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感想 映画 『ダーティハリー』

(1971年/アメリカ/アクション)
クリント・イーストウッド主演

(概要)
正義感はあるが組織のしがらみには合わず、上司とぶつかる主人公。
タイトルの「ダーティハリー」と呼ばれる通り、汚い仕事ばかり担当している。

今回の犯人はスコルピオと名乗り、狙撃銃で高所から罪のない人を撃ち殺すサイコパス。現場には警察に対する挑発的なメッセージを残す。

組織や社会の規範によって思うように活動できない煩わしさと、それをあざ笑うような犯人、しびれを切らした主人公がアウトローな手段で事態を進展させる。
この構図が繰り返され、主人公が活躍するたびにカタルシスを得るも倫理的に頷きにくい。
この簡単に飲み込みにくい物語構造が妙にハマって楽しめた。

(感想)
長い暗闇で犯人を追いかけまわして、ライトアップされた直後に犯人への拷問が行われるシーンは後戻りできない主人公が業を背負った瞬間で、心を揺さぶられるように感じた。

一つ一つのシーンで誰に感情移入してしまったかを考えながら見ると恐ろしい映画に感じる。
スコープの手前側にいる犯人の視点のショット、頭の固い警察をあざ笑う犯人に入り込む瞬間さえある罪悪感。
それを否定し打ち破る主人公にアウトローながらも信念を感じるが、倫理を無視した行動にドロリと罪悪感が残る。

これで良かったのか?という疑問が残る映画だった。
続編も見たいとおもった。

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