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MusicEducator's DR Inc. presents Music for Winds & Percussion vol.6

間が空きました。
このCDがつい最近入手した1枚です。欠番を地道に探していく所存です。

1.ノー・ストリングス(F・ラ・ロッカ)
2.ルーブルからの情景(N・デロ=ジョイオ)
3.メリー・ミュージック(F・ヒダス)
4.アメイジング・グレイス(F・ティケリ)
5.呪文と踊り(J・B・チャンス)
6.ファンファーレ・オード&フェスティバル(B・マーゴリス)
7.センセマヤ(S・レブエルタス / arr.F・ベンクリシュートー)
8.ボウ・アイディアル(J・P・スーザ)
9.「ニムロッド」エニグマ変奏曲より(E・エルガー / arr.E・スローカム)
10.組曲「リジョイス」(J・T.スパニョーラ)

1曲目はアメリカ、ニュージャージー州生まれの作曲家であるラ・ロッカの作品。作曲者は多くの合唱曲を作曲しており、吹奏楽作品はこちらだけ。
1993年のカリフォルニア州選抜バンドの委嘱によって作曲されました。
打楽器のビートの載せて様々な楽器がパルスのようにリズムを刻み、様々なリズムや楽器の組み合わせが変化しながら4分半をあっという間に駆け抜けていきます。完全にオープナーの作品です。タイトルを見るとサックス、ユーフォ二ウム抜けの作品かと思いますが、しっかり入ってます。
2曲目はデロ=ジョイオの作品。NBCというアメリカの大手放送会社が1964年に製作したテレビドキュメンタリー作品の音楽からデロ=ジョイオ本人がバンド用にアレンジした作品。展示されているフランスの美術作品と絡めてルネサンス時代の音楽を取り上げたようです。どの楽章も格調高い雰囲気に包まれた佳作です。フェネルとTKWOの演奏で聴きたかった!
3曲目はハンガリー生まれの作曲家ヒダスが作曲し1981年の第1回WASBEカンファレスで初演された作品。バルトークやコダーイと同じハンガリー生まれの作曲家ということもあり、彼らに近いリズムや響きがある曲です。ダブルリードやフルートなどの楽器の響きが全面に出て、他の吹奏楽作品より締まったサウンド感で奏でられます。邦題にすると「陽気な音楽」と言うように、のどかでユーモアさが可愛らしい音楽です。
4曲目はティケリ作品の中でも比較的知名度がある曲。ティケリ特有の幻想的な響と美しいメロディーが相まって感動的な作品に仕上がっています。
5曲目はチャンスの代表曲がここにきて登場。演奏は安定しています。曲が持つエネルギー(緊張感やグルーヴ)の高さとアマチュアでも演奏できるグレード設定の丁度よさに唯一無二の存在感があります。名曲です。
6曲目はバロックやルネサンス時代の音楽を現代のバンドミュージックにアレンジした作品が多いマーゴリスの作品。テレプシコーレが有名ですが、グレードが低い作品でもしっかりと仕事をしています。アンサンブルコンテストなどで度々見かけるフランスの作曲家、ジェルウェーズの作品をバンドアレンジした曲。
7曲目はメキシコの作曲家、レブエルタスが1937年に作曲した「センセマヤ」という曲です。キューバ生まれの詩人によって作られた詩にインスピレーションを受け作曲された曲のようです。この詩ではあるフレーズを何度用いているのですが、それを音で表現するために曲でも同じフレーズを何度も多用しています。独特のグルーヴ感にトリップしそうになります。西村朗さんの秘儀Ⅲに似た強烈な印象を残す曲です。アレンジはベンクリシュートー氏。
8曲目はスーザのマーチ。「美しい理想」と邦訳できるでしょうか。初めて聞くマーチでした。
9曲目はエルガーのエニグマ変奏曲からの抜粋でニムロッドです。アレンジはスローカム氏。上手なフルート吹きがいたらチャレンジしたい曲です。スローカムさんは公立学校の教職の後、才能を買われ多くの大学バンドを指導し、ABAの会長も務めました。
最後の曲は昨年60歳を迎えたアメリカの作曲、スパニョーラの作品。このCDのリリースが1997年ですから、当時は若手駆け出しだったであろうスパニョーラ。曲に若さを感じます。近年では吹奏楽だけに留まらず全米
で活躍しているようです。

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