見出し画像

ノルウェーの軍楽隊のCDその3

現在所有しているノルウェーの軍楽隊CDの最後。
ノルウェー国軍音楽隊の演奏によるクラシカルな吹奏楽のレパートリーを収録したCDです。
ノルウェー国軍音楽隊は1817年に創設され、ノルウェー国内にある5つの軍楽隊の中で最も団員が多く、常動隊員を39名要しているバンドのようです。
そんなバンドが2000年にSIMAXノルウェーのクラシック・レーベルからリリースしたこのCDは演奏クオリティの高さから吹奏楽愛好家からは名盤と呼び声が高い1枚でした。

1.岸辺のモリー(P・グレインジャー)
2.リンカンシャーの花束(P・グレインジャー)
3.ディオニソスの祭り(F・シュミット)
4.第1組曲(G・ホルスト)
5.第2組曲(G・ホルスト)
6.アイリッシュ・チューン(P・グレインジャー)
7.シェパーズ・ヘイ(P・グレインジャー)

吹奏楽のクラシカルな作品が並びますが、それぞれの曲で新しい発見があります。
「岸辺のモリー」はテンポが幾分早いながらも、細かいパッセージを流麗に奏で、1曲目から聴き手を魅了します。確かな技術を感じます。
「リンカンシャーの花束」はこれまでの様々な盤よりも内声を意識した演奏に感じ立体感のある演奏です。またフレージングなども相当なこだわりを持って演奏しており、様々な名盤の中でも実力と和声感などはピカ一。
「ディオニソスの祭り」は熱狂的な陶酔感などはギャルドほど高くはありませんが、後半も破堤することなく一つ一つのパッセージを鮮明に演奏し曲のディティールがしっかりと見えて曲を閉じます。改めて「ディオニソスの祭り」が難曲だということが分かります。
「第1組曲」「第2組曲」は「リンカンシャーの花束」同様にフレージングに拘りをもった演奏。ここぞというところでは金管がシッカリ鳴らしており心地よく聴くことができます。流れも自然です。前2曲を聴いた後だとさらっと流れがちですが、相当な水準の演奏です。
最後のグレインジャー2曲も抑揚と流れのバランスが良く、曲が持つ魅力を惜しみなく再現して終わります。
この盤で指揮を務めたアイヴィン・オードランはノルウェーで活躍する指揮者&ヴァイオリニスト(!)でこれまでも北欧系のクラシックレーベル(BIS、SIMAX)からCDがリリースされており、実績のある指揮者です。元々実力が高いこのバンドを用いて、こうした演奏を世にリリースされ、耳に出来ることはいちリスナーとして幸せの極みですね。
軍楽隊というとアメリカ、イギリス、フランス、ベルギーあたりの軍楽隊をイメージしますが、世界各国の軍楽隊をよく調べてみるとまだまだ素敵な演奏をするバンドは多いのでしょうね。
勿論、日本も陸・海・空ともに素敵なバンドがあります!いずれ所有する盤を紹介したいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?