あと施工アンカーの施工について

支持柱やFRP基礎、機器架台を設置する際にあと施工アンカーによりアンカー施工を行いますが、一部の工事会社さんのアンカー施工を見ていて、「大丈夫か?」と不安になることがあります。

接着アンカーのあと施工アンカー施工方法について基本的なことをまとめておきます。

基本的な作業手順は、

①墨出し
②コンクリートドリルの選定とマーキング
③穿孔
④吸塵
⑤穿孔長確認
⑥ブラシがけ
⑦吸塵
⑧ブラシがけ
⑨吸塵
⑩アンカー筋へのマーキング
⑪カプセルの流動性確認
⑫カプセル挿入
⑬アンカー筋の埋込
⑭硬化養生

となります。

ここで、ブラシ掛けと吸塵が2回あるのは、接着アンカーに切子は大敵だからです。切子が残っていると、耐力試験の時に指定の強度がでません。(指定の強度になる前に抜けてしまいます)

②のコンクリートドリル選定は、接着アンカーのメーカー指定のドリル径を必ず使用してください。穿孔深さのマーキングはドリル先端ではなく、先端の尖った部分の根元から測って規定の深さをビニルテープ等でマーキングします。

③穿孔は基本的に施工面に対して直角に先行します。切子が山になって②のマーキングが見えにくくなった場合は吸塵をしてマーキングがよく見えるようにしてください。

④切子の吸塵を行います。間違っても、吸塵の前にブラシがけしないでください。切子を押し込むことになり、切子の除去が不完全となります。

⑥ブラシがけは、金属製の専用ブラシを使用してください。ビニル製のは使用しないでください。(切子の除去が不完全となるためです)

⑩アンカー筋へのマーキングは、孔内にアンカー筋を入れた状態でマーキングしてください。間違っても、アンカー筋にメジャーで穿孔長を測ってマーキングしないでください。

⑪接着剤カプセルの流動性を確認します。カプセルを上下逆にし、戻すと骨材が液体の中を動きます。まぁ、寒いときはあまり流動しないです。骨材が動いていればOKです。

⑫カプセルの挿入については、上下間違わないようにしてください。平らな面が手前に来るようにしてください。

⑬アンカー筋の埋込は、途中で止めたりせず、マーキング位置まで連続的に埋込をしてください。

⑭あふれた接着剤をウエス等でアンカー筋を動かさないようにして除去し、指定時間硬化養生します。

以上が基本的な施工手順です。

工事会社さんの施工で危ないな、と思った項目は、

④吸塵 => ちょこっとしかやらない。
⑥ブラシがけ => ちょこっとしかやらない。
⑦吸塵 => ちょこっとしかやらない。
⑧ブラシがけ => 省略しちゃう人がいる。
⑨吸塵 => 省略しちゃう人がいる。
⑩アンカー筋へのマーキング => まとめて差し金でマーキングしちゃう人がいる。
⑬アンカー筋の埋込 => インパクトで申し訳なさそうにやって、過剰攪拌で接着剤を周りにはみ出しちゃう人がいる。

です。ここら辺を注意してみると良いかと思います。

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