見出し画像

『イシガナキクエを探しています』の感想〜情報学的に解釈する最近のフェイクドキュメンタリーの面白さ〜

『イシガナキクエを探しています』というフェイクドキュメンタリーをみた。

フェイクドキュメンタリーは『ガチンコファイトクラブ』とか『川口浩探検隊』とかそういう感じのやつ。
あくまでリアルなドキュメンタリーっぽいんだけど、実際はやらせてきな。

最近は、このフェイクドキュメンタリーが再評価されて、様々なフェイクなドキュメンタリーが作られている。

フェイクドキュメンタリーは、最近は特に訳の分からないものが表現されるパターンが流行りだ。『フェイクドキュメンタリーQ』とか、『近畿のある地方について』ってのが有名。

このパターンのフェイクドキュメンタリーの特徴として、情報を得れば得るほど、訳がわからなくなるような、訳がわかってくるような感じのものが流行り。
謎が謎を呼ぶのような。しかも、解決されず、次々に情報が出てくる。
普通は、情報を得れば得るほど核心に近づきそうだが、情報を得れば得るほど訳がわからなくなる。

この場合、何が面白いのかは、情報学的に解釈できる気がした。

フェイクドキュメンタリー=シミュレーション

情報学では、現象をモデルにして、コンピューターシミュレーションにしたりする。
コンピューターシミュレーションにすると、現実では実験できない条件でも実験ができて、面白い現象を発見できたりする。

フェイクドキュメンタリーは現実的な設定を使って、面白い現象を提示する。
フィクションなんだけど、現実的な対応もモデル上はあるから、「現実にこんなことあり得るかも」と面白く見れる。

近年の訳の分からないフェイクドキュメンタリー=ノイズなのかシグナルなのか不明なシミュレーション世界

近年の訳の分からないフェイクドキュメンタリーは、情報が新たに提示されるんだけど、それがどういう意味を持つのか分からない。

情報は提示され続けるんだけど、何が何だかわからなくなってくる。

これは、情報学的には、「人間はベイズ推定している(得られた情報からバイアスを作っている)」ってのと、「自然は高次元の情報があり、ノイズなのか新しい次元の情報なのかわからない」ってのを使ってるんじゃないかって思った。

新たな情報が得られたときに、「これはノイズなのか?」それとも「これは新しいこの世界の情報を提示してるシグナルなのか?」ってのがわからない。
このわからなさ、ベイズ推定が狂っていく感じが面白い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?