怖い話「ちぇけちぇけむーん」
最初に謝っておきます。鳥居みゆきさん、ごめんなさい。。。
僕には霊感はないし、幽霊をみたことは無いけれど変な体験はよくします。
今日はそのうちの一つを書いていこうと思います。
『ちぇけちぇけむーん』
これは僕が大学生の時に実際に体験した話である。
当時僕はA子という同じ大学に通っていた子と付き合っていた。
僕もA子もアルバイトをしていて、終わってから会うのが多かった。
そのためその時間帯に空いてるお店がほとんどなく、ドライブデートがお決まりだった。
その日、A子は早くバイトが終わって帰宅していて、僕が家まで迎えに行きコンビニでおにぎりを買ってドライブに出かけた。
その時すでに夜中の12時を過ぎていたため、A子の家の近くにあるZ岬へ行くことにした。そこは観光スポットでもあり、飲食店、お土産屋さん、ホテル、ビーチもある。
まぁ時間帯が時間帯なのでどこも空いてないが。
でも晴れた日は星がとても綺麗で2人のお気に入りの場所だった。
その日はA子が運転を代わってくれてそのZ岬へ向かっていた。車の中でおにぎりを食べながら共通の友達のとっておきの面白い話をした。この話をすると100%皆んな腹を抱えて笑ってくれる。
だが、運転しているA子を見るとちっとも笑っていない。面白くないなら面白くないで何かしらの反応があってもいいのに全くの無表情だった。
「面白くなかった?」と聞くと、「あぁ、ごめん。聞いてなかった。」と返事が返ってきた。
なんかその後変な感じになっちゃって、その日はそのまま降りないで駐車場をぐるっと回って帰ることにした。
ちょうどZ岬を出て10分くらい経った頃、
ずっと黙っていたA子が口をひらいた。
A子「さっきごめんね。」
僕 「何が?」
A子「せっかく面白い話してくれたのに。ち
ゃんと聞いてなくて。」
僕 「あぁ、大丈夫だよ。」
A子「実はさ、ちょうど面白い話して
くれてた時に、黒いものが目の前を横
切っていくのが見えてびっくりして声
が出なかった」
普通は驚くところなんだろうけど、A子はたまに変なものが見える体質で、一緒にいるときにそういうことが度々あった。
取り敢えず今日は早めに帰ろうってことでA子を家まで送り僕も家に帰った。
家に帰ると、夜中の2時を過ぎていたので寝る支度をしてベッドに入った。
それからゴロゴロしながら携帯をいじっていたらすぐ眠たくなって寝落ちしたみたいだ。そしてその後物凄く怖い夢を見た。
この出来事からもう10年くらい経つが未だにはっきりと覚えている。
夢は某観光スポットのC町にあるイオン前の広い駐車場から始まった。
あり得ない夢だけど、エミネムが来沖しててサインをもらおうと沢山の人が群がっていた。
僕はその時妹と居て、一緒にサインをもらうためエミネムのところへ向かい列に並んだ。
やっとサインがもらえるとなった時、
妹が変なことを言ってきた。
妹「なんか、あの女ずっとあんたのことみて
るけど。知り合い?」
僕「え?どこ?」
妹「エミネムのうしろ。」
エミネムの後ろに水玉模様が入った薄黄色のワンピース を着てる女がいた。特徴ってゆう特徴はなかったが、なんとなく芸人の鳥居みゆきに似ていた。確かにずっと僕をみてる。
なんか気持ち悪かったので(鳥居みゆきが気持ち悪いのではなくてずっと見られてるのが)サインをもらわずに帰ることにした。
妹に車をまわしてもらい、車に乗った瞬間急発進した。
妹「あの女ついて来てる!」
後ろを見ると本当について来ていた。
しかも横スキップで。(蟹さん歩きのスキップバージョン。人間はできないと思う。)
妹は追いつかれまいと必死にアクセルを踏んでいたがどんどん距離が縮まっていく。
もう後部座席あたりの位置まで来ていた。
すると、その女が何か言いながら追いかけて来ていることに気付いたが何を言っているのか聞き取れなかった。
やばい。このままじゃ追いつかれる。
妹もパニックになっているのに、僕は早くこの女から逃れたい一心で叫んだ。
僕「もっとアクセル踏め!!!」
それでも振り切れずとうとう助手席のところまでやってきた。
ピタッとくっつくように並走し、こっちをみてニタニタしながら言っていた。
「ちぇけ ちぇけ むーん、
ちぇけ ちぇけ むーん。」
そこで夢から覚め、生まれて初めて飛び起きた。よく映画とかで見るような悪夢にうなされて飛び起きるシーン。全くそれ。
その瞬間、ピリリリリ!ピリリリリ!
ばっちしのタイミングで携帯がなった。
それにもびっくりして汗が止まらなかった。
携帯の画面を見るとA子からだった。
時刻は夜中の4時半。
A子「こんな時間にごめん。めちゃくちゃ怖
い夢みて起きてしまった。まだ心臓バ
クバクしてる。」
僕 「は⁈俺も怖い夢みて今起きたとこで、
タイミングよく携帯鳴るから心臓止ま
りそうだった...
どんな夢みたの?」
A子「知らない女の人に追いかけられる夢」
僕 「は?まって。俺も女に追いかけられる
夢で起きたんだけど...」
僕自身も怖かったけど、A子をなだめるため平常心を装った。とりあえず翌日も学校だし、明日詳しく話そうと言ってその日は電話を切ったが、本当は夢の内容を詳しく聞きたくなかっただけだった。
当然眠れるわけもなく朝まで起きていて、
学校へ行くとA子もやっぱり眠れなかったようだった。
お昼休みに大学の近くの食堂へ行き、ご飯を食べながら昨夜の話をした。
A子の夢の内容は、家の玄関から出て車を止めている駐車場へ向かっていたときに知らない女に待ち伏せされて追いかけられる夢だった。
なんとか車に乗り込み発進しようとしたときに助手席側の窓からニタニタしながらその女がのぞいていたらしい。
そこで目が覚めて怖くなって僕に電話をかけたということだった。
そのあとどんな服装だったか、顔は鳥居みゆきに似ていなかったか聞いてみた。
A子が言うには、服装や顔はよく覚えてないが、おかっぱくらいの髪の毛の長さということは一致していた。
僕の夢に出てきた女みたいに、何かを言っていたとかはなかったが歩き方が変だったと言っていた...
どんな風に変だったかは察しのいい方はわかっただろう。
そう、横歩き
スキップはしていなかったようだが、ここまで一致するとさすがに気持ち悪い。
僕たちが見た追いかけられる夢とA子が運転している時に見たという黒いものが関係しているかはわからないが、同時に悪夢にうなされて起きたというのは偶然とは考えられない。
それに女が言っていた謎の言葉。
「ちぇけ ちぇけ むーん」とは一体どう言う意味なのか。
未だによく分からないが、鳥居みゆきを見る度にいつもこの出来事を思い出す。
またあの女が夢に現れるのではないかと...
そうならないことを祈るばかりである。
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