
長いという評価の逆は短い=「時間が経つのを忘れるぐらい早い」であることは誰しもがわかるだろう。
逆に言えば長いというのは「いつまで経っても進まない」と言う評価を遠まわしに言ったものなのである。
これまたニコニコでアニメを見ていると「体感時間24分」や「懲役24分」「〇〇のアニメに10分わけてやれ」などと言った皮肉が流れる。
少し柔らかくボリュームが凄いという言葉もあるが、個人的にはこういった評価を受けた際にポジティブには受け取ることが出来ない。
今時はyoutubeの動画ですら10分の縛りを超えて長くなってきている。実況者として名高いレトルトやキヨクラスにもなると編集もしていない5~8時間の動画をまるあげしても喜ばれるので、時間の長さとは面白ければ正義なのだ。
作品による時間の概念
1回目の受け渡しの時にプレイ時間が2時間だったそうなのだが、2時間あれば映画ではクライマックスがおわりエンディングが流れる。
そう考えると、2時間の中。映画並みの密度で面白い出来事が起きているか? と問われた時に絶対に起きていないと断言できてしまう。
しかしこれは一般的なエロゲでも同じで、媒体が違うから時間に対する展開速度はいかようにも変わる。
求められてるものが違うからだ。
エロゲで求められるのは主に「可愛い女の子」が最低条件として、「その子がどう主人公と結ばれるか」がもっとも重要になる。
だからこそエロゲは日常も長ければ、本編に入るまでも長くなりがち。
必要だから入れている。
その尺を「長い」と言わせないのがライターの仕事。
時間の長さは色んなことでカバーできる
キャラの可愛さ=お気に入りのキャラがいればずっと見ていたい
掛け合いの面白さ=ギャグが面白ければ時間を感じさせない
世界観の深さ=こんな場所に行ってみたいと思わせれば現実逃避ができる
ストーリーの面白さ=気づけば時間が経っていたと思わせるエンタメ力
などなど、1つでもクリティカルするものがあれば、時間の長さなんてのはいくらでもカバーできるはずなのだ。
しかし、長いという評価を得てしまうと、そのどれもが中途半端。あるいは刺さっていなかったことの証明になってしまう。
ある意味「ギャグが寒い」や「キャラがうざい」などの直接的表現よりもよっぽど残酷な評価が「長い」なのである。
ギャグが寒かろうがキャラがうざかろうが、そこには時間を無駄にしているニュアンスは含まれないが、長いにはいろんなネガティブな印象が積み重なった上での「早く終わんねぇかなぁ」という簡潔さがある。
エロゲで早く終わんねぇかなぁ、なんて印象を与えたらもうそれはライターとしては引退ものだ。
まとめ
ここまで「長い」というちょっとした一言に色々と考察を述べてきたが、
作品に対して勝手に考察を広げていくことを皮肉った有名な画像がある。
つまり今回の考察も全部作者が受け取ったまったくの的外れな見解で、実はそこまでネガティブな意味ではなかった可能性もあるわけだ。
ゲーム制作をしていて、作品を公開すると色んな意見をもらうことになる。(もちろんそれだけ広まればの話だが)
それによってネガティブな意見ほど目につきやすく、ちょっとした意見なんだけどどうしても気になってしまう。そんな作者は珍しくもないはずだ。
しかし、結局のところ感想を書いた人の真意がわからなければ、作者が勝手に空回りして解釈しただけに終わってしまう。
それだけならまだしも、1つの意見に右往左往してしまい、いろいろ改変した結果悪くなることだってあるだろう。
今回の記事の〆としては自分自身にも、
そしてこの記事を読んでいる人にも言っておきたい。
では皆さん。ダブルカタルシスEP1「なっげぇ!!!!!」ので、公開されたら怖い物見たさでぜひともプレイしてみてください
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