ただの366日目

1年の締めくくりに、世間は張り切っている。

テレビでは長時間の生放送や特番、お茶の間では久々に揃う家族を労うように、キッチンから慌ただしい音が聞こえる。

コロナ禍でどんよりした1年の中でも、日本全体が少し明るく、楽しい時間になっている気がした。

それがしんどかった。

漂う陽の雰囲気に飲み込まれそうな自分が怖かった。

これでまた1年が終わってしまう。

SNSに溢れる『2021年の振り返り』には、中身のあるようでない平凡な出来事を時間列で並べているだけだった。

結局自分はこの1年、何も変わらなかった。

やりたいことを成し遂げられなかった。

それと比例するように、テレビやYouTubeなどのメディアの中は忙しなく変化が続いた。

自分は一体何をやっているんだ。

平凡から逃げ出したいという贅沢な想いは、今後どうなっていくのだろうか。

年明けへのカウントダウンと共に、気持ちが焦っていくばかりだった。

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