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4歳児のとっさの行動が心に染みる

クリスマスの少し前に4歳の誕生日を迎えた長女は、次の春に3歳になる、1歳3ヶ月差の妹をとても可愛がっている。

全力で変顔を披露して笑わせようとしたり。
「一緒にお菓子を食べたい」と、自分のお菓子を食べずに待っていたり。
そんな、けなげな愛情表現を常々している。

些細なことで喧嘩もするけれど、先に噛みついたり引っ掻いたりするのは、いつも妹で、長女は妹にやられたからといって、絶対にやり返したりせず、手を引っ掻かれても「やめて」と冷静に言葉で諭し、それでも上手く行かないと大人のところに泣きながら助けを求めてやってくる。
泣かされているのは、いつも長女。

最近の長女は「年中さんになったら、すーちゃんの面倒を見ないと」が口癖。年少~年長の3学年は、異年齢児保育を実施している園なので、下の学年の子のお世話を上の学年の者がする、という意識があるのかもしれないが、我が家のお姉さんはやる気に満ちている。

12月産まれの長女と、4月産まれの次女では、1歳3ヶ月しか差が無くても、2学年の差があるので、なかなか園内でお世話になる行事は少ないかもしれないのだが、それを知ってか知らずか、お姉さんは常にやる気をみなぎらせていて、妹は少しゲンナリしている。


ついに、長女がみなぎらせているやる気が、報われる出来事が起きたので、記しておきたい。

それは、入浴中に起こった。

湯船の中で、足を滑らせて転びそうになった妹を長女がサッと腕を広げて支えたのだ。

この上ない反射速度で。

それがあまりに自然すぎて、私は洗い場で髪を泡だらけにしながら「危なかったねぇ。ゆーちゃんありがとう」と暢気に声を掛けたけれど、その後で、じわじわと感動した。

ベンチ付の浴槽の腰掛ける部分に立って、オモチャで遊んでいた次女が、ベンチの段から下の段にフラッと落ちそうになった時、下の段で歌っていた長女は、咄嗟に足を広げて踏ん張り、妹の両脇に自分の腕を差し入れて抱き留めたのだ。

信じられない!!!
今思い返してみれば、それはもう、非の打ちどころのない、完璧なフォームだった。

次女は、下段からの支えに、全体重を預ける前に自分の足で踏みとどまったので、長女がもろとも潰れてしまうこともなく、事なきを得た。



夜、眠る前に、改めて「ゆーちゃん、さっきはお風呂で、すーちゃんを支えてくれてありがとうねぇ」と、お礼を言うと、長女は一瞬はにかみ、得意げに「ガッ!」と言いながら布団の中で両腕を前へならえの形にして、再現して見せてくれた。

かわいいとうといいとしい

反対の隣では、次女が不満げな声を上げた。
『支えが無くても、自分で踏ん張ったわよ』なのか、単に姉だけが褒められているのが不服なのか。まぁ、その両方だろうけれども。
「すーちゃん、パシャンと落ちなくて良かったねぇ。ねぇねが支えてくれて嬉しいねぇ」と声を掛けると、その話題はやめて、と言わんばかりにぬいぐるみを顔に押し付けられた。

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