ヘアメイクを覚えて人生が変わった男の話。
ヘアメイクを覚えて人生が変わった男の話。
「髪のセット、なんか変じゃね?w」
何気ないその一言。誰に言われたのかも分からない。そのくだらない些細な一言が私の心を刺した。たしか高校生だった気がする。
私たちは当たり前を生きている。分からない当たり前を分かった気になって過ごす毎日。気づいたら「当たり前」を知っていた。
誰にも教わっていないから出来ない。学校でこんなこと教わらなかった。そんな簡単なことも分からないのか。全てに対して思う、当たり前だろ。ふざけるな。
自分が分かるようになったこと、出来るようになったことほど口を揃えてこう言う。
「簡単だよ。」
やったことないこと、情報だけ知ってること、想像だけでイメージできることほどこう言う。
「簡単でしょ。」
なぜ貴方は今、右と左を当たり前のように理解しているのか。私は右利きだったので箸を持つ手が右手!と何度も考えてようやく覚えた。思い返してほしい。最初から知ってることが本当に当たり前だったのかを。
周りの人の声が恥ずかしいと思い始めたのはいつからだろう。周りの人の視線が気になり始めたのはいつからだろう。何も知らなかったあの頃は皆、忘れる。だから言う。
そして私たち大人は知らないままの「当たり前」も知ったフリをし続ける。バレないように、見つからないように、誤魔化すように時を経て、いつか知るその時まで静かに。
容姿に対しては特にそうだ。いつどこで誰がどのレベルまで「当たり前」を作ったんだ。普通はこう、の普通ってなんだ。見た目で人は判断する。しないと断言する人はきっと他意があるだろうと私は思う。
だから私たち人間は、目で見える情報に価値を見出す。反射的にいいものと悪いものを区別する。そして、その悪い方に当てはまらないように、自分のポジションを得る。
人に何かを言うなんて、ただそれだけの事。
知らないこと、出来ないこと、人と違うことが恥ずかしいと思わせたお前は誰だ。これを読んでる貴方は過去に誰かに言った事はないか。そんな時代は無かったか。そして言われたことは無かったか。ぜひ一度、問いてほしい。
「髪のセット、なんか変じゃね?w」
「メイク濃くない?」
「なんか変な虫、まつ毛に付いてるw」
「オタク、きもい」
「陰キャ、きもい」
「アクセサリー付けてカッコつけかよ」
「メイクした事ないの?ww」
「何その服、ダサいw」
「加工取ったらブス」
「マスク外したらブス」
「この有名なブランドも知らないの?」
「汚い歯、前歯出てんぞww」
「毛深くてきもい」
「うわ、ニキビやば、きもい」
「目パンパンに腫れてるよ」
「メイク取ったらバケモンじゃん」
「服、破れてるよww」
「男がメイクなんてオカマかよw」
「ビジュアル的にちょっと…」
「髪の毛、チ〇毛みたいw」
うるせーな、お前らぶっ飛ばすぞ。黙れよ。その無意識に雑に思い付きで放った言葉全て刺さって「コンプレックス」になった側は死ぬまで忘れないからな。蓋をしてるだけで。
今書き出したのは一部に過ぎないのだろう。
多分こういう言葉は時代と共に常に増え続けると思う。みんなが人間である以上、少なからず仕方ないのかもしれない。ただ一言言わせてほしい。コンプレックス側として。
一生呪うからな。
でも。分かってる。分かってるんだよ。小さい頃から分かってるんだ。自分がかっこ良くないことも。何回も鏡で見て生きて来たんだ。自虐ネタで心を誤魔化した過去も。小さい鼻も、悪い歯並びも。今ある二重も目を擦っては目に力を入れて、うっすら線が付くまで毎日。何かが変わっても変わらない自分。どんなに無理して背伸びしても、それでも鏡を見て思ってた。
「自分はブサイクだ。」
カッコつけて自撮りなんて考えられない。
こんな容姿なのに高校の頃「ヘアメイクアーティストになる!」と意気込んで、違うクラスのよく分からん奴に「お前が美容師なんて無理だろw」って笑われた過去も。全く業界を知らない進路相談の先生に「お洒落やセンスが必要や難しい業界だぞ、いいのか?」って言われたことも。
見てみろよ。なれてんだよこっちは。今あなたはどこで何をしてますか。きっと言った側は思いあたる節もないでしょう。忘れる、という人間に備わってる機能はとても素晴らしい機能ですから。
そんな闇をずっと心の奥底に抱えながら、蓋をしたまま誰にも言わず美容の世界へ入る。
筆記実技共に首席、コンテストでグランプリ獲ったり、クラス委員として代表として人の前に立ったり、授業外で取得した様々な資格、学外で「ヘアメイク」と名の付く全ての活動に首を出し、20人以上在籍するチームを立ち上げてZeppの舞台でヘアメイクショーをした美容学生時代。
どれだけ努力した過去も、周りからは華々しく見えたとしても心の中のコンプレックスは消えない。
その後、芸能・メディア系のヘアメイク会社に入りヘアメイクアーティスト/美容師になり5年。その後、IJKに入りまもなく2年が経つ。様々な仕事を経験してきた。TV、舞台、ドラマ、映画、ジャケット撮影、MV撮影、メイク講師、イベント、YouTube撮影など。一般のお客様は撮影スタジオの婚活メイクなども含め、ざっと数えても累計1000人は超える。得意を活かして得たデザイン関連の数々の知識・経験も、BARで人の悩みに寄り添い話を聞くのも、チャンスと言ってお酒を飲むのも、今では全て私の一部だ。愛おしい大切な価値。
昔より本当に幸せで豊かな人生だ。応援してくれるファンの方も増え、会いたいです!話したいです!と言ってもらえる。
