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20230720_夢を諦める時

人は夢を見る。
ありがたいことに寝てる時も起きてる時も。

ついにこの曲について公に話をする時が来てしまった。
本当なら墓場まで持って行きたかったんだけど、解散してしまうわけだし、今更バンドの体なんてどうだっていい。

ことの始まりは数年前に参加したLINE主催のオーディションだった。

個人的に今のオーディションに付いてまわる大嫌いな風潮、「出演に向けて頑張ってます!1日1回投票してください!」みたいな、音楽をビジネスとして捉えている人間たちがバンドの影響力を数値化するシステム。
それがないとてもストレスフリーで有意義なオーディションだった。
(まあ、”そもそも事務所がバンドを育てるにもお金がどうこう〜”みたいなこともビジネスマンとしては痛いほど分かるが、今は芸術を作る側の人間としてキレイゴトを語らせてほしい)

審査は単純で、①既存の音源審査 ②新規の作詞審査 ③新規の作曲審査 ④ライブ審査 とバンド本来が持つ音楽性というものをしっかりと評価するスタンスで、作る側の人間としてはとても嬉しかった。

②以降の審査では、2ヶ月くらいの間にイチから新たに曲を作る必要があった。そこではいくつかのテーマが与えられて、各バンド「これだ!」と思うものを選んで、それに沿って音源を作る。

そうして、このオーディションから「HELLO」と言う曲が生まれた。(結局このオーディションは実行委員会賞とかいう、よくわからない受賞をして何事もなく終わった)

まあ当時の話はさておき、
”HELLOを聴いて、あなたは何を感じますか?”

愛する誰かとの日常、平凡な日々の幸せ、
「ベイビーハロー、もうお昼だから早く起きて」

ありがたいことにファンの人たちは、いつもそうやって感想を話してくれた。
まあ実際、音楽含む芸術なんてものは受け手に委ねられるものだし、作り手が押し付けるものではないと言うスタンスだから、素直にそういう感想を尊重している。

でも今日この場所は、おれがどういう想いでこの曲を作ったのかを話せたらなと思う。

そのためには先入観を少し忘れて欲しくて、

ここで言うベイビーが"大切な誰か”ではなく、”大切な自分”だとしたら。

人は夢を見る。
ありがたいことに寝てる時も起きてる時も。

おれは小さい頃から色んな夢を見て大人になって、大人になった2016年6月21日から2023年7月20日までは、UCURARIPを通して関わるすべての人を幸せにすることを夢見てた。

そんな夢追い人のおれに、現実主義なおれが「もうお昼だよ、早く起きな」と言う。

自分一人に結局そんな力はないと、ここにきて現実を突きつけられてしまって、例えどんなに曲を書いても世界は何事もないように平然としていた。
確かに普通に働いて、家庭を持って、子供が育つ姿を見守ることも幸せ極まりない人生だ。
でもおれはそれを差し置いてでも夢を見ていたかった。

うん、見てたかった。

オーディションの時に選んだ作曲のテーマ
「人生、最後に歌う曲」

UCURARIPの最後、その時に歌う曲。

こんな日は来て欲しくなかったけど、UCURARIPの生涯はこの曲で終わらせよう。

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