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エルガー作品集/英国近衛兵音楽隊グレナディア・ガーズ

今回もスペシャリスト・レーベルからの1枚。英国を代表する作曲家のSir Edward Elgar。


養護施設の室内合奏団(ユーフォが編成に入る弦付のバンド)での指揮者経験や、吹奏楽団の指揮者であった弟の依頼で、様々な曲を管楽5重奏に編曲した経験などから管楽器の使い方に長けていただろうエルガー。晩年近くにはブラスバンドの曲の委嘱を受けるなど、確かな筆があったのだと思います。

1.威風堂々第2番(arr. C・エヴァンス)
2.コケイン序曲
3.セレナーデ(arr. P・ビーチフィールド・カーヴァー)
4.「子供の魔法の杖」第二組曲(arr. D・ゴドフリー)
5.ムーア風セレナード(arr. D・ゴドフリーJr)
6.「セヴァーン川」組曲(arr. ヘンリー・ギール)
7.威風堂々第4番(arr. M・レットフォード)

チェルシー王立病院の礼拝堂で収録されたこの盤も程よい残響とトゥッティ時の解像度が素晴らしく、曲の細部までしっかりと聞き取れます。
セヴァーン川組曲で聴けるタイトで抜けのよいフォルテレンジの音色が心地よいです。この病院の礼拝堂の画像を検索して眺めてもらうと、この響きが出るのも頷けます。何とも尊厳な空間です。
10才頃に作曲したとされる「子供の魔法の杖」。管弦楽版として世に出たのは作曲してから相当経過してからですが、10代とは思えないような哀愁あるメロディーが何とも言えません。
最後のトラックの威風堂々第4番は抑制の効いたフォルテで下品さが全くなく実に気品に満ちています。終結部のグランドマーチ前ブリッヂで聴くことのできるチューバの渾身の音は必聴です。

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