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学術まとめ②インターフェロン

~Interferon~

1)IFN-α、IFN-β、IFN-ε、IFN-κ、IFN-ω、など

・これらはⅠ型インターフェロンであり、IFN-α、IFN-βは主にリンパ球、マクロファージ、線維芽細胞、上皮細胞、骨芽細胞など様々な細胞からウイルス感染や腫瘍などによって産生される。IFN-ωは腫瘍組織中やウイルス感染した白血球からIFN-κはケラチノサイトから産生されることがわかっている。

・これらのⅠ型インターフェロンはすべて共通の受容体、IFN-αR1とIFN-αR2を介してシグナルを伝達する。

・標的細胞の受容体に結合すると、2’5’-オリゴアデニル酸合成酵素など特定の酵素を誘導する。この酵素はエンドヌクレアーゼを活性化させてウイルスのmRNAを破壊し、ウイルス複製を阻害する(抗ウイルス作用)。

・NK細胞活性を亢進させ、CTL産生を増強することで抗ウイルス作用を示す。

・IFN-αやIFN-βはMHCクラスⅠ分子の発現を増強し、MHCクラスⅡ分子の発現を抑制する。

・IFN-αはオピオイド受容体に作用してPGE2の産生を促し、発熱に寄与する。

2)IFN-γ

・IFN-γはおもにTh1細胞やCTL、NK細胞、NKT細胞などが産生するⅡ型インターフェロンである。

・IFN-γ受容体はα鎖とβ鎖からなり、JAK1やJAK2からSTAT1を介してシグナルを伝達する。

・MHCクラスⅠ分子やMHCクラスⅡ分子、Fcγ受容体、TNF受容体の発現を増強する。

・抗ウイルス作用を有する。

・NK細胞やCTL、マクロファージの細胞障害活性を増強する。

・マクロファージからのIL-1やNO産生を誘導する。

・Th1細胞への分化を促進し、Th2細胞の分化・活性化を抑制し、IgEの産生を抑制する。

3)IFN-λ

・Ⅲ型インターフェロン。IL-28、IL-29参照。

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