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コラム:ChatGPT② 医薬品の検索

前回に引き続き、ChatGPTで遊んでいる結果について書いてみたい。今回は一般の人が使用する際の注意点も少し含んでいる。

最近ChatGPTに医薬品の事を尋ねると滅茶苦茶な答えが返ってくるという事を目にした。そんな事があり得るのかと思い、実際に試してみた。

最近は花粉症が酷いので近くにあった抗アレルギー薬を調べてみる。

「ニポラジンについて教えて」

ニポラジン(Nipradilol)は、高血圧や狭心症などの循環器系の疾患の治療に使用される薬剤です。ニポラジンは、ベータ遮断薬とα1受容体遮断薬の双方の効果を持っており、心拍数を減少させ、血圧を下げる効果があります。

また、ニポラジンは眼圧を下げる効果もあるため、緑内障の治療にも使用されます。さらに、ニポラジンには抗酸化作用があり、神経保護作用もあるとされています。

ただし、ニポラジンには副作用もあります。主な副作用には、低血圧、頭痛、めまい、眼のかすみ、呼吸困難、蕁麻疹、胃腸の不調などがあります。したがって、ニポラジンを使用する前には医師に相談し、適切な投与量や使用方法を確認する必要があります。

何だと!?

成程確かに全く間違った答えが返ってきた。というか、要するにニポラジンではない別の薬(ニプラジロール)の事を記載している。こちらは確かに交感神経のβ受容体遮断薬なので説明は合っている。

恐らくニポラジンという日本語の商品名を英語に直した際に、スペルが似ているニプラジロールだと判断してその説明を始めたのだろう。

そこで、ニポラジンの一般名メキタジンについて英語で尋ねてみた。

「What is MEQUITAZINE?」

Mequitazine is an antihistamine drug used for the treatment of various allergic conditions such as hay fever, urticaria (hives), allergic rhinitis, and pruritus (itching). It works by blocking the action of histamine, a substance released by the body during an allergic reaction, which causes symptoms such as sneezing, itching, runny nose, and watery eyes.

Mequitazine is available in different forms such as tablets, capsules, and syrup, and is usually taken once or twice a day, as directed by a healthcare provider. Common side effects of mequitazine may include drowsiness, dry mouth, blurred vision, constipation, and urinary retention. In rare cases, it may cause severe allergic reactions, and it is important to seek immediate medical attention if any serious side effects occur. It is also important to note that mequitazine may interact with other medications, so it is important to inform your healthcare provider about all the medications you are taking before starting mequitazine.

成程、今度は全く問題が無い回答が得られた。つまりChatGPTが医薬品の説明を作る際には基本的に英語の一般名(もしかしたら英語圏で同じ名前なら商品名でもいけるかもしれない)で該当となる物質を同定し、その説明をアウトプットするのだろう。こういう結果を見ると、まだ改善の余地があると思わされる。そして同時に、AIの性質を理解し、効果的な使い方を模索する意義も改めて実感する。

という訳で、医薬品についてChatGPTに尋ねる時は最低でも英語のスペルで尋ねて間違いが無いようにしてもらう。そして、商品名ではなく一般名を用いる事で正確な答えを得る事が出来る。

<補足>

医薬品には「一般名」と「商品名」の2つ名前がある。一般的に皆さんが薬として目にするのは商品名の方だ。一方で、その医薬品の有効成分を物質として規定しているのは一般名の方である。上の例で言えばニポラジンという薬の成分はメキタジンという物質であり、メキタジンという物質を成分とする「商品」には「ニポラジン」の他に「ゼスラン」やそのまま「メキタジン」などがある。ニプラジロールはβ遮断薬の一般名であり、こちらも商品名として「ハイパジール」や「ニプラノール」などがある。この事を覚えておくと、薬についての理解が進みやすいだろう。

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