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嘘つき自伝

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8 噓つき自伝

第三章 ケンブリッジ ケンブリッジ。何の特徴もないだだっ広い敷地に建てられた大学の街。 (…

7 嘘つき自伝

第二章 数日後には、僕はニースにいるはずだ。ジェンキンスがウォッカマティーニに夢中になっ…

6 噓つき自伝 グレアムチャップマン

1968年、ハムステッドにて。(ほんとは1969年、ベルサイズパークにて。でもハムステッドのほう…

5 嘘つき自伝 グレアムチャップマン

第一章 ☆第一章はグレアムが産まれるところから始まります。人の生い立ちや幼少期の話って退…

4 嘘つき自伝 グレアムチャップマン

 聖アルバー病院の設備や現代的な入院病棟は、おそらく部分的に見て言えばこの国一番のクオリ…

3嘘つき自伝 グレアムチャップマン

 重苦しい布団を蹴とばし、床に足をついて立ち上がった。なにか支えになるようなものに掴まっ…

2嘘つき自伝 グレアムチャップマン

前章 1977年12月26日、午前11時  もう少しの辛抱だ。今回は寒い時期にやってみた。禁断症状を和らげる薬も使わない。冷や汗と震えばかりの眠れない夜。いや、もしかしたら今本当は眠っていて、眠れない夢を見ているだけなのかもしれない。だとしたら今は眠れてる。寝返りを打ち、枕を叩いて形を直す。これで少しは楽になるはず。つま先とすねが痺れてる。感覚があるか確かめるために、まず片っぽの脚でもう片方を触ってみる。それから震える手で触れて確認する。手の震えを抑えようとすればするほど、

1嘘つき自伝 グレアムチャップマン

グレアム自伝をちょこちょこ訳します。自分がウワー!ってなった箇所だけ抜粋して訳すかも。ま…