本当に充実している。満たされている。
あぁ、幸せだ。恵まれている。嬉しいな。
と、ふと突然現れる。
「コンプレックス」
ずっと許せなかった。馬鹿にしてくる奴ら、イジメのような口調の奴、ぶっ飛ばしてやりたかった。消えない過去に縛られ続けた。2019年までの私は。
でも去年一年間で大きく変わった。「コンプレックス」として心の中で蓋をしていたそれ。誰にも見せれなかった過去。2020年になって初めて自分自身に抗ってみた。
そう、自分にヘアメイクをすることを決意したのだ。「自分はブサイクだ。」に抗う。それに向けて2020年の年始に掲げたテーマは漢字一文字で破壊の【破】
守破離の破。一年かけて自分自身を自己破壊すること。結果、成功した。そして同世代でメイクする男性が少ない理由も強く感じた。女性にとって「当たり前」にメイクを求められることの大変さを知った。逆にメイクすることの楽しさ、豊かさも知った。やらないと分からなかった貴重な経験を得れた。
そして何より「見た目が変わると何が変わるか」という点。本当に全てが変わった。人が自分を見る目もここ一年で著しく変わった。本人は分からないレベルで、見られ方が変わるという事を知った。
#いもメイク とタグを付け、投稿をし続けて良かった。価値のある一年間だったと豪語できる。
本当はこのnoteも真面目に【一年間プロがセルフメイクをした結果】としてまとめてる途中だった。
でも辞めた。
理由は一つ。本当に求めてる人にだけ話したい。どんなに探しても出てこない、私のリアル体験談。だからこそ、もし必要としてる人には全力で応えたいと思った。だからこそ、簡単にまとめることを辞めた。どうせ長い文章は誰も読まないのも「当たり前」として知っている。
なので一言、まとめの結論だけ。
『コンプレックスを持ってる人間は強い』
ここまで読んで下さって本当にありがとうございます。きっと私のこと応援してくれてる人なんですかね。誰ですか?嬉しいです。せっかくなら最後まで聞いてもらえたらなと思います。ここからは私が「プロのヘアメイクアーティストとして」書きたいことを残しておきます。
ヘアメイクで私が変われたことは全然当たり前じゃない、誰も教えてくれなかったこと。技術やテクニックだけの話じゃない。YouTube見たらできる?できる人は最初からやってる。顔も骨格も違う。誰にも言えない自分だけの悩み「コンプレックス」を誰に話せるのか。自分がヘアメイクを学んでなければ誰にも話せなかったと思う。コンプレックスに抗い続けた私だからこそ、ヘアメイクアーティストをしてるからこそ出来ることはないか。伊森として解決できる可能性があるなら全力で応えたい、そう思い続けた一年間だったので。
困った時の伊森で在りたい。
それだけのこと。
なので、これ以上長ったらしいまとめ文章はもうやめです!!!!!!!!!!!
簡単に言うと僕が関われる人の中でヘアメイクの力を信じてて、ヘアメイクの力で自分を変えたい、未来を変えたい、分からないけど今ある何かを変えたい!そんな人の役に立ちたい。
断言します。僕にはヘアメイクで人を変化させる力がある。今までここまで積み重ねてきた、積み上げてきたものがある。
「うるせえ!誰かに馬鹿にされてたまるか、ぶっ飛ばすぞ」というプライドと共に積み重ねてきた過去がある。
そしてその必要無いプライドと共に自己破壊した去年がある。そして今、プロのヘアメイクアーティスト伊森として言える。
私の今年のテーマは【変】
変わる。変える。
ようやくイメージ出来ました。
一部の方からは前々から求められてましたが、ずっとやらなかったことの一つ。
プロのヘアメイクアーティストとして
#いもメイク の第二章。
【いもメイク講習 】始めます。
「メイクで垢抜けたい!」
「before afterに差がつくメイク」
「なりたい自分になる方法を知りたい」
「自分の骨格に合わせた似合うメイク」
なんでもいいです。結果が出るまでみっちり見ます。一人一人と向き合ったマンツーマンで。まずは「メイクとは?」についてから一人一人に合う掘り下げたカウンセリングと、基礎知識についての話、メイク道具やテクニックの話、ヘアメイクに対して必要なマインドの話、今まで培ってきたメイクについての僕の全ての話。貴方に必要な内容を全て。全力投球で向き合います。本気です。もちろん「メイク楽しい!」ってなるように導きます。
ただ関われる人数は限りがあるので、まず第一回目は人数限定で試験的に。一人一人に必要なプラン考えます。短期コースも長期コースも、得れるスピードは人それぞれなので。
通常一回のヘアメイクで2万円〜で承ってます。一度経験してもらい、その変化を感じてもらった方限定でコースの相談承ります。
誰でも気軽に連絡ください!メイクなんて簡単だよ!なんて軽々しく言えないですから。おふざけなしで本気です。
ただしこれだけは条件があります。ヘアメイクの力で本気で変わりたい人、のみです。是非一度、体験してみて下さい。連絡お待ちしてます。変わるチャンスは今です。
ヘアメイクは超楽しいですよ。一緒に過去のコンプレックスをぶち壊しましょう!
さいごに。
他人の一言で気にしてた過去の自分に教えてあげたい。
「もっと自信を持て。10年後、ヘアメイクで人生変わるよ。」
2021.01.06 ヘアメイクのいも
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