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起床9:30、出勤9:40

毎朝9:30に起きて、9:40にPCを立ち上げて、だいたい20時まで仕事をする。嘘みたいだ、こんな普通の会社員の人間みたいな生活。ありえない。

だって元来私は、体育の時間に二人一組を探して最後までウロウロと焦りながらペアを探すのが怖くて小学校へ行かず、スカートの下にタイツを履くのが禁止という訳のわからんルールが理不尽で中学校へ行かず、入学初日に「もっとクラスに馴染んでくれ」と担任に言われたことが嫌で普通科の高校から光の速さで通信制高校へ転入したような人間だったのに。

大学は嘘みたいに楽しかった。任意参加だと思っていた卒業式の日に昼まで寝ていて、起きたらゼミの先生や同級生から鬼電きてたけど、それ以外はなんの後悔もないくらい楽しかった。就活したのに途中で履歴書を書くのも面接へ行くのも面倒くさくなっちゃって、いろいろあって内定ゼロの丸腰のまま卒業したけど。

大学3年の時に付き合っていた人が、何ヶ月か前に友だちと京都へ移住して一軒家の賃貸だかで暮らしているらしい。

タイのお土産のスベってるおもちゃを部屋に飾っていたこととか、サムライのフィルムカメラ持ってたこととか、平成最後の年にWiiでゲームすることをおもろいと勘違いしていたこととか、なんかいろいろ要らない記憶を思い出した。

東京の閉塞感が嫌で逃げるように地方都市へ移住したくせに、「場所なんて関係なくどこにだって息苦しさはある」だといつだか呟いていて、私はそれを聞いてすごく絶望したし、薄っすらと安堵もした。どこに行ってもどうせ同じなら、ここにいるのも別に間違いではないんだと思ったから。

めっちゃ急に思い出した。その当時の恋人は私の家で半同棲状態で、別れる時に自分の服やら本やらを持って出ていったんだけど、私の居ぬ間になぜか私の枕を勝手に持っていった。

元恋人の家から出ていったその日に、ぐっすり眠ろうとすんな。元恋人の私物の枕を「元恋人」になったその日に勝手に濡らすな。他人の枕はもらってもオッケーってどこで教わったんだよ。たとえ教わったんだとしても、本当にそれが正しいのかをいったん自分で考えてみる思考力を身につけてくれ。あと普通に、衛生的に他人の枕嫌じゃない?

「つまんない人生」って言うには、私にはその資格がない。一応定職に就いているし、そんなに人数居るわけじゃないけど友だちのことは全員大好きだし、寝酒を買う余財もある。自炊と毎日のタバコ代で娯楽がプラマイゼロだとしても、それでなんとか日々生活できるのなら安いもんじゃん。

強いて言うなら、誰の第一希望にもなれない人生が悲しい。昔、飲んでる時に友だちが「俺は誰の第一希望にもなれない」と嘆いていたんだけど、今ならその意味が痛いほど分かる気がする。

極論を言えば、仕事なんて代替品が溢れかえっている環境では自分の存在意義なんてまるでゼロ。そんなのは分かりきっていたことだから悲しくもないんだけど、誰と遊んでも、誰と付き合っても、私の想像では補いきれない事実としてその人の“生活”が存在しているわけで、それが切なくて仕方ない時がある。

よく、「冷たい」「なんでそんな冷静なの?」「テンション低い」と言われるんだけど、私は元来ありえないぐらい感情的な人間で、嫉妬深くて、すぐ泣いたり怒ったりする。自分がそういう人間だということは分かっていたから、それがすごく嫌で、無理やり防水防塵のカギを心にかけた。その成れの果てがこの言われようだ。

みんな、わかりやすくてかわいくて明るくて朗らかな女が好きでしょう。そうでしょう。知ってるけど、私は心のALSOKをサブスクで購入してしまったし、しかも違約料かかるから解約もできなくて、ずっとガチガチの警備したまま閉じこもるハメになった。サブスクをご購入の際はよう検討してからね。

トライアル期間の契約なんてだいたい忘れてしまうんだから、ズボラな人は無料期間に翻弄されないほうがいいよ。いずれなにかが破産するから。

フィルムカメラで撮った写真のスライドショーみたいなやっすいMVがYouTubeから流れてきた。何番煎じどころではない、煎りすぎてもう味もしない手法の映像。こんな文化、誰がいつ作ったんだ。

インスタントのエモさってなんでこんなにぞわってするんだろう。映像青めにしとけばいいと思ってる感じも、ウワッてなる。あーあ、口を開けば文句ばっかり出てくるのも、枕盗られる原因の1つだったのかもなあ。


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