思い出した時は何度もこの話をしてしまうのだけれど。
若い時、長崎に少し住んでいた。方向音痴の私はその日も図書館の帰り、道を失ってしまった。いつの間にか迷い込んだ広場は表の喧騒と打って変わってしんと静かだった。
シンプルなモニュメントには「爆心地」と刻まれていた。桜と私だけだった。

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