見出し画像

犬と猫

ずいぶん年下の上司に作業の速度を合わせると、身体の衰えを感じる。
若いうちの無理はのちのち来ますよ、と言って脅かしておく。こう言うのも今どきはナントカハラスメントになるのだろうか。

この職場に来て季節が2巡した。
雇う方もギャンブルだろうが、再就職はこちら側も命がけである。
ざっくり前職と同じような業界だろうと飛び込んだが、えらく勝手が違って困った。猫を飼っていたから大丈夫かなとライオンをポチッたらイルカが届いてしまって、
いやいやいや、そりゃ哺乳類だけどさ、という感じ。

2番手の上司が異動になった。
次に来るのは、おっかねえおばちゃんらしいと噂を聞いた。この職場で初めての女性上司になる。
異動日に居た見知らぬ顔は、小さいオネエチャンだった。噂なんてそんなもんだと思ったが、話すうちに年上だと気づいて驚いた。
ちなみに中身はおっかなくもおばちゃんでもなく、猫だった。

私物が猫だらけだったので、お好きなんですかと、手元にあった猫の付箋をあげたら、ニャアと鳴いた。
飼い猫の写真を見せてもらった。
自分にはお見せできるネタがない。
推しのカワウソか、カワウソの飼っているデグーの写真くらいだ。

ちなみに年下の上司の方は、車のミラーに犬のマスコットをぶら下げている。
犬と猿だったら地獄の職場になる。
犬と猫が揃ってもうすぐ1年になるが、
とりあえず、仲が良さそうで助かっている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?