人間模様とはんぺん模様
人差し指と親指がボンドでくっついちゃったそこの君!
そう、やっぱり俺こそがimmor(イモー)だ。
デニムの生地が色褪せていくと鮮やかなインディゴが落ち着きを取り戻すように、我々人間も尖り散らした20代を過ぎると静観した大人になっていきますよね。
そこでふと思ったんです。
デニムを洗濯することで色落ちするシステムを、人間に適用したらどうなるのか。
洗濯を人間に置き換えるなら、それは皆さんの考える通り、『お風呂に入る』ことがそれにあたると思うんです。
でも毎日お風呂に入っても、色落ちなんてしませんよね?
肌の色は変わらない。瞳の色や髪の色、話す言葉も思想も何も変わりゃあしない。
ただ一つ、確実に変わったことといえば
それは
お風呂に入るたびに、あなたへの愛が大きくなるのを実感する。
そんな毎日をこれからも過ごしたい。
愛している。結婚しよう。
といった具合に、プロポーズの口上を考えてみました。
この記事を読んでいる人の中で
「ほにぃ…
どんにゃプロポーズしたらいいか
分からぬわいゆぉおん…」
と悩んでいる方がいたら自由に使っていいからよ…
「いつか別れが来るなら、出逢いなんていらない」とか日和ったこと言ってないで、喜びに打ち震える巡り逢いを探しに行こうや。
・・・時に人間模様とは、第三者が想像しうる範疇を超えて複雑で煩雑なものである。
公園や遊園地などで見かけるであろう、仲良く3人で手を繋いで歩いている家族も、腹の中はこのような感じかもしれない。
父(どうしよう…ギャンブルで大損こいて借金1000万円や…)
母(早くパート先のA君に会いたいわぁ…ん)
子(昨日、父ちゃんのパルム食っちゃった…)
このように、誰にも言えない秘密を抱えて生きているのが人の常だ。
そんな人間の愚かで醜い部分を、キミたちならどうやってはんぺんに説明する!?
そう!はんぺんだよはんぺん!!
白くてフワフワで、スポンジのようになんでも受け入れてしまう…あのはんぺんだよ!
お前ら人間がバター醤油で焼いたり、おでんの具材にしたりして好き勝手やってる、まさしくあの“はんぺん”だよ!!
いいかい?下手な説明でははんぺんの真っ白なボディを醜くくすませてしまう恐れがあるぞ。
何を隠そう、あの白さははんぺんの心の色そのものを反映させた姿なのである。
ツヤツヤぷるぷるの柔肌にストレスを与えて、はんぺんが深く傷ついてしまわぬように、細心の注意を払って“人間の愚かさ”を説明せねばならない。
それが今の人類に課せられた裏テーマなのである。
裏テーマがあるということは、当然ながら表のテーマが存在する。
表のテーマと言えば「戦争・貧困・環境問題」などが挙げられるだろう。
しかし、実は裏のテーマも存在するのである。
裏のテーマを解決することが、表のテーマを解決することの一助にもなることをメディアは一向に取り上げやしない。
それは裏のテーマが解決されることで不利益を被るものが存在するからである。
勘のいい読者ならもうお気づきだろう。
不利益を懸念する者…
そう、はんぺん業界である。
古くからはんぺんの真っ白で純朴な心を利用して、今や世界を裏側から牛耳るまでに発展したはんぺん業界。
本来、はんぺんの表面は生まれながらにしてペイズリー柄のような模様が刻まれており、それが彼らの個体を示し、アイデンティティとしても特別な意味があることを知っている者は、あまりにも少ない。
通称“はんぺん模様(業界用語)”と呼ばれるものだ。
これを証明する写真は、はんぺん業界の策略により未だに手に入れることが出来ないが、はんぺんの表面には確かに存在するのだ。
どのように白くしているのか、それは非常に残酷で恐ろしい話だが、今日は語らせていただこう。
† 真・はんぺん模様の消し方 †
まずははんぺん業界の魔の手により用意された真っ白な空間にはんぺんを閉じ込める。
およそ1LDKのその間取りの中、はんぺんは3年間も独りきりで過ごさなくてはならない。
当然、外に出られるのも夜間17:00-翌10:00と土日祝日の全日だけと限られている。
拘束されている間の手当てなんか当然スズメの涙である。
手取りで32万円しか支給されないのだ。
有給なんかもってのほかで、年20日しか与えられない。
周囲から隔絶された空間でひたすらYouTubeや漫画を読む生活を強いられるのだ。
そうして自我を失いかけたその時、驚きの白さへと変貌するのである。
これが通称
はんぺん模様の消失
- Lost of identity -
と呼ばれる、今この現在にも行われている非情な行為だ。
無論、はんぺんとて何もせずに無抵抗を貫いたわけではない。
敵の攻撃を緩やかに、しなやかにいなす為に柔らかい身体を手に入れ
様々な知識や技術を吸収する為、スポンジのように何でも受け入れたのである。
しかし、その進化が敵に塩を送る結果となったのは言うまでもない。
はんぺんはそのしなやかさと吸収力の高さから、様々な食事の具材にされてしまったのだ。
はんぺんは何年も前から「勘弁してくれ」となんべんもなんべんも懇願している。
短編小説なんかじゃ語り尽くせない、丹念に描かれた長編小説のような、簡単に判断は出来ない話だ。
その手はきっとはんぺんのように白くて柔らかい、優しい手なんだろうね。
ね、どうなんだろうね。
みんな、自分の手を一回見てみよう。
はんぺんのように白くて柔らかい、優しい手かな?
それともささくれが酷く、爪が割れていてカサカサな手かな?
それもいいだろう。
頑張って生きてる証拠だ。
アンタは偉い。
immor
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