見出し画像

改革案1「データドリブン・ネオ民主主義の実装」の概要

 こんにちは。芋虫大作戦の南です。まずは、改革案1「データドリブン・ネオ民主主義の実装」について簡単に説明していきたいと思います。

「衰退したいから衰退する」を作りたい

 僕が住んでいる高梁市という地域では、人口がどんどん減っていくことが予想されており、たくさんの集落が消えていくと考えられています。市は、人を呼ぶために何か特別な政策をしているかと言われたら、だいたいどこの地域もしているようなことしかできていません。

 僕はここにきて、地元の人からとてもよくしてもらっています。田舎では村八分が多いと聞きますが、誠実に人と接して、自分の価値観だけで物事を語らなければ、みんな基本快く受け入れてくれます。地元の人に話を聞くと、「そりゃ人が来てくれたら嬉しいけれど、誰でもかれでも来てほしいわけじゃない。」と口をそろえて言います。

 しかし、人が来てくれないと、地域は持続不可能になり、滅んでいくこと間違いなしです。市からすれば、人を選べないし、とにかく人が来てくれる方法を考えるのですが、補助金以外に効果的なやり方を見つけられません。本来、地域の方々が、どんな未来を残したいかを真剣に考えて、自分たちで来てほしい人を考え、呼んで、努力しないといけないはずです。それぞれの地域の魅力は、そこに住んでいるおじいちゃんおばあちゃんが一番知っているわけだし(良いと認識してるかは別として)、その方々が、それを売っていかないと人が来るはずもないのです。

 でも現状、地域の人たちは行政に参加できないし、そのせいで当事者意識もなく、「うちの村も20年後にはないじゃろなぁ」と言ってみんな悲しそうに半分諦めています。そんな現実を見て、どうせこのまま衰退するんならせめて、住人たち自身がちゃんと「衰退してもいい」と言って衰退してほしいと、感じるようになりました。

「若者が選挙に行かないから」という戯言

 少し話は変わりますが、僕は親世代や意識高い系から「若者が選挙に行かないからいけないんだ」と言われ続けて育ちました。それはそうだと思いますが、正直もう今の「マス」を前提とした政治制度自体に諦めを感じているので、若者が選挙に行って、若者のための政策が増えたとて、たいしてこのディストピアな世界は変わらないと僕は感じてきました。

 そもそも、選挙は近代の産物そのものです。江戸時代までは幕府があり、藩があり、ほぼ独裁のような形で政治が運営されていました。しかし近代化で、日本は「国家」を作り、それをうまく運営していくために「民主主義」という概念を導入することになりました。でもすべての民の意見を聞いて最適解を出すことなどどう考えてもできなかったので、「選挙」という仕組みを作り、代表者を選んで意見を述べてもらうという今のカタチができたわけです。

 ですが、一人一人がデバイスを持ち、全ての意見を拾うことが可能になり、それをAI×データで分析することもできるようになってしまった現代で、この政治の仕組み自体が不要になってくるのは明らかです。

 今回の提言は、ただそれを実現するための第一歩にすぎません。

スライド2

スライド3

スライド4

何をするのか

 政策案の要約は次の通りです。

 まず、誰でも何かしらのデバイスを持てるように(一定年齢以上の)全住民にデバイスを配布(購入補助)すると同時に、自治体アプリを制作します。これを利用して住民が普段感じている、困りごとや良いことを呟けるようにしたり、住民が政策提言を作って提出できるようにします。そして、市政職員は日々集まってくるデータに基づいて政策案を作っていきます。そこには専門家や当事者である住民も随時参加していきます。その立案リーダーを議員が決定する仕組みにすることで、現在の政治システムも有効利用できるようにします。住民が随時「賛成」や「反対」などを投票して政策の実行不実行を決定していきます。自然と、住民が主体的に政治に参加するようになっていくので、住民一人一人の意思でその地域の未来が決まっていきます。

スライド14

自治体アプリのイメージデモサイトを作ってみました。(パソコンには対応していません)↓↓↓

何が起こるのか

 この政策で起こることは何か

・政策の「正確性」と「速さ」が大幅に向上する。
・地域住民が主体的に政治を動かすので、地元に対する思い入れや愛がかなり深くなっていく。
・地域独自の価値が再発見され、地場産業が活性化したり、移住者が増加したりする。
・高齢者の孤独死が減少し、医療分野への歳出が減る。
etc...

今考えているこれからの流れ

 まずは、どこかの地域で実験導入していくことが現実的だと考えています。遅かれ早かれ世界中で進んでいくであろう仕組みだと思うので、衰退地域からすれば早い者勝ちだと踏んでいます。

 2022年1月7日に、僕が住んでいる高梁市の近藤市長に、この提言を提出してお話をしてきました。反応としては、「イマイチ本当に必要なのかが分からない」という微妙な感じでした。かなり他人事感があり、自分の説明が下手だったのかもしれませんが、ここでの実験導入はまだ難しい気がしています。

 いくつかの民間企業の実験導入や、各自治体で公式LINEアプリを作って市民の声を募集するなど、様々な改革は進んでいますが、実際の高齢者の方々に対応したUI・UXを真剣に考えて、取り組んでいるところはあまり知りません。

 もしもご興味のある自治体がありましたら、どんどん始まってゆけば最高だなぁと思っています。

 先日岡山県高梁市に提出した政策提言を添付しておきます。(ここには書かれていませんが、タブレットとスマートウォッチ及びそれらに付随するアプリとシステムについては独自開発した方が、予算が半分くらいになるのではないかということもお伝えしました。)



※ここで使われている「自治体」は、「市区町村」の単位です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